オンライン英会話の比較を辛口でするとネイティブキャンプになる

オンライン英会話の比較はふたつの観点で考える。また、ネイティブキャンプは最高クラスの体験ができる。そして、忙しい人ほどネイティブキャンプの強みが活きる。したがって、オンライン英会話の比較を辛口でするとネイティブキャンプになる

オンライン英会話の比較はふたつの観点で考える

オンライン英会話から得られる体験を考える。カネだけでなく時間も含めてコストを考える。ふたつの観点を考えて体験レッスンを受ける。よって、オンライン英会話の比較はふたつの観点で考える

オンライン英会話から得られる体験を考える

オンライン英会話における「学び」や「楽しみ」は、オンライン英会話ごとに異なる。それから、オンライン英会話の学びが自分にとって必要であるかは、人によっても異なる。

最近はCMで知名度を上げる「DMM英会話」と、ビジネス特化型オンライン英会話の「Bizmates」は、ウェブサイトのつくりからレッスンまで、受ける印象はかなり違う。

ビジネス英会話が「ウリ」のBizmatesでは、会議や商談といったビジネスシーンを想定したレッスンになる。しかし、海外旅行へ行くためにオンライン英会話を学ぶなら、「学び」と「目的」が合わなくなる。

たとえ海外出張へ行くためにオンライン英会話を学ぶとしても、ビジネスシーンを想定して粛々と進むレッスンでは、オンライン英会話の楽しみにはつながらないかもしれない。

これからオンライン英会話を始める人のためにいうと、オンライン英会話は「ヒト」と「ヒト」で成り立つ。だから、人と話す楽しさがまったくないと、続けるのは苦痛になる。

カネだけでなく時間も含めてコストを考える

オンライン英会話は、消費財を買うように「カネ」と「モノ」の交換だけでは価値をうまない。英会話の体験に「時間」をかけることで、学びや楽しみといった価値がうまれる。

オンライン英会話は、月額料金(=カネ)を対価に、オンラインで英会話を体験する権利を売っている。権利を実行するには、カネだけでなく時間も投入しなければならない。

オンライン英会話へ投入する時間には、レッスンにかかる時間のほか、レッスンを受けるまでにかかるメンテナンスの時間がある。

たとえば、レッスンを予約するまでにかかる時間を分解すれば、自分に合いそうな講師を探す時間、見つけた講師を予約する時間、予約したレッスンを実行するまでの準備時間がある。

これらの時間は「自分に合いそうな講師を探しやすいか?」「予約画面(ウェブサイトのUI)は優れているか?」「レッスンはウェブ上または外部ツールのどちらか?」といった課題として考えられる。

ふたつの観点を考えて体験レッスンを受ける

オンライン英会話から得られる体験は、実際にレッスンを受けてみないと分からない。それから、時間も含めたコストも、実際に使ってみないと気づけないところが多い。

オンライン英会話は無料で体験レッスンが受けられる。自分に合っているかは、実際にレッスンを受けてから判断すればいい。ウェブサイトのUIやレッスン画面も好みが分かれる。

オンライン英会話の「キモ」は、当然ながら「レッスンそのもの」にある。だから、ウェブサイト上でレッスンを受けるのか、外部ツールを使ってレッスンを受けるのかは重要だ。

ウェブサイトでレッスンが受けられる仕組みは比較的新しいが、最近では主流になりつつある。ビジネスオンライン英会話の「HanasoBiz」は、スカイプやズームといった外部ツールを使ったレッスンしか提供していない。

ウェブサイトでレッスンが受けられる「ネイティブキャンプ」と「レアジョブ」でも、ブラウザがSafariだとレッスンを受けられない。レッスンを受けるには指定のブラウザかスマホのアプリを使うことになる。

ネイティブキャンプは最高クラスの体験ができる

評価がオンライン英会話の体験価値を変える。初心者でもビジネスやネイティブはいらない。教材に差はなくゴールはフリートークにある。よって、ネイティブキャンプは最高クラスの体験ができる

評価がオンライン英会話の体験価値を変える

オンライン英会話のレッスンには「アタリ」と「ハズレ」がある。英会話は「ヒト」と「ヒト」で成り立つのだから自明だ。少しでもハズレる可能性を下げたいなら、アタリだった人の意見を聞くのが早い。

実際、講師の評価が見られるオンライン英会話では、「評価」が高くて「サンプル数」が多い講師ほど、アタリになる可能性が高い。多くの人に支持されているのだから、自分と合う可能性も高くなる。

重要なのは、「サンプル数」が分かることだ。評価が高くてもサンプル数が一桁では、評価の信頼性に不安が残る。評価とサンプル数が講師の一覧画面から見られるのは、DMM英会話とネイティブキャンプだ。

HanasoBizは減点ポイントがふたつある。ひとつは、講師のページに行かないと評価が見られないことだ。講師の一覧画面では評価が分からない。ふたつめは、サンプル数が分からないことだ。

Bizmates、レアジョブ、産経オンライン英会話プラスは、そもそも講師の評価が見られない。オンライン英会話に共通して、講師のバックグラウンドや参考ビデオ・音声を載せているが、これらの情報はレッスンから得られる体験の価値を推測できないため、まったく必要ない。

初心者でもビジネスやネイティブはいらない

英会話の初心者はとにかく英会話の時間をつくることがカギだ。「ビジネス英会話」や「ネイティブによるレッスン」は、シチュエーションを限定するだけで、「グローバルな言語」としての英語の強みを制限している。

英語はビジネスでしか使わない。もしくは、ネイティブとしか会話しないという強い意志があるなら、ビジネス英会話やネイティブによるレッスンは有効だ。しかし、英語学習の目的にこのような制約はないはずだ。

商談のなかにアイスブレークがあるように、英会話はビジネスとカジュアルでバッサリと分けられるものではない。それから、世界の英語人口の3/4は、第二言語として英語を使用する人たちだ。

つまり、ビジネス英会話やネイティブによるレッスンをプレミアムとしても、プレミアム分の価値があるかは疑問が残るところだ。

ビジネスの特定シチュエーションを集中的にトレーニングしたいときや、英語が母国語として使われている国へ行くことが決まっている場合を除けば、プレミアムのメリットは少ない。

教材に差はなくゴールはフリートークにある

オンライン英会話の教材にはカリキュラム教材とニュース教材がある。カリキュラム教材はオンライン英会話ごとに差がない。ニュース教材はオンライン英会話を限定するが飽きる。

カリキュラム教材はオンライン英会話の基礎教材になるから、どのオンライン英会話も力を入れている。結果として、オンライン英会話ごとの差がない。

ニュース教材はDMM英会話やレアジョブが提供していて、実際のニュース記事からつくられる教材だ。実際のニュース記事が元になっているので学びが多いが、教材である以上は形式が同じなので飽きる。

カリキュラム教材は十分に理解できて、ニュース教材も飽きてしまったなら、教材でオンライン英会話を選ぶこと自体がナンセンスになる。だから、最終的な「教材」選びのゴールはフリートークになり、フリートークならオンライン英会話を限定しない。

忙しい人ほどネイティブキャンプの強みが活きる

レッスン予約がいらなければリカバリできる。スロットが決まってなければスキマを使える。毎日レッスン以外の選択肢もあると安くなる。よって、忙しい人ほどネイティブキャンプの強みが活きる

レッスン予約がいらなければリカバリできる

オンライン英会話を体験したことがあれば、接続の問題でレッスンが中断してしまったり、そもそもレッスンを始められなかった経験があるだろう。この問題の本質は予約制のレッスンにある。

