英語のボキャブラリーを増やすのは単語帳ではなく使う順序である

英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる。単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない。使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える。したがって、英語のボキャブラリーを増やすのは単語帳ではなく使う順序である

英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる

大人の英語はボキャブラリーの多さで決まる。ボキャブラリーが少ないと会話が単調になる。会話が単調になると英会話も伸びない。したがって、英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる

大人の英語はボキャブラリーの多さで決まる

どのような言語でも、ボキャブラリーは人が子供から大人になる課程で増えていくものだ。だから、ある人が話す英語が大人っぽいと感じるかどうかは、その人が話す英語のボキャブラリーの多さに左右される。

「ボキャブラリーが少なくても英語が話せる」のは事実だが、これは英語を話すための応急処置にすぎない。こちらの意思を伝えることがやりたいことの本質ではあっても、大人はその伝え方の「質」を上げていく必要がある。

伝え方の質を上げるには伝え方の選択肢を多く持っていなくてはならない。ボキャブラリーは日本語で「語彙」と訳されるが、「彙」という言葉には「集める」という意味がある。

つまり、「語彙」は「語」の「集まり」であり、特定のある「語」一つではなく「語」の集合である。だから、ボキャブラリーが増えると語の集合が大きくなり、伝え方の選択肢も増えていく。

ボキャブラリーが少ないと会話が単調になる

言葉には言葉同士の相性がある(「コロケーション」という)から、ボキャブラリーが少ないと同じような表現や構文ばかり使ってしまう。だから、ボキャブラリーの少なさは会話を単調なものにする原因の一つだ。

例えば、動詞のボキャブラリーが少ない人は主語が「自分」の表現ばかり使いがちだし、構文も第三文型(SVO)ばかりになる。伝えたいことは同じであっても、たまには視点を変えて「事象」を主語にした方がいいときだってある。

しかし、ボキャブラリーが少ないことで伝え方の選択肢も少なく、伝え方の質にこだわることができない。視点を変えて文章を考えることは、文章を組み立てる能力には必要不可欠であるが、ボキャブラリーが少ないことが制約になる。

会話が単調になると英会話も伸びない

こちらの会話が単調だと、聞き手もこちらのレベルに合わせたボキャブラリーしか使わなくなる。そうなると新しい表現や気づきはドンドン減ってしまって、英会話が伸び悩むことにもなる。

特に、英会話のレッスンはその傾向が顕著であり、英会話の講師はこちらに視点を合わせることのプロだ。講師はレッスンを円滑に進めることが仕事だから、生徒にストレスを与えるよりはストレスを与えないようにする。

結果的に英会話では理解できる、使えるボキャブラリーだけで会話が進んでしまって、毎回同じような会話をしているから新しい学びもなくなってくる。新しい学びがなければ英語を伸ばせないし、英語を学ぶことの楽しさも見えなくなってしまう。

単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない

単語帳で増えるのはパッシブボキャブラリーである。「使える」ボキャブラリーはアクティブボキャブラリーだ。アクティブボキャブラリーは使わないと増えない。したがって、単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない

単語帳で増えるのはパッシブボキャブラリーである

単語帳を使って覚えた単語は、見たり聞いたりしたときに分かる単語で「パッシブボキャブラリー」という。パッシブという言葉のとおり、読み手や聞き手といった受動的な立場のときに理解できるものだ。

例えば、日本の学校で英語を勉強した人は、英語を読むことは得意だからパッシブボキャブラリーを多く持っている。しかし、英語を書くことや話すことは得意ではなく、能動的に使うことには慣れていないことが多い。

つまり、どれだけボキャブラリーを増やしても、それがパッシブボキャブラリーでは英語を書くことも話すこともできないのだ。

「使える」ボキャブラリーはアクティブボキャブラリーだ

一般的に「使える」ボキャブラリーとは、アウトプットができるボキャブラリーのことだ。読んだり聞いたりといったインプットに使うパッシブボキャブラリーに対して、書いたり話したりするときに使うボキャブラリーを「アクティブボキャブラリー」という。

