マワハンガーはシルエットを中心に厳選した方が真価を発揮できる

マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ。ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える。マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある。したがって、マワハンガーはシルエットを中心に厳選した方が真価を発揮できる

マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ

マワハンガーはシャツ用だけでも商品が多い。エコノミックはシャツの種類を選ぶ。シルエットはシャツの種類を選ばない。したがって、マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ

マワハンガーはシャツ用だけでも商品が多い

マワハンガーはマワ社(MAWA)が作っているハンガーの総称で、シンプルで機能的なことがハンガーとしての特徴だ。それから、用途別にさまざまな商品を展開していることがマワ社の特徴である。

マワ社はドイツの会社であり、日本ではMAWA Shop Japanがマワハンガーの正規輸入代理店となっている。そのMAWA Shop Japanで商品を見ても、シャツ・ブラウス用のハンガーだけで五種類の商品があることが分かる。

シャツ・ブラウス用の定番は「エコノミック」と「シルエット」であり、準定番の「ライト」と、限定的な「SHE」「HE」がある認識だ。

ライトは、ハンガーの形としては定番のエコノミックとシルエットをベースに、バーの厚さをエコノミックやシルエットの10.0mmから2.5mmまで薄くした「超スリムハンガー」である。

バーの厚さを薄くすればそれだけ省スペースにはなるが、従来のエコノミック、シルエットの10.0mmでも十分に省スペースであること、薄くした対価として服にハンガー跡が付きやすいことから、定番にはなり得ないと考える。

それから、SHEやHEはそれぞれ女性向けと男性向けにデザインされたハンガーで、機能性はエコノミックやシルエットと変わらないが、デザインに装飾性がありマワハンガーの特徴であるシンプルさに矛盾していること、使う人の性別を限定することから、限定的なものと考える。

エコノミックはシャツの種類を選ぶ

エコノミックはマワハンガーのアイコンとも言えるハンガーで、肩先の緩やかなカーブがデザインの特徴になっている。しかし、エコノミックの襟回りはフラットになっていて、エコノミックに襟付きシャツを掛けるとハンガーとしての役割を十分に発揮できない。

実際、エコノミックに襟付きシャツを掛けてもハンガーがシャツの襟を支えないことから、シャツの襟の形が崩れてきてしまう。

エコノミックは丸首シャツやニットにはデザインや機能がシックリくるが、使うシャツを選ぶことから汎用性があるとは言えない。

シルエットはシャツの種類を選ばない

シルエットはエコノミックの上位互換とも言えるハンガーだ。襟回りが立ち上がっているから襟付きシャツの襟を支えることができるし、実は丸首シャツやニットにも使える。

シルエットの襟回りの立ち上がりは局所的なもので、服のサイズに合ったハンガーサイズを選んでいれば、丸首シャツやニットの首回りの形を崩すことはない。

シルエットは襟回りが立ち上がっていて角張って見えるが、肩先の緩やかなカーブはエコノミックと変わらない。だから、エコノミックと同じように、シャツにハンガー跡が付くこともない。

しかも、シルエットはエコノミックより汎用性がありながら、価格はなぜかエコノミックよりも安い(2022年3月現在)。

サイズは36、41、45とあるが、ざっくり36は体の小さな人向け、45は体の大きな人向けであり、日本人の平均的な体形であれば41が男女ともに使えるサイズになるだろう。

シャツ用のマワハンガーはシャツにハンガー跡を付けないとは言っても、シャツよりもオーバーサイズのマワハンガーを使えば、シャツにハンガー跡を付けたりシャツの型崩れにもつながってしまう。

ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える

マワハンガーはシャツ以外にも使える。ジャケットにはボディーフォームが使える。パンツにはパンツシングルが使える。したがって、ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える

マワハンガーはシャツ以外にも使える

マワハンガーにはシャツ・ブラウス用以外にも、ジャケット・スーツ・コート用、パンツ・スカート用、アクセサリー用とさまざまな用途に合った商品がある。

例えば、アクセサリー用としてはネクタイを16本掛けられる「ネクタイ」や、ベルトを4本掛けられる「ベルト」、汎用性があるフック状の「アクセサリー」など、いずれも省スペースでノンスリップなマワハンガーの特徴は共通している。