毎日25分プランのオンライン英会話だと、レッスンが中断されたときや始まらなかったときは、代替チケットが発行される。しかし、限られた時間のなかでレッスンを予定していたなら、レッスンを受けられなかった時間は取り返せない。

しかし、そもそもレッスンに予約という概念がないネイティブキャンプなら、レッスンが中断されようが始まらなかろうが、すぐに別の講師を選んでレッスンを始めることができる。

スロットが決まってなければスキマを使える

レッスンの予約がいらないということは、レッスンのスロットもないということだ。ほとんどのオンライン英会話が30分ごとにスロットを設定しているなか、ネイティブキャンプにはスロットの概念がない。

スロットがなければ、10時13分からでも15時41分からでもレッスンが受けられる。しかも、レッスン時間を「5分」「10分」「15分」「20分」「25分」と選べるから、スキマ時間にも使いやすい。

「予約不要」「スロットなし」「可変時間」の要素は、オンライン英会話で起こりがちな接続問題のストレスを限りなく減らすことに貢献している。この仕組みはネイティブキャンプにしかない最大の強みである。

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毎日レッスン以外の選択肢もあると安くなる

中級者以上は、ひたすらにレッスンの数をこなすことが正しいとはいえない。しかし、オンライン英会話の業界では、毎日25分プランが標準プランになっている。

ビジネスやネイティブといったプレミアムを除いたオンライン英会話の標準料金は、毎日25分のレッスンが受けられて月額6,000円台の中盤だ。ネイティブキャンプは同料金でレッスン回数の制限がない。

しかし、数よりも質を高めたいときは、レアジョブの月8回プランと産経オンライン英会話プラスの月10回プランが、標準から2,000円ほど安価に設定されている。

毎日25分プランの料金(月6,000円台中盤)では、DMM英会話、ネイティブキャンプ(制限なし)、レアジョブ、産経オンライン英会話プラスが横並びだ。

BizmatesとHanasoBizはビジネス英会話のプランしか提供しておらず、強制的にプレミアムが乗った料金設定になっている。

ジーンズを履かない人が増えた理由は服装の合理化が進んだからだ

ジーンズは合理的だからファッションになった。また、プレミアムジーンズが終わりの始まりになった。そして、ジーンズは現在もっとも合理的な服装ではない。したがって、ジーンズを履かない人が増えた理由は服装の合理化が進んだからだ

ジーンズは合理的だからファッションになった

デニムはその合理性から作業着として使われた。作業着がカウンターカルチャーの象徴になった。カウンターカルチャーがファッションになった。よって、ジーンズは合理的だからファッションになった

デニムはその合理性から作業着として使われた

デニムはジーンズに使われる「生地」で、デニムの素材には「コットン」が使われる。コットンはジーンズ以外の服装にも広く使われていることから分かるように、素材の利点が多く生産効率が高い。

コットンには高い通気性や吸水性、耐久性といった特徴があり、服装(生地)が素材に求める要件を満足する。それから、コットンは染色しやすく加工も容易なため、大量生産との相性が良い。

ジーンズが爆発的に普及した理由は、アメリカで作業着としての合理性が認められたからだといえる。しかし、デニムはフランスで生まれた生地であり、ジーンズはデニムを使ってイタリアでつくられた服装だ。

生地はフランス、服装はイタリアの発祥だが、このコットンの利点を最大限に活かしたジーンズを世界に広めたのはアメリカであり、のちに世界最大のジーンズブランドになる「リーバイス」だ。

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作業着がカウンターカルチャーの象徴になった

ジーンズは1950年代まで作業着として着られていた。しかし、当時アメリカで最盛期を迎えていたハリウッド映画の影響から、普段着としても着られるようになる。

とくに、影響を強く受けたのが若者であり、若者が持つ大人や社会への不満を表現した映画、音楽で活躍するスターがジーンズを着用したことから、ジーンズはカウンターカルチャーの象徴となった。

それから、ジーンズは作業着、つまり、男性労働者の服装という固定概念をくつがえすように、女性からもジーンズは支持されるようになる。

女性向けジーンズは、リーバイスが1930年代からつくっている。だが、女性向けジーンズが市民権を得たのは1950年代であり、男性と同じようにカウンターカルチャーの影響が大きい。

カウンターカルチャーがファッションになった

若者を中心に流行したジーンズも、若者が大人になるにしたがって社会全体に普及した。結果として、カウンターカルチャーとして始まったジーンズはファッションとして大衆化する。

1970年代になると、作業着としてのジーンズづくりから始まったブランド(リーバイスなど)以外にも、ファッションとしてのジーンズをつくる「ディーゼル」「リプレイ」が誕生する。

マーケットのニーズを満たすために生まれたジーンズは、カウンターカルチャーの象徴として使われるようになり、そこに生まれた新しいニーズを満たすためにジーンズが進化したともいえる。

ディーゼルやリプレイの誕生は、ジーンズをカウンターカルチャーからメインカルチャーの服装へ移行させるきっかけにもなった。

カルバンクラインがデザイナージーンズを発表してからは、ヨーロッパのブランドもデザイナージーンズを開発し、ジーンズはファッションのメインとなっていく。

プレミアムジーンズが終わりの始まりになった

プレミアムが流行するとトレンドは終わる。ジーンズもプレミアムジーンズが流行した。ゆえに、プレミアムジーンズが終わりの始まりになった

プレミアムが流行するとトレンドは終わる

業界のプレイヤーすべてが「プレミアム商品」を推すということは、業界の売れ行きが鈍化しているということである。差別化しなくても売れる業界なら、在庫リスクをつくって差別化する必要がないからだ。

売り手の視点でプレミアム商品の意味を考えると、プレミアム商品は差別化の手段にほかならない。つまり、差別化をしなければ売れ行きにマイナスの影響を及ぼす。

想定できるパターンはふたつある。ひとつは、商品がコモディティ化してしまって、商品単価が下がっている。だから、商品単価を上げるためにプレミアム商品をつくる。

ふたつめは、製造コストの削減が頭打ちになり、商品の利益率が改善できない状況だ。品質の向上を伴わない値上げは受け入れられないから、商品の供給量を増やすかしない。

しかし、商品全体(=業界)の売れ行きが鈍化しているとき、商品の供給量を増やすことはできない。そのため、プレイヤーは地道な差別化をして生き残りをはかる。

地道な差別化だけでは商品に差がなくなる。そこで大きく方向性を変えるのが「プレミアム商品」であり、新しい価格と価値の創造である。つまり、ふたつのパターンも、問題の本質は業界の不況にある。

ジーンズもプレミアムジーンズが流行した

アメリカでは1990年代の終わりに「プレミアムジーンズ」が生まれた。プレミアムジーンズは通常のジーンズの三倍近い価格をつけたが、好景気の影響で売れ行きが好調だった。

日本では2000年代になってプレミアムジーンズが流行した。そもそもプレミアムジーンズとは、1980年代ごろからアメリカ国外で製造され始めたジーンズを、再びアメリカで製造したことで生まれた。

ジーンズの製造拠点をアメリカ国外へ移したのは、製造コストの削減が目的であった。それをアメリカ国内で製造すれば、当然価格は跳ね上がることになる。

それに加えて、デニムを日本やイタリアでつくられた生地にすることで、製造コストの増加分を原材料コストの増加分で理由づけするようになった。

アメリカのセレブがプレミアムジーンズを支持したことからトレンドになったが、リーマンショックの影響もありプレミアムジーンズのトレンドは終わった。

プレミアムジーンズのトレンドが終わったことで、ジーンズのトレンドも終わった。しかし、トレンドは周回的にくりかえすものだから、再びジーンズのトレンドが生まれる可能性は否定できない。

