オンライン英会話で上達しない中級者はオーバーラッピングをやれ
中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない。初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる。オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである。したがって、オンライン英会話で上達しない中級者はオーバーラッピングをやれ。
中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない
オンライン英会話にはレッスンの型がある。知っている表現だけで会話になってしまう。続ければ続けるほど新しい学びが減っていく。したがって、中級者はオンライン英会話だけではストレッチできない。
オンライン英会話にはレッスンの型がある
オンライン英会話のレッスンは「25分」という枠が一般的で、そのレッスン時間は多くの英会話スクールが採用する「40分」と比べると6割しかない。オンライン英会話側がその限られた時間内で決められたカリキュラムを終わらせるためには、レッスンの進め方に「効率」という概念を持ち込まなくてはならない。
実際、効率を無視してレッスンを進めていけば、時間内にカリキュラムは終わらず生徒の満足度は下がる。だから、オンライン英会話はレッスンの型を作って、講師にもその型通りにレッスンを進めるよう教育する。
それから、オンライン英会話は少しでも生徒のレッスン満足度を上げるために講師の質を平準化したいと考える。講師の質(つまり、レッスンの質)を平準化するためにも型を作ることは有効である。
型さえあれば、ビギナー講師もベテラン講師と同じ品質でレッスンを提供できる。時間内にカリキュラムを終わらせることもできるし、時間が余っても型に沿った質問で時間をムダにしないのだ。
知っている表現だけで会話になってしまう
型のあるオンライン英会話では、当然ながらどのレッスンもレッスンの進め方は同じになる。だから、レッスンで質問される内容は似てくるし、それに対する回答にも代わり映えがなくなる。
英語を話すには「コア」となる表現がある。このコアとなる表現とは、基本的な文法(5文型や時制など)とよく使われる単語のことだ。日常会話でリーチするコアは非常に広いが、型のあるオンライン英会話では限られたコアだけでなんとかなってしまう。
オンライン英会話の講師は英語を教えることが目的だ。だから、冠詞や動詞の変化を間違えていれば指摘をしてくれるが、表現の多様性にはこちらから注文をしなければ指摘をしてこない。
もちろん「表現の多様性を広げたい」意思を伝えて、一般的な表現ばかりを使ったときには指摘をしてもらうこともできる。しかし、25分のレッスン時間で表現の多様性を広げていくのは非効率な上、その場では覚えた気になって忘れてしまうのがオチだ。
続ければ続けるほど新しい学びが減っていく
結局のところ、決められた枠組みの中では、ありきたりの表現だけを使っていても会話として成立してしまうことから、オンライン英会話は習熟度の上昇とは反比例して学びの機会が減少していく。
オンライン英会話の中級者は毎度同じ流れでオンライン英会話のレッスンを受け、知っている表現だけで「なんとなく」会話をしていることが多い。これでは現状維持にこそなれ、中級者が上級者になるには効率的とは言えない。
初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる
初級者はレッスンの型が分からない。多くの表現を知らない(使えない)。基礎×時間で中級者になれる。したがって、初級者はオンライン英会話だけでもストレッチできる。
初級者はレッスンの型が分からない
オンライン英会話を始めたばかりの初級者は、オンライン英会話に型があることを知らないし、知っていてもその型は見えないだろう。
そもそも講師の言っていることが分からないかも知れないし、日本語にはない英語の論理構造にだってまだ慣れていないのだから、レッスンの全体像が見えていなくて当然だ。
オンライン英会話の初級者にとって、オンライン英会話は未知の要素ばかりだ。それでもカリキュラムに沿ってレッスンをしっかり進めたいと思えれば、頭を使って考えて、レッスン前には予習をすることもあるだろう。
自分の頭で考える、レッスン前に予習をする、それに対する講師の反応から学んでいく。オンライン英会話の初級者はこれの繰り返しだ。この繰り返しを学習のサイクルとして回すことができるのが、初級者がオンライン英会話から享受できる最大の学びである。
多くの表現を知らない(使えない)
オンライン英会話の初級者は、英会話で一般的に使われる表現が身についていない。だから、同じ表現ばかり使うこともないし、自由な表現を試すことができる。