ジャケットにはボディーフォームが使える

ジャケットに使えるマワハンガーとしては、横から見たときに前に傾斜した立体的な作りになっている「ボディーフォーム」が最適だ。

ジャケットのような「洋服」は、曲線で裁断された生地を立体的に縫い合わせているから、服装としても立体的な作りになっている。だから、ハンガーも立体的な方が服装の持つ立体を生かすことができる。

「プレステージ」はボディーフォームとは違って直線的な作りのハンガーである。「オプティクローム」はボディーフォームと同じような立体的な作りではあるが、特殊コーティングを肩の部分にしかかけないことでクロームメッキを際立たせるデザイン性の高い商品である。

それから、シャツ用と同じく「SHE」「HE」は性別ごとにデザインしたもので、用途が限定的になってしまう。

パンツにはパンツシングルが使える

パンツを掛けるハンガーは、シンプルにパンツを一枚だけ掛ける「パンツシングル」がいい。掛けるだけなら二枚掛けられる「パンツダブル」もあり、こちらはより省スペースになるメリットがあるがデメリットもある。

パンツダブルは、一枚のパンツを取るためにパンツ二枚分の重さを持たなくてはならないので、実際に使っているとストレスになる。これは、ジャケットとパンツをセットで掛けられる類いのハンガーも同じだ。

「掛ける」ハンガー以外に「挟む」ハンガーもある。「ズボンツリ」「ウエスト」「スカートミニ(エル)」「クリップ」の四種類で、パンツにはスカートミニ(エル)以外の三種類が使える。

これら挟むハンガーの違いは、パンツのどこを挟むのかにある。ズボンツリは裾を挟むもので、一般的にパンツは裾よりも腰の方が重いため、裾を挟んで掛けることによって、パンツ自体の重さでしわが伸びる。

それに対して、腰を挟むのがウエストである。裾は二手に分かれているから挟むのが手間だが、ウエストならその手間は少なくなる。クリップはどちらにも使える汎用的なものだ。

しかし、そもそもパンツをハンガーに掛けるたびに「挟むこと」自体が手間だし、挟む力によってはパンツが落ちてしまうこともある。

マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある

「個」の機能では木製ハンガーに劣る。マワハンガーは個よりも全体で生きる。全体といっても最低限の厳選は必要だ。したがって、マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある

「個」の機能では木製ハンガーに劣る

マワハンガーには「省スペース」「ノンスリップ」といった機能的な特徴があるが、木製ハンガーの持つ「安定感」や「除湿性」はない。

マワハンガーは限られたスペースで効率的にその機能を発揮することを目的に作られていて、十分なスペースで木製ハンガーを使うことから得られる価値とは、同じ前提を共有していないため比べることができない。

ハンガーを掛けるスペースを小さくすることよりも、大きなスペースを使ってハンガーに服装を掛ける以上の機能(例えば、湿気を吸うことなど)を求めるなら、その最適解は木製ハンガーになる。

それから、マワハンガーは金属と樹脂で作られているから、木製ハンガー特有の木の匂いもないし、木製ハンガーが持つ高級感もない。

マワハンガーは個よりも全体で生きる

マワハンガーが生きるのは木製ハンガーを横に並べて比較したときではなく、ハンガーをマワハンガーでそろえたときである。

マワハンガー一本でも十分に省スペースではあるが、それが十本、二十本と増えていけばマワハンガーが節約するスペースの大きさはばかにならない。

それから、マワハンガーは複数本を並べたときにもきれいに並ぶよう作られているから、全体の見栄えも隙間なくピッチリと並べられてきれいに見える。

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全体といっても最低限の厳選は必要だ

しかし、いくらマワハンガーが省スペースだと言っても、マワ社の豊富な商品ラインナップから複数種類のマワハンガーを選んで使っていては、その機能を十分に発揮できない。

例えば、ボディーフォームは前に傾斜した立体的な形をしているから、ボディーフォームだけを並べれば問題はないが、ボディーフォームと直線的な形のシルエットをピッタリと並べることはできない。

それから、エコノミックとシルエットは襟回りがフラットか立ち上がっているかが異なるため、エコノミックとシルエットの両方を使っていると見え方にも統一感がなくなる。

服装はそれ自体に価値があって、ハンガーは服装を収納するための道具ではあるが、その道具を厳選しておくことが服装を厳選することにもなる。

あらかじめ決めておいたスペースとハンガーの数以上には服装を増やさないこと、そのような価値観に共感ができるなら、マワハンガーはそれを実現するために最適なハンガーである。