ジーンズは現在もっとも合理的な服装ではない

日本はデフレから商品単価が下がっている。デフレの裏側には製造の合理化が影響する。服装の一本化は合理化が進んだ結果である。よって、ジーンズは現在もっとも合理的な服装ではない

日本はデフレから商品単価が下がっている

先進諸国では継続的に物価が上昇するインフレが進むなか、日本では反対にデフレが進行している。とくに、アパレル業界はユニクロの登場以降、商品単価の下落が著しい。

総務省「家計調査」によると、衣服一枚あたりの価格は、1990年の6,848円から2019年の3,202円と、約30年で半分以下にまで下落している。

この下落にユニクロが大きなプレゼンスを発揮したことはいうまでもない。給与水準が30年前から上がっていない日本の消費者にとって、ユニクロは服装の消費に対する価値観を変えるきっかけになった。

一方、服装の供給量は増加していることから、「大量生産」「大量消費」が拡大しているともいえる。大量生産、大量消費の観点では、アパレル業界へ持続可能性の追求が要請されている状況だ。

デフレの裏側には製造の合理化が影響する

アパレル業界で継続的に商品単価が下落するデフレは、ユニクロの価格破壊が引き金となった。しかし、ユニクロはアパレル業界を破壊するために生まれたのではなく、製造の合理化を追求しただけだ。

実際、ユニクロは安くて耐久性の低い服をつくっているわけではない。ユニクロは長く着られる服をつくることを目標にしていて、長く着られるための工夫をしていることがイノベーションになっている。

たとえば、無難なデザインはトレンドに左右されず、いつまでも長く着られる。だから、商品のライフスパンが長く、同商品の大量生産が可能だ。そのため、製造コストを下げて、その分を品質へ還元できるため、耐久性が上がる。

ユニクロの大量生産が大量消費をもたらしているわけではない。大量消費は消費者の意識づけの問題であり、長く着られる服を長く着ない消費者を教育するために、"RE.UNIQLO"といった活動が生まれた。

リユースやリサイクルをとおして、大量生産を合理化することがユニクロが抱える課題である。大量生産なくしては、ユニクロのコストパフォーマンスを再現することはできない。

ジーンズ離れは合理化が進んだ結果である

結局のところ、現代にはジーンズ(デニム)を超える合理的な服装(生地)がある。ジーンズよりもストレッチ性がありながらも耐久性が高いパンツだ。

しかも、ジーンズはファッションとして大衆化したとはいえ、カジュアルウェアを代表する服装だ。近年はビジネスとカジュアルの境界があいまいになっていることから、ジーンズはこの条件に合理性を持たない。

それから、アパレル業界はラグジュアリーブランドと製造小売(≒ファストファッション)に二極化し、中間層は排除されつつある。ジーンズをつくる有名ブランドの多くがこの中間層に位置している。

つまり、ジーンズよりも商品として優れたパンツが出てきただけでなく、ジーンズをつくることを専業にしたブランドでは、ブランドの価値が下落している。商品とブランドの価値はスパイラル的に負の連鎖を起こしているのが現状だ。

ジョンスメドレーはユニクロのニットを駆逐できるほどは強くない

ジョンスメドレーはニットの王様である。ユニクロのニットに圧倒的な品質で勝つ。ニットの品質は価格の差を埋められない。したがって、ジョンスメドレーはユニクロのニットを駆逐できるほどは強くない

ジョンスメドレーはニットの王様である

英国王室から信頼されている。最高品質のニットを作っている。非常に高価である。したがって、ジョンスメドレーはニットの王様である

英国王室から信頼されている

ジョンスメドレーは2013年に英国王室からロイヤルワラントを与えられている。ロイヤルワラントとは、王室御用達、王室に商品を供給することが許されているという意味だ。

一度ロイヤルワラントを与えられた企業であっても、5年ごとにその認定は精査して更新される。ジョンスメドレーは2013年に英国女王陛下からロイヤルワラントを与えられた後、2021年には英国皇太子殿下からロイヤルワラントを与えられている。

ジョンスメドレーが英国王室からここまで信頼されている背景の一つとして、その長い歴史がある。2021年現在までにジョンスメドレーには230年以上の歴史があるのだ。

ジョンスメドレーは1784年にイギリスのイングランドで設立された。設立当初は繊維を糸にする「紡績」や、糸を「編む」または「織る」こと(つまり、生地作り)に力を入れていた。

その後、設立者John Smedleyの息子が工場の経営を引き継ぎ、そこから高品質のニットウェアを作ることに力を入れ始めた。

ジョンスメドレーでは、一つのニットが出来上がるまでの全工程を自社工場で行っている。それから、ニットの原材料には最高品質の素材を使うことを理念としている。

ジョンスメドレーの工場は拡大と近代化を進め、19世紀後半には当時最先端の紡績機や編み機で製造されたジョンスメドレーのニットが高い評価を受けた。これによりジョンスメドレーのニットは世界に流通する。

現在もジョンスメドレーの工場は高い品質を維持し、ポールスミスやバーバリー、ブルックスブラザーズといった有名ブランドのOEM製造も行なっている。

最高品質のニットを作っている

前述したように、ジョンスメドレーのニットには最高品質の素材が使われている。具体的には、最高品質の「ウール」が使われており、このウールが熟練の技術で生地となり、最高品質のニットとして世界に供給されている。

ジョンスメドレーが使う最高品質のウールは、メリノ種から取れる「エクストラファインウール」の中でも、ジョンスメドレーの厳格な基準で選別されたものだけだ。

ウールは、メリノ種といわれる「ウール(羊毛)の生産を目的に飼育される羊」から作られる繊維で、その繊維の太さによって五種類に分類されている。

エクストラファインウールはウールの中では二番目に繊維が細いものだ。エクストラファインウールの直径は18.5〜19.5ミクロンであり、人の髪の毛が50〜100ミクロンであることを考えると、エクストラファインウールがどれだけ細いか分かるだろう。

さらに、厳選された最高品質の素材がジョンスメドレーの技術でウォッシングされる。ウォッシングは羊が成長する過程で蓄積された汚れを取り除く工程だ。この工程でもジョンスメドレーの高い製造技術が分かる。

非常に高価である

ジョンスメドレーの素材へのこだわりは商品価格にも影響する。それから、最高品質のニットを作るためには製造工程にもこだわりがあり、そのこだわりは一つのニットが出来上がるまでの時間となり、ジョンスメドレーの商品価格を押し上げている。

実際、ジョンスメドレーではニットの原材料を調達してからニットとして出来上がるまでに一年かかるといわれている。この時間は実際の稼働時間を意味しないが、時間コストは相応に高くなる。

結果として、ジョンスメドレーのニットは30,000円前後が流通価格になっている。日本ではユニクロのニットが3,000円で買えるのだから、およそ10倍の価格である。

ユニクロのニットに圧倒的な品質で勝つ

発色がずばぬけて良い。肌触りや光沢も素晴らしい。ニットの利点が生きている。したがって、ユニクロのニットに圧倒的な品質で勝つ

発色がずばぬけて良い

ジョンスメドレーのニットのカラーは、ジョンスメドレーのカラーパレットから選ばれる。原材料は外部から調達しているものだが染色はジョンスメドレーの工場で行われるため、ニットのカラーは「ジョンスメドレーにしかない色」になる。

実際、ジョンスメドレーはニットの色展開が豊富である。一つのモデルに10色以上のカラーを展開していることもある。ブラックやグレーといった定番色以外にも、ブルーやグリーンなどの準定番色に段階的な濃淡を入れてカラー展開している。

