Anker Soundcore Life Q30はAirPods Proサブだが英会話に使える
Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる。AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい。Q30は少ない負担で会話ができる。したがって、Anker Soundcore Life Q30はAirPods Proサブだが英会話に使える。
Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる
主流のワイヤレスヘッドホンである。ノイズはソフトでコントロールする。現在のスタンダードが全て入っている。したがって、Anker Soundcore Life Q30はベンチマークになる。
主流のワイヤレスヘッドホンである
デバイスやそのコントローラーからケーブルをなくすメリットは自明だ。今やヘッドホンもワイヤレスのものが主流になってきていて、このQ30もワイヤレスヘッドホンの一つである。
現在では多くのイヤホンやヘッドホンがケーブルを使った物理的な接続をやめ、その代わりにBluetoothを使って電子的に接続することでワイヤレス化している。必ずしも身につけるわけではないデバイスをワイヤレス化するよりも、使うときは必ず身につけるイヤホンやヘッドホンをワイヤレス化する方がメリットは大きい。
ここ数年でイヤホンやヘッドホンのワイヤレス化が普及した背景には、Appleの戦略があると言えるだろう。iPhoneは2016年のiPhone 7からイヤホンジャックをなくすことで防水性能を上げ、AppleはiPhone 7と同時にワイヤレスイヤホン"AirPods"を売り始めた。
イヤホンやヘッドホンを接続するデバイス自体で物理的な接続(ケーブル接続)ができなければ、ユーザーは電子的な接続ができるイヤホンやヘッドホンを探さなければならない。そしてそのデバイスが高いシェアを持っていればなおのこと、ワイヤレスイヤホン(ヘッドホン)の需要は増えるといった具合だ。
ノイズはソフトでコントロールする
数年前までイヤホンやヘッドホンが外部から入ってくるノイズを遮断するには、ハードを物理的に密閉すること(パッシブノイズキャンセリング)しか方法がなかった。しかし、現在はソフトを使って電子的にノイズを制御できる仕組み(アクティブノイズキャンセリング)があり、その仕組みはQ30にも採用されている。
Q30のアクティブノイズキャンセリングには「交通機関モード」「屋外モード」「屋内モード」の三種類のモードがあり、それぞれのモードは想定されるノイズの周波数に合わせてノイズキャンセリングを最適化している。
例えば、交通機関モードは乗り物やエンジン音などの低周波ノイズ、屋内モードは周囲の声や足音といった中周波ノイズを軽減することに最適化されている。しかし、実際には交通機関や屋内であっても、屋外モードだけを使うといったかたちで何も問題はない。
現在のスタンダードが全て入っている
現在のイヤホンやヘッドホンにとって「ワイヤレスであること」や「アクティブノイズキャンセリングを搭載していること」はもはやスタンダードである。Q30はそれらを含めてさまざまなスタンダードを持っている。
例えば、Bluetoothを使ったワイヤレス接続は言うまでもなく、接続方法では「マルチポイント」にも対応している。マルチポイントとは、Q30を同時に2台のデバイスと接続できることで、接続するデバイスを切り替えるときに一方のデバイスとの接続を切る必要がない。
それから、アクティブノイズキャンセリングはそのソフトコントロールの特性を生かして、外音取り込みモードを使うことによってヘッドホンでありながらヘッドホンを着けたまま会話ができる。
バッテリーは2時間の充電で最大40時間のアクティブノイズキャンセリングが使える容量だ。ワイヤレスイヤホンはその大きさに合わせてバッテリーを小型化しなければならず稼働時間が短くなるが、Q30はイヤホンほどバッテリーを小型化する必要がない。
AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい
Appleデバイスとの相性が抜群だ。ヘッドホンよりイヤホンの方が楽だ。ANC性能がトップクラスである。したがって、AppleユーザーならAirPods Proの方が使いやすい。
Appleデバイスとの相性が抜群だ
AirPods ProはiPhoneやMacといったAppleのデバイスと接続して使うことが前提になっているし、AppleのデバイスもAirPods Proを接続することがOSから考慮されている。
実際、AirPods Proを一度でもiPhoneやMacとペアリングしてしまえば、次の接続からは自動で各デバイスに接続され、デバイス間の自動切替もできる。
それに対して、Q30では接続先をiPhoneからMacまたはMacからiPhoneに切り替えるときには、切替先のiPhoneまたはMacでQ30への接続を選択しなければならない。
イヤホンやヘッドホンがMacに接続されているとき、iPhoneで音楽を再生するだけで自動的にiPhoneへ接続を切り替えるのはAirPodsだけである。
ヘッドホンよりイヤホンの方が楽だ
Q30とAirPods Proの取り回しを比べるなら、耳全体を覆うため頭に乗せる構造から重くならざるを得ないQ30よりも、耳だけで固定できるため軽量にできるAirPods Proの方が優れている。
一般的にイヤホンよりもヘッドホンの方が耳にしっかりと固定できるようにも見えるが、実際に使っていると首の動きに合わせてヘッドホンがズレてしまうため、屋外で使うことには向いていない。
それから、AirPods Proは「電源」の概念もユーザーフレンドリーである。なぜなら、AirPods Proはケースから取り出せば自動的にデバイスと接続されるため、AirPods Pro自体に電源を「入れる」「切る」という概念がない。
Q30は電源ボタンを押して起動してから接続するデバイスのBluetooth画面でQ30を選択して接続する必要があり、この一手間がAirPods Proよりもストレスになることは事実だ。
ANC性能がトップクラスである
価格帯が異なるQ30と比べるのは酷だが、AirPods Proのアクティブノイズキャンセリングは業界屈指の性能であり、これまでにアクティブノイズキャンセリングを体感したことがないなら感動を覚えるだろう。
パッシブノイズキャンセリングの性能ではイヤホンよりも密閉性が高いヘッドホンの方が優れていることが多いが、アクティブノイズキャンセリングでは耳の内部のより近いところでノイズと逆位相の音が出せるイヤホンの方が優れていることもある。
AirPod Proよりは相対的にANC性能が低いQ30とはいえ、アクティブノイズキャンセリングはしっかりとその効果は発揮している。ヘッドホンの特性から屋内での使用に限定される場合が多いことからも、屋内で使う分にはAirPods Proと遜色