レッスンの型が分からないことから得る学びと同じで、知らない(使えない)からこそ自分で考える。考えたことを試した結果、会話として成立したか、しなかったかもまた学びとなる。
オンライン英会話の経験値がゼロなら、最初の200時間はもっとも成長を感じられる可能性が高い。つまり、200時間は英会話だけに集中をしてもその効果に期待ができる。
基礎×時間で中級者になれる
オンライン英会話の初級者は自然と頭を使う。頭を使って考えるには、文法や単語といった英語の基礎が必要だが、裏を返せば基礎があれば時間をかけて表現を使える状態に持っていくことで、会話ができる中級者にはなる。
オンライン英会話には意味がない、全く上達しないといった意見もあるが、これは間違っている。これまでに英語を話す機会がほとんどなかった人にとって、オンライン英会話は新しい学びにあふれている。
オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである
新しい表現が使えるようになる。スピーキングの問題点が分かる。オンライン英会話に活用できる。したがって、オーバーラッピングは中級者に最適なストレッチである。
新しい表現が使えるようになる
オーバーラッピングは、英語の音声を聞きながら自分の声を音声にかぶせる(オーバーラップさせる)トレーニングだ。実際に口を動かすトレーニングなので、新しい表現に出会えば自分のものにできる可能性が高い。
オーバーラッピングでは口に出す英語の音やリズムを自然と体に覚えさせる。そうすることで、オンライン英会話などのアウトプットをする機会に使える英語を自分の引き出しの中にストックしていく。
オンライン英会話の中級者は、初級者のように自分で考えて試すといったサイクルを回していくことが難しい。それでもフレーズ暗記のように英語を記憶して覚えていくことは効率的ではない。
オーバーラッピングは、実際に口を動かすことによって音を体で覚え、オンライン英会話などの場で実際にアウトプットしていくことまでが一つのサイクルになる。
スピーキングの問題点が分かる
オーバーラッピングがうまくできないときは音が正しく出せていないか、聞いた音声を一時的に記憶する「リテンション」ができていないからだ。どちらも英会話には必要なことで、自分のスピーキングには何が足りていないのか、オーバーラッピングを通じて知ることができる。
例えば、音が正しく出せていないのは、その単語が身についていないからに他ならない。それから、リテンションの技術はトレーニングで強化するしかないが、これができることで、オンライン英会話のレッスン内で得た学びを取りこぼすことが少なくなる。
スピーキングの問題解決はリスニングのスキルアップにもなる。自分が正しく発声できない音は、相手が発声したときも聞き取れない可能性が高い。
だから、オンライン英会話でリスニングに課題を感じているときにもオーバーラッピングは有効だ。リスニングの勉強といって英語教材を聞き流すのは全くのムダなので、オーバーラッピングで口を動かすことからリスニングの強化を図った方がいい。
オンライン英会話に活用できる
前述したように、オーバーラッピングはあくまでもインプットの作業で、実際の会話の中でオーバーラッピングでストックした英語をアウトプットするまでが1サイクルである。だから、オーバーラッピングはオンライン英会話との相性がいい。
週に4時間オンライン英会話のレッスンを受けているなら、その半分の2時間はオーバーラッピングに使っていい。惰性でオンライン英会話を続けるなら、半分はインプット、半分はアウトプットと割り切った方が効率が上がる。
一方、大切なことなので繰り返すが、オーバーラッピングだけをやっていてもストックした英語をアウトプットする機会がないため、せっかくのストックもいつかは消えてなくなってしまう。
だから、必ずオンライン英会話でもいいので英語をアウトプットする機会はつくってストックした英語を使える英語にまで昇華しなければならない。
つまり、オンライン英会話のためにオーバーラッピングを活用するのと同時に、オーバーラッピングのためにオンライン英会話を活用するとも言える。
実際にオーバーラッピングを取り入れるときは、音声とスクリプトの両方が(無料で)手に入るTEDやBBCを使い、アウトプットの機会には安価なオンライン英会話を使うといい。
それから、オーバーラッピングとアウトプットの機会(英会話)をセットでできるオンライン英会話としては「ベストティーチャー」というサービスもある。
ベストティーチャーならオーバーラッピングで使ったスクリプトがそのままアウトプットに使えるため、初めてオーバーラッピングを取り入れるときや、学習環境は一つに絞りたいという人には都合の良いサービスである。