肌触りや光沢も素晴らしい

ジョンスメドレーが使うエクストラファインウールは、非常に細い繊維で肌触りが良く、肌にも優しい。それから、このウールはきめ細かくカシミアにも匹敵するほどの光沢を持つ。

エクストラファインウールを使ったニットも珍しくはないが、ジョンスメドレーは同じエクストラファインウールでも独自に厳選したものだけを使い、熟練の職人技でニットとして仕上げている。

だから、他社のエクストラファインウールを使ったニットと比べても、ジョンスメドレーのニットは肌触りや光沢で頭一つ抜けていると評価されている。

ニットの利点が生きている

ニットウェアの特徴は軽くて体にフィットすることだ。ジョンスメドレーは「ファインゲージニット」のパイオニアであり、軽くて体にフィットするニットを作っている。

ファインゲージニットは編み目の細かいニットのことだ。ゲージは編み機の針の密度を表す単位であり、針の密度は編み目の細かさに比例する。ゲージの値が大きいとニットの編み目も細かくなり、ニットとしての厚みは薄く、軽くなる。

ニットはゲージの大きさで分類され、編み目の粗いものから「ローゲージ」「ミドルゲージ」「ファインゲージ(ハイゲージ)」となる。ジョンスメドレーが得意とするのがファインゲージだ。

一般的に12ゲージ以上のニットをファインゲージといい、使う糸が細くなり編み目も細かくなる。同時に、ファインゲージのように繊細な編み目のニットを作るには高い技術が必要とされる。

ジョンスメドレーには30ゲージのニットを編む技術があり、その技術を持つことがファインゲージニットのパイオニアと呼ばれる所以である。

ニットの品質は価格の差を埋められない

ユニクロのニットもバカにできない。ニットの価値は「軽くて温かいこと」にある。ニットはデリケートな服だ。したがって、ニットの品質は価格の差を埋められない

ユニクロのニットもバカにできない

ユニクロのコンセプトはジョンスメドレーのコンセプトと似ている。だから、最高品質の素材と技術はなくても、ユニクロのニットはジョンスメドレーのニットに近いものになる。

実際、ユニクロのコンセプトは長く着られる服を作ることだ。ジョンスメドレーの作る最高品質のニットもまた、長く着られる服の一つである。

今の時代、モノの良さを決めるのは目に見えるカタチになる素材や技術だけでなく、モノを作るコンセプトも大切とされる。つまり、商品そのものだけでなく、商品が生まれるまでのストーリーも共有される時代になっている。

ニットの価値は「軽くて温かいこと」にある

ニットが市場に供給している価値は、体を温める機能を、肌着としても使えるくらい軽量な服として我々に与えてくれることだ。

実際、ニットの競合はニットだけでない。ジャケットの下に着るインナーダウンや、機能性の肌着(ユニクロのヒートテックなど)も含まれる。

デザインとしての価値もニットにはあるが、デザインだけではニットを差別化することは難しい。ニットのデザインはシンプルで装飾性が低いことから、ジョンスメドレーのニットがどれだけ光沢に優れていても、ぱっと見でジョンスメドレーと識別することはできないだろう。

ニットはデリケートな服だ

ニットは編むものだから、織物を織るときのように糸が直角に交差しない。そのため、ニットは織物と比べて耐久性が劣り、扱いには注意が必要となる。

ニットの構造は糸でつくったループの結合だ。織物のようにしっかりと糸が結合しているわけではなく、ゆるい結合状態である。

デリケートな服は洗濯にも気を使う。ジョンスメドレーのニットはニットでありながらも耐久性が高いことで知られ、しっかりとケアをしていれば5年でも10年でも着ることができるが、それだけ扱いにも慎重になる必要がある。

ジョンスメドレーのニットは耐久性が高いとはいえ、価格がユニクロの10倍だから耐久性もユニクロの10倍なのかといえばそうはならない。

ジョンスメドレーのニットは、価格は高くても品質の良いものを長く使うという観点ではピッタリだが、毎年のトレンドに合わせて色を変えたいといった楽しみ方はできない。

それに対して、ユニクロのニットはニットの価値は十分に与えながらも、ジョンスメドレーの10%の価格で買えることから、扱いにそこまで気を使わなくてもいいし、毎年のトレンドに合わせて色を変えることもできる。

実生活の中では着ている服に食べ物をこぼしてしまったり、何かに引っかけてしまうこともあるだろう。そんなことに気を使っているのもムダなことなので、ニットはユニクロでも十分だと思えてしまうのだろう。

オンライン英会話で上達しない中級者はオーバーラッピングをやれ

中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない。初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる。オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである。したがって、オンライン英会話で上達しない中級者はオーバーラッピングをやれ

中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない

オンライン英会話にはレッスンの型がある。知っている表現だけで会話になってしまう。続ければ続けるほど新しい学びが減っていく。したがって、中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない

オンライン英会話にはレッスンの型がある

オンライン英会話のレッスンは「25分」という枠が一般的で、そのレッスン時間は多くの英会話スクールが採用する「40分」と比べると6割しかない。オンライン英会話側がその限られた時間内で決められたカリキュラムを終わらせるためには、レッスンの進め方に「効率」という概念を持ち込まなくてはならない。

実際、効率を無視してレッスンを進めていけば、時間内にカリキュラムは終わらず生徒の満足度は下がる。だから、オンライン英会話はレッスンの型を作って、講師にもその型通りにレッスンを進めるよう教育する。

それから、オンライン英会話は少しでも生徒のレッスン満足度を上げるために講師の質を平準化したいと考える。講師の質(つまり、レッスンの質)を平準化するためにも型を作ることは有効である。

型さえあれば、ビギナー講師もベテラン講師と同じ品質でレッスンを提供できる。時間内にカリキュラムを終わらせることもできるし、時間が余っても型に沿った質問で時間をムダにしないのだ。

知っている表現だけで会話になってしまう

型のあるオンライン英会話では、当然ながらどのレッスンもレッスンの進め方は同じになる。だから、レッスンで質問される内容は似てくるし、それに対する回答にも代わり映えがなくなる。

英語を話すには「コア」となる表現がある。このコアとなる表現とは、基本的な文法(5文型や時制など)とよく使われる単語のことだ。日常会話でリーチするコアは非常に広いが、型のあるオンライン英会話では限られたコアだけでなんとかなってしまう。

オンライン英会話の講師は英語を教えることが目的だ。だから、冠詞や動詞の変化を間違えていれば指摘をしてくれるが、表現の多様性にはこちらから注文をしなければ指摘をしてこない。

もちろん「表現の多様性を広げたい」意思を伝えて、一般的な表現ばかりを使ったときには指摘をしてもらうこともできる。しかし、25分のレッスン時間で表現の多様性を広げていくのは非効率な上、その場では覚えた気になって忘れてしまうのがオチだ。

続ければ続けるほど新しい学びが減っていく

結局のところ、決められた枠組みの中では、ありきたりの表現だけを使っていても会話として成立してしまうことから、オンライン英会話は習熟度の上昇とは反比例して学びの機会が減少していく。

オンライン英会話の中級者は毎度同じ流れでオンライン英会話のレッスンを受け、知っている表現だけで「なんとなく」会話をしていることが多い。これでは現状維持にこそなれ、中級者が上級者になるには効率的とは言えない。

初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる

初級者はレッスンの型が分からない。多くの表現を知らない(使えない)。基礎×時間で中級者になれる。したがって、初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる

初級者はレッスンの型が分からない

オンライン英会話を始めたばかりの初級者は、オンライン英会話に型があることを知らないし、知っていてもその型は見えないだろう。

そもそも講師の言っていることが分からないかも知れないし、日本語にはない英語の論理構造にだってまだ慣れていないのだから、レッスンの全体像が見えていなくて当然だ。

オンライン英会話の初級者にとって、オンライン英会話は未知の要素ばかりだ。それでもカリキュラムに沿ってレッスンをしっかり進めたいと思えれば、頭を使って考えて、レッスン前には予習をすることもあるだろう。

自分の頭で考える、レッスン前に予習をする、それに対する講師の反応から学んでいく。オンライン英会話の初級者はこれの繰り返しだ。この繰り返しを学習のサイクルとして回すことができるのが、初級者がオンライン英会話から享受できる最大の学びである。

多くの表現を知らない(使えない)

オンライン英会話の初級者は、英会話で一般的に使われる表現が身についていない。だから、同じ表現ばかり使うこともないし、自由な表現を試すことができる。

レッスンの型が分からないことから得る学びと同じで、知らない(使えない)からこそ自分で考える。考えたことを試した結果、会話として成立したか、しなかったかもまた学びとなる。

オンライン英会話の経験値がゼロなら、最初の200時間はもっとも成長を感じられる可能性が高い。つまり、200時間は英会話だけに集中をしてもその効果に期待ができる。

基礎×時間で中級者になれる

オンライン英会話の初級者は自然と頭を使う。頭を使って考えるには、文法や単語といった英語の基礎が必要だが、裏を返せば基礎があれば時間をかけて表現を使える状態に持っていくことで、会話ができる中級者にはなる。

オンライン英会話には意味がない、全く上達しないといった意見もあるが、これは間違っている。これまでに英語を話す機会がほとんどなかった人にとって、オンライン英会話は新しい学びにあふれている。

オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである

新しい表現が使えるようになる。スピーキングの問題点が分かる。オンライン英会話に活用できる。したがって、オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである

新しい表現が使えるようになる

オーバーラッピングは、英語の音声を聞きながら自分の声を音声にかぶせる(オーバーラップさせる)トレーニングだ。実際に口を動かすトレーニングなので、新しい表現に出会えば自分のものにできる可能性が高い。

オーバーラッピングでは口に出す英語の音やリズムを自然と体に覚えさせる。そうすることで、オンライン英会話などのアウトプットをする機会に使える英語を自分の引き出しの中にストックしていく。

オンライン英会話の中級者は、初級者のように自分で考えて試すといったサイクルを回していくことが難しい。それでもフレーズ暗記のように英語を記憶して覚えていくことは効率的ではない。

オーバーラッピングは、実際に口を動かすことによって音を体で覚え、オンライン英会話などの場で実際にアウトプットしていくことまでが一つのサイクルになる。

スピーキングの問題点が分かる

オーバーラッピングがうまくできないときは音が正しく出せていないか、聞いた音声を一時的に記憶する「リテンション」ができていないからだ。どちらも英会話には必要なことで、自分のスピーキングには何が足りていないのか、オーバーラッピングを通じて知ることができる。

例えば、音が正しく出せていないのは、その単語が身についていないからに他ならない。それから、リテンションの技術はトレーニングで強化するしかないが、これができることで、オンライン英会話のレッスン内で得た学びを取りこぼすことが少なくなる。

スピーキングの問題解決はリスニングのスキルアップにもなる。自分が正しく発声できない音は、相手が発声したときも聞き取れない可能性が高い。

だから、オンライン英会話でリスニングに課題を感じているときにもオーバーラッピングは有効だ。リスニングの勉強といって英語教材を聞き流すのは全くのムダなので、オーバーラッピングで口を動かすことからリスニングの強化を図った方がいい。

オンライン英会話に活用できる

前述したように、オーバーラッピングはあくまでもインプットの作業で、実際の会話の中でオーバーラッピングでストックした英語をアウトプットするまでが1サイクルである。だから、オーバーラッピングはオンライン英会話との相性がいい。

週に4時間オンライン英会話のレッスンを受けているなら、その半分の2時間はオーバーラッピングに使っていい。惰性でオンライン英会話を続けるなら、半分はインプット、半分はアウトプットと割り切った方が効率が上がる。

一方、大切なことなので繰り返すが、オーバーラッピングだけをやっていてもストックした英語をアウトプットする機会がないため、せっかくのストックもいつかは消えてなくなってしまう。

だから、必ずオンライン英会話でもいいので英語をアウトプットする機会はつくってストックした英語を使える英語にまで昇華しなければならない。

つまり、オンライン英会話のためにオーバーラッピングを活用するのと同時に、オーバーラッピングのためにオンライン英会話を活用するとも言える。

実際にオーバーラッピングを取り入れるときは、音声とスクリプトの両方が(無料で)手に入るTEDやBBCを使い、アウトプットの機会には安価なオンライン英会話を使うといい。

それから、オーバーラッピングとアウトプットの機会(英会話)をセットでできるオンライン英会話としては「ベストティーチャー」というサービスもある。

ベストティーチャーならオーバーラッピングで使ったスクリプトがそのままアウトプットに使えるため、初めてオーバーラッピングを取り入れるときや、学習環境は一つに絞りたいという人には都合の良いサービスである。

PFCバランスの計算アプリは「メモ」と「Calcbot」が最適解である

PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける。計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する。実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する。したがって、PFCバランスの計算アプリは「メモ」と「Calcbot」が最適解である

PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける

PFCバランスは「一週間」単位で計画する。計画したPFCバランスを「毎日」実行する。実行した結果をモニタリングして修正することも大切だ。したがって、PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける

PFCバランスは「一週間」単位で計画する

食事のPFCバランス(「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の割合)を管理することを「マクロ管理法」というが、マクロ管理法を実行したところで日々の体重増減は思うように進まないし、「一か月」という期間ではマクロ管理法の計算ミスをリカバリーできない。だから、「一週間」はマクロ管理法のサイクルを回す上で適当な期間なのである。

実際、人の体重は体内の水分量だけで数kg増減する。つまり、朝起きて体内水分量が少ないときは体重が減るし、夜寝る前の体内水分量が多いときは体重が増える。

ある日はその前日から体重が1kg減っていたのに、その翌日には元に戻っているということも日常茶飯事だ。日々の体重の増減に一喜一憂していてはキリがない。

それに対して、一か月前に決めたPFCバランスを愚直に実行したとして、もしそのPFCバランスの計算が間違っていれば体重の増減をリカバリーするのにまた一か月かかってしまう。

それから、一週間を単位とすることは我々の社会生活とも相性が良い。トレーニングは一週間ごとのローテーションで組むことが多いし、仕事や学業も一週間単位でスケジュールされることが多いだろう。

体重の増減は摂取カロリーのコントロール(計画したPFCバランスでの管理)に焦点を当てられることが多いが、それと同じように適当に「計画すること」も大切である。まずはしっかりと定量的に計画することで次のステップに進むことができる。

計画したPFCバランスを「毎日」実行する

一週間は長いようで短い。「今日だけは」という気持ちで日々を過ごしていれば、あっという間に最初の計画に価値はなくなってしまう。計画は実行されることに価値がある。一度立てた計画は「毎日」実行するという強い意志を持とう。

一週間単位での計画(ターゲット)にどれだけミートできるかは、毎日の実行のビルディングブロック(積み木)である。一週間で積み上げたブロックが足りない(余る)ことはあるかもしれないが、それを決めるのは実行する自分だ。

食事から摂取するカロリーはあくまでも理論値であるから、800kcalの食事を取ったつもりが実際には900kcalだったり700kcalであることもあるだろう。

しかし、そのように細かい数値の整合を確認していても仕方がない。幸運なことにあらゆる食事のカロリー(PFCバランス)を参考値として記載しているサービスはあるから、理論値でも計画にミートできる最大限の努力をするべきだ。

実行した結果をモニタリングして修正することも大切だ

前述したように、摂取カロリーは理論値でしかないだけでなく、消費カロリーだってその日の過ごし方で変わってくる。だから、一週間単位の計画を実行したなら、その結果から計画したPFCバランスが適当だったのかどうかを評価しなくてはならない。

消費カロリーは基礎代謝と運動係数の積で考えることができる。運動係数は運動量で決まるものだから人によって異なるし、同じ人でも日によって異なる。外を動き回ることが多ければ運動係数は大きくなるし、座りっぱなしなら運動係数は小さくなる。ある人の運動係数は計画と実行の結果からしか分からないのだ。

例えば、体重を増減させたくない基礎代謝1,600kcalの人が、摂取カロリーをメンテナンスカロリー(体重が増減しないカロリー)2,400kcalで計画して毎日実行したとする。しかし、一週間後には体重が0.5kg減っていた。これは運動係数を1.5で見ていた(2,400kcal / 1,600kcal)が、実際にはそれ以上に運動係数が大きかったということだ。

一週間に体重が0.5kg減るということは、毎日500kcal(500g * 9kcal * 80% / 7日)のカロリーが不足していたことになる。細かい計算根拠は置いておいても、この人が引き続き体重を増減させたくないなら翌週は毎日2,900kcal摂取すればいいのだ。

計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する

計画を詳細に記録できる。計画を実行した結果が残せる。Appleユーザーはメモ一択である。したがって、計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する

計画を詳細に記録できる

マクロ管理法では摂取するカロリーをPFCに分解して計画するが、その計画にも固定値と変動値がある。例えば、朝と夜にプロテインを取るなら、プロテインのカロリーは固定値でそれ以外が変動値だ。このような詳細を記録するには表計算ほどは細かくない文章保存方法が必要だ。

マクロ管理法の記録で最も簡単かつ原始的な方法は「紙」に書くことだ。しかし、紙に書くくらいなら誰でも持っているであろうスマホを使って、紙に書くことを電子化した方が便利だ。

iOS標準アプリの「メモ」は、スマホが登場するまでに行われていた「メモ書き」をスマホ上で再現できるようにしたアプリだ。iPhoneを使っているならこのアプリを使わない手はないだろう。

計画を実行した結果が残せる

「計画」と実行した「結果」は表裏一体だ。手書きのメモは結果を残せばそれだけ紙の量が増えていくが、アプリのメモなら追記・修正をして一ページに計画と結果を残すことができる。

実際、数年もマクロ管理法を実行していれば、前回の減量(増量)時に計画していた摂取カロリーを参考値として持ち出すことは頻繁にある。長期間にわたって保存する必要のあるものは手軽に使えて詳細が分かるものが適している。

それから、体重の増減推移をグラフ化したり、年単位で過去データをさかのぼりたいときは、体重計と連携させた「ヘルスケア」アプリが使える。こちらもiOS標準アプリである。

計画を実行した「結果」は自分だけの「資産」だ。過去の成功(失敗)事例をストックしていくこと、その事例を参照することにおいてメモアプリ以上に適したものはない。

Appleユーザーはメモ一択である

iPhoneだけでなくMacやiPadといったAppleデバイスを複数所有している人には、なおさらメモを勧めたい。メモはiOS標準であると同時にMacOSやiPadOS標準でもあるから、各デバイスで更新した内容はiCloudを経由して全デバイスに即連携される。

メモに記録する内容は少ないとはいえ、キーボードを使って入力できることはアドバンテージになる。メモアプリで「メモを取ること」自体は非常にシンプルなインターフェースだが、フォルダ管理もできるためデータ保存にも適している。

実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する

進展が管理しやすい。メモ代わりにもなる。マクロ管理以外にも使える。したがって、実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する

進展が管理しやすい

計算機アプリはiOS標準の「計算機」もあるが、有料だが使いやすい「Calcbot」を勧めたい。Calcbotには標準の計算機アプリにはない「履歴テープ」や「式ビュー」といった機能があり、これらのおかげでPFCごとの進展が管理できる。

履歴テープは計算の結果が残せる機能で、前に計算した履歴が残せるようになっている。式ビューは計算の過程が分かる機能で、計算結果の計算式が一目で分かる。

例えば、計画したP(タンパク質)が150gのとき、朝に20g、間食に20g、昼に30gのタンパク質を取ったなら、「150」→「150 - 20 - 20 - 30 = 80」のように、計算結果と計算式が残る。それから、次に20gのタンパク質を取ったことを計算しても、それまでの計算結果と計算式は残る。

メモ代わりにもなる

Calcbotには「お気に入り」機能もある。一週間ごとに計画したPFCをお気に入りにしておけば、日々の管理はメモを使うことなくCalcbotだけで完結できる。

実際の運用としては、一週間のPFCを計画したらCalcbotにPFCの数値を打ち込みお気に入りにする。それから、毎日お気に入りにしたPFCから実際に取ったカロリー(PFC)を引き算していき、その日の夜にはゼロになることを目指す。

Calcbotなら過去の記録も「履歴テープ」に残すことはできるが、スクロールして探すのは大変なので、一週間ごとの計画と実行の結果は「メモ」で記録する。

マクロ管理以外にも使える

CalcbotはPFCバランスの計算アプリとして使うだけでなく、「関数電卓」や「換算」機能を使って日常生活のQOLを上げることもできる。

例えば、換算機能を使うと「500日」を「12,000時間」に換算したり、「10lb」を「4.5359237kg」に換算できたりと便利だ。

いずれにせよ、履歴テープと式ビュー機能がある計算機アプリには類がなく使いやすいため、有料でも購入を検討してみてほしい。

全身ユニクロはダサいのではなくその価値観に慣れていないだけだ

全身ユニクロはトップとボトムで決まる。ダサいと思う価値観がすり込まれている。何に価値を置くかは時代とともに変わる。したがって、全身ユニクロはダサいのではなくその価値観に慣れていないだけだ

全身ユニクロはトップとボトムで決まる

全身ユニクロなら「頭」から「つま先」までユニクロのはずだ。「靴」は服装から分けられがちでユニクロも力を入れていない。したがって、全身ユニクロはトップとボトムで決まる

全身ユニクロなら「頭」から「つま先」までユニクロのはずだ

「全身○○」という言葉は、一般的に服装全体を一つのブランドで統一しているときに使われる。だから、「全身ユニクロ」ならジャケットやパンツだけでなく、帽子や靴までもユニクロで統一しているときに使われるべきだ。

ユニクロはジャケットやパンツだけでなく、下着やベルト、そして帽子や靴までも取り扱っている。だから、文字通りに「全身ユニクロ」を再現することはできる。

「靴」は服装から分けられがちでユニクロも力を入れていない

しかし、服装の中でも「靴」はジャケットやパンツと分けて考えられることが少なくない。それから、服装全般を取り扱うユニクロさえも「靴」には力を入れていないようだ。

2021年7月現在、ユニクロの靴のラインナップには2種類のスニーカーがあるだけだ。どちらも履き心地の評価は高いが、ラインナップの少なさとそのオーソドックスなデザインでは、価値の源泉である「差別化」ができていない。

ユニクロには、1984年に1号店を開店したときから「誰にでも着られるカジュアルウエアを提供する」というコンセプトがあるが、これは商品を差別化しないこととイコールではない。

着心地(履き心地)とデザインの良さを両立しながら、さらに価格を抑えた高品質な商品を多様に展開することがユニクロの差別化戦略と理解している。しかし、今の靴のラインナップではデザインと多様性が犠牲になっていると言わざるを得ない。

ダサいと思う価値観がすり込まれている

「カブり」が「ダサい」のは風潮だ。ユニクロは「カブる」可能性が高い。そもそもユニクロの評価が低すぎる。したがって、ダサいと思う価値観がすり込まれている

「カブり」が「ダサい」のは風潮だ

他人と服装がカブることをダサいと思うのは、ものごとを表面的にしか捉えていない。この問題の本質はカブる「服装」自体にはなく、その服装をしている「人」にある。もっと分かりやすく言うと、カブる服装がダサいのではなく、ダサい人と服装がカブることがダサいのだ。

ユニクロがターゲットにしている客層はとても広い。「いつでも、どこでも、誰にでも・・」がコンセプトなのだから、ターゲットは広くなくてはならない。だから、ユニクロの服装は「服装が好きな人」と「服装に大した興味がない人」の両方に選ばれる。

ユニクロが「誰にでも」とは言っても、服装に興味がない人がサイズや色、組み合わせをしっかりと考えずにユニクロを着れば、それがダサく見えてしまうこともあるだろう。

ユニクロは「カブる」可能性が高い

ユニクロはシンプルで長く着られる服を作る。これはユニクロのコンセプトをより具体的にしたものだ。だから、ユニクロの店舗には毎年同じような商品が並び、それでも多くの人がそれらの商品を買う。そして街にはユニクロ(を着ている人)があふれかえる。

ユニクロの冬場のインナーとして知らない人はいないであろう「ヒートテック」は、2003年に登場してから2021年現在までの18年間、そのデザインを大きく変えていない。

インナーは10年以上デザインを変えなくたって何の問題もないし(むしろインナーにトレンドがあったら変だ)、リーバイスにだって501のように100年以上の歴史があり、細かな仕様変更を考慮しても50年以上デザインが変わらないものもある。

しかし、そういった商品における弊害が他人との「カブり」だ。ユニクロはリーバイスと違って服装全般を取り扱っているから、一商品あたりのライフスパンが長いこととの相乗効果で、ユニクロ商品を着る人の母数はリーバイスの比ではない。

つまり、ユニクロ自体が毎年同じ商品を量産していること(これはユニクロの強みでもある)と、ユニクロが服装全般を取り扱っていることが相まって、ユニクロを着る→服装がカブる→ダサい(風潮)という構図が成り立ってしまっている。

そもそもユニクロの評価が低すぎる

それから、ユニクロは(不当にも)低い評価というか、先入観が先行してしまっているブランドだ。その背景には、ユニクロのコンセプトが正しく理解されておらず、そのコンセプトから生まれる強みが知られていないことがある。

例えば、価格帯ではユニクロと競合し比べられることも多いZARAやH&Mといったファストファッションは、ユニクロほど(不当に)低い評価を与えられてはいない。

それでは、まずはファストファッションとは何か?ということを考えたい。ファストファッションとは、服の商品開発サイクルが短い(主に製造小売業という業態を取る)企業を指す。ファストファッションはハイブランドが作るトレンドをいち早くまねて低価格に提供することを目指している。

だから、服装が好き(≒トレンドに敏感)だが、毎回ハイブランドばかり買うことはできない(主に)若い人たちがファストファッションを好む。そしてファストファッションもまたそれらの若い客層をターゲットにしている。

これらの客層は、服装を評価するときにどれだけトレンディかを重視しているため、そもそもファストファッションとは考え方の異なるユニクロは低い評価にならざるを得ない。

それに対して、ユニクロが目指しているものはファストファッションとはある意味で対極にある、シンプルで長く着られる服を作ることだ。この考え方があるからこそ、ユニクロは同じ商品を長い期間で作り続けるし、それによって商品の品質を上げることができる。

なぜなら、同じ服を100枚作るのと2種類の服を50枚ずつ作るのとでは、前者の方が生産効率は高くなり原材料の調達コストも削減できるからだ。

売上高ではユニクロを超えるZARAやH&Mであっても、一商品あたりの生産量ではユニクロに遠く及ばないだろう。ファストファッションはトレンドを追うのだから、同じ商品を作り続けることはできない。

これがファストファッションでは売り切れが頻発する理由でもある。それから、同じ価格の商品をユニクロと他ブランドで比べたとき、ユニクロを超える品質の商品が他ブランドにはないことも意味している。

何に価値を置くかは時代とともに変わる

既製服は産業革命から生まれた。トレンドはブランドがつくるようになった。服装にも持続可能性が求められていく。したがって、何に価値を置くかは時代とともに変わる

既製服は産業革命から生まれた

近世までは貴族などの上流階級に限定されていた服装へのこだわりは、産業革命における紡績機やミシンなどの技術革新で服の大量生産が可能になったことで、「既製服」として大衆にも広まった。

産業革命以前の服装は一つ一つが全て人の手によって作られるオーダーメイドで、そこにこだわりを持つことはお金のある上流階級にしかできないことだった。

しかし、大衆でも手の届く既製服が流通するようになったことで、人々は自分の好きな服装を選び、買い、そして着ることができるようになった。

トレンドはブランドがつくるようになった

市場に既製服の需要が生まれたことで、既製服の供給者たる企業も多く生まれた。これらの企業は自社のブランドを他社から差別するためにトレンドをつくるようになった。

ブランドがつくるトレンド性のある(高級)既製服は「プレタポルテ」と呼ばれ、それまでのオーダーメイドや(女性の)高級注文服「オートクチュール」と対比されながら現在までの服装市場をリードしている。

服装にも持続可能性が求められていく

現在の服装市場は、SPA(製造小売業)という業態の企業が大量生産に拍車をかけて市場でのプレゼンスを発揮する一方、各社は大量生産・大量消費される服装の問題解決を迫られている。

SPAはサプライチェーンをグローバル化することでアジアの安い労働力を使った服を作り、流通を内製化することでコストを圧縮する合理的な考えだが、服の生産コストが低いために需要以上の服が作られてしまうことも問題である。

ZARAやH&Mなどのファストファッションは、高級ブランドがつくるトレンドとSPAという業態を組み合わせることで、新しい需要をつくり出した。

ユニクロは大量生産・大量消費を極限化することで、ファストファッションと同じ価格だが、ファストファッションほどはトレンドを追わないことで同じ商品を作り続け、商品の質を向上させた。

ファストファッションもハイブランドよりは一商品あたりの生産量が多いが、ユニクロはそれらファストファッションの比ではない。ファストファッションはトレンドを追いかけることがその存在理由であるから、同じ商品を作り続けることはできないが、ユニクロにはそれができる。

これが大量生産・大量消費を極限化するということの意味するところだ。トレンドを追う以上、服装が使い捨てになってしまうファストファッションに対して、長く着られる服を作るユニクロの方が持続可能性の未来は明るいように思う。

Anker Soundcore Life Q30はAirPods Proサブだが英会話に使える

Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる。AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい。Q30は少ない負担で会話ができる。したがって、Anker Soundcore Life Q30はAirPods Proサブだが英会話に使える

Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる

主流のワイヤレスヘッドホンである。ノイズはソフトでコントロールする。現在のスタンダードが全て入っている。したがって、Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる

主流のワイヤレスヘッドホンである

デバイスやそのコントローラーからケーブルをなくすメリットは自明だ。今やヘッドホンもワイヤレスのものが主流になってきていて、このQ30もワイヤレスヘッドホンの一つである。

現在では多くのイヤホンやヘッドホンがケーブルを使った物理的な接続をやめ、その代わりにBluetoothを使って電子的に接続することでワイヤレス化している。必ずしも身につけるわけではないデバイスをワイヤレス化するよりも、使うときは必ず身につけるイヤホンやヘッドホンをワイヤレス化する方がメリットは大きい。

ここ数年でイヤホンやヘッドホンのワイヤレス化が普及した背景には、Appleの戦略があると言えるだろう。iPhoneは2016年のiPhone 7からイヤホンジャックをなくすことで防水性能を上げ、AppleはiPhone 7と同時にワイヤレスイヤホン"AirPods"を売り始めた。

イヤホンやヘッドホンを接続するデバイス自体で物理的な接続(ケーブル接続)ができなければ、ユーザーは電子的な接続ができるイヤホンやヘッドホンを探さなければならない。そしてそのデバイスが高いシェアを持っていればなおのこと、ワイヤレスイヤホン(ヘッドホン)の需要は増えるといった具合だ。

ノイズはソフトでコントロールする

数年前までイヤホンやヘッドホンが外部から入ってくるノイズを遮断するには、ハードを物理的に密閉すること(パッシブノイズキャンセリング)しか方法がなかった。しかし、現在はソフトを使って電子的にノイズを制御できる仕組み(アクティブノイズキャンセリング)があり、その仕組みはQ30にも採用されている。

Q30のアクティブノイズキャンセリングには「交通機関モード」「屋外モード」「屋内モード」の三種類のモードがあり、それぞれのモードは想定されるノイズの周波数に合わせてノイズキャンセリングを最適化している。

例えば、交通機関モードは乗り物やエンジン音などの低周波ノイズ、屋内モードは周囲の声や足音といった中周波ノイズを軽減することに最適化されている。しかし、実際には交通機関や屋内であっても、屋外モードだけを使うといったかたちで何も問題はない。

現在のスタンダードが全て入っている

現在のイヤホンやヘッドホンにとって「ワイヤレスであること」や「アクティブノイズキャンセリングを搭載していること」はもはやスタンダードである。Q30はそれらを含めてさまざまなスタンダードを持っている。

例えば、Bluetoothを使ったワイヤレス接続は言うまでもなく、接続方法では「マルチポイント」にも対応している。マルチポイントとは、Q30を同時に2台のデバイスと接続できることで、接続するデバイスを切り替えるときに一方のデバイスとの接続を切る必要がない。

それから、アクティブノイズキャンセリングはそのソフトコントロールの特性を生かして、外音取り込みモードを使うことによってヘッドホンでありながらヘッドホンを着けたまま会話ができる。

バッテリーは2時間の充電で最大40時間のアクティブノイズキャンセリングが使える容量だ。ワイヤレスイヤホンはその大きさに合わせてバッテリーを小型化しなければならず稼働時間が短くなるが、Q30はイヤホンほどバッテリーを小型化する必要がない。

AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい

Appleデバイスとの相性が抜群だ。ヘッドホンよりイヤホンの方が楽だ。ANC性能がトップクラスである。したがって、AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい

Appleデバイスとの相性が抜群だ

AirPods ProはiPhoneやMacといったAppleのデバイスと接続して使うことが前提になっているし、AppleのデバイスもAirPods Proを接続することがOSから考慮されている。

実際、AirPods Proを一度でもiPhoneやMacとペアリングしてしまえば、次の接続からは自動で各デバイスに接続され、デバイス間の自動切替もできる。

それに対して、Q30では接続先をiPhoneからMacまたはMacからiPhoneに切り替えるときには、切替先のiPhoneまたはMacでQ30への接続を選択しなければならない。

イヤホンやヘッドホンがMacに接続されているとき、iPhoneで音楽を再生するだけで自動的にiPhoneへ接続を切り替えるのはAirPodsだけである。

ヘッドホンよりイヤホンの方が楽だ

Q30とAirPods Proの取り回しを比べるなら、耳全体を覆うため頭に乗せる構造から重くならざるを得ないQ30よりも、耳だけで固定できるため軽量にできるAirPods Proの方が優れている。

一般的にイヤホンよりもヘッドホンの方が耳にしっかりと固定できるようにも見えるが、実際に使っていると首の動きに合わせてヘッドホンがズレてしまうため、屋外で使うことには向いていない。

それから、AirPods Proは「電源」の概念もユーザーフレンドリーである。なぜなら、AirPods Proはケースから取り出せば自動的にデバイスと接続されるため、AirPods Pro自体に電源を「入れる」「切る」という概念がない。

Q30は電源ボタンを押して起動してから接続するデバイスのBluetooth画面でQ30を選択して接続する必要があり、この一手間がAirPods Proよりもストレスになることは事実だ。

ANC性能がトップクラスである

価格帯が異なるQ30と比べるのは酷だが、AirPods Proのアクティブノイズキャンセリングは業界屈指の性能であり、これまでにアクティブノイズキャンセリングを体感したことがないなら感動を覚えるだろう。

パッシブノイズキャンセリングの性能ではイヤホンよりも密閉性が高いヘッドホンの方が優れていることが多いが、アクティブノイズキャンセリングでは耳の内部のより近いところでノイズと逆位相の音が出せるイヤホンの方が優れていることもある。

AirPod Proよりは相対的にANC性能が低いQ30とはいえ、アクティブノイズキャンセリングはしっかりとその効果は発揮している。ヘッドホンの特性から屋内での使用に限定される場合が多いことからも、屋内で使う分にはAirPods Proと遜色ない性能を期待できる。

Q30は少ない負担で会話ができる

イヤホンよりも耳への負担が少ない。ヘッドセットよりも財布への負担が少ない。外音取り込みモードと内蔵マイクで会話ができる。したがって、Q30は少ない負担で会話ができる

イヤホンよりも耳への負担が少ない

AirPods Proのように耳の内部まで差し込むイヤホンよりも、Q30のように耳を覆うヘッドホンの方が耳の内部に機械が触れないことから衛生的である。

AirPods Proに限らず、ANCイヤホンはその性能を発揮するために「カナル型」を採用することが多い。このカナル型イヤホンはワイヤレス化による利便性と相まって装着が長時間化することで、耳の内部に負担をかけて外耳炎などのトラブルを起こしやすい。

ヘッドセットよりも財布への負担が少ない

これまで会話のためのイヤホン(ヘッドホン)としては主に「ヘッドセット」が使われてきたが、構造がしっかりとしたヘッドセットが5,000円以上することを考えると、9,000円でヘッドセットの機能とそれ以外の機能を搭載するQ30のコストパフォーマンスは高いと言える。

Q30のコストがヘッドセットの2倍であっても、そのパフォーマンスは2倍以上を期待できる。仕事で使うことを前提にする場合を除けば、会話に使う時間よりも音楽を聴いたりする時間の方が長いから、Q30のパフォーマンスを発揮する機会は十分にある。

外音取り込みモードと内蔵マイクで会話ができる

物理的な密閉性が高いヘッドホンを着けたまま話すと、自分の声が聞き取りにくいために話しにくいと感じる人がいる。Q30の外音取り込みモードと内蔵マイクを使えば、ヘッドホンからの音声を聞きつつ自分の声もクリアに聞こえるからこのような問題が発生しない。

アクティブノイズキャンセリングは、外から入ってくるノイズと逆位相の音を使ってノイズを打ち消す技術だが、その技術を応用することで外音を取り込むことができる機能がQ30にも搭載されている「外音取り込みモード」だ。

本来はヘッドホンを着けたままでも外の音を聞くことが目的の機能だが、オンライン英会話などで音声通話が必要なときにも使える機能である。

マイクの性能も必要十分で、実際にオンライン英会話でQ30を使っていても、聞き取りにくさを指摘されることはなかった。