理解できるだけのパッシブボキャブラリーと使用することもできるアクティブボキャブラリーの関係は、パッシブボキャブラリー⊂アクティブボキャブラリーである。

しかし、だからといってアクティブボキャブラリーだけを増やすことはできない。なぜなら、アクティブボキャブラリーを増やすにはパッシブボキャブラリーを増やすしかないからだ。

今まで知らなかった言葉がいきなりアクティブボキャブラリーになることはない。つまり、パッシブボキャブラリーからアクティブボキャブラリーへの変換が必要になる。

アクティブボキャブラリーは使わないと増えない

パッシブボキャブラリーをアクティブボキャブラリーに変換するには、パッシブボキャブラリーをアウトプットに使って練習するしかない。スポーツと同じで、新しいことができるようになるにはできるようになるまで同じことを繰り返すしかないのだ。

小学生が国語の授業で新しい言葉を習ったときは、その言葉を使って文章を書く練習をする。いきなり「新しい言葉を使って文章を書け」とはならないように、まずはその言葉の意味を理解することがあって、実際にそれを使っているうちに覚えていく。

だから、「使える」ボキャブラリーを増やすことをアクティブボキャブラリーを増やすこととするなら、以下のような段階を踏むことになる。

  1. パッシブボキャブラリーを増やす
  2. パッシブボキャブラリーをアウトプットに使う
  3. パッシブボキャブラリーがアクティブボキャブラリーになる

使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える

初めからスピーキングで使うのは効率が悪い。ライティングで使ってみるのは効率的だ。書けるから話せるにはスピーキングが必要になる。したがって、使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える

初めからスピーキングで使うのは効率が悪い

スピーキングの練習といえば英会話だが、英会話のように限られた時間の中でパッシブボキャブラリーを使ってみて失敗することは、ボキャブラリーを増やすこと以外の学びの減少につながる。

もちろん、英会話でパッシブボキャブラリーを使ってみて失敗することに問題はないし、それ自体は推奨される。しかし、伝えたいことが伝わらないことでお互いの理解をすり合わせる時間は効率的ではない。

そもそもスピードを重視する会話では、無意識にアクティブボキャブラリーを優先して使ってしまうから、パッシブボキャブラリーを使ってみること自体が難しい。

だから、初めからスピーキングだけで(アクティブ)ボキャブラリーを増やそうとするのは誰にでもできる方法ではなく、比較的難易度が高い方法である。

ライティングで使ってみるのは効率的だ

英会話でパッシブボキャブラリーを使ってみるよりも、ライティング(添削サービス)で使ってみる方が失敗したときに失うものが少ない。

添削サービスはライティングしたものが添削されている時間は自分の好きなことに使えて、伝えたいことが伝わらないときに理解するための時間を使うのは添削者だけだ。

つまり、添削サービスで正確な文章を書くことに時間を使っても、それで得をするのは添削の手間が減る添削者である。

無論、いいかげんな文章ばかり書いていては学びにならないが、正確さにこだわるよりもアウトプットの時間を制限して数をこなした方が、手間を添削者に負担させられる分だけ得になる。

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それから、ライティングではアウトプットのスピードが重視されないから、意識的にパッシブボキャブラリーを使ってみることができる。

自然に思いついた文章はアクティブボキャブラリーで考えられているから、別の表現を使って文章を書けないか考えるクセをつけるだけでもいいだろう。

書けるから話せるにはスピーキングが必要になる

「使える」ことのゴールをどこに置くかにもよるが、英語を話せるようになりたいならスピーキングで使うことも必要になってくる。書けても話せないことはいくらでもあるからだ。

日本の義務教育では英語を書く機会は多いが、英語が話せない日本人も多い。簡単な英語の文章なら書けるのに、実際にその文章を話そうとしても話せないのだ。

ライティング(添削サービス)とスピーキング(英会話)の練習は切り分けて考えられることが多いが、それらを一つにしたものに「ベストティーチャー」がある。

ベストティーチャーはライティングした文章をテキストにしてスピーキングの練習ができるから、パッシブボキャブラリーをアクティブボキャブラリーに変換することに適している。

ライティングには添削サービスを使って、スピーキングには英会話スクールに行くなどの組み合わせでもいいだろう。ただし、ライティングとスピーキングの組み合わせで最も安いのがベストティーチャーであることは間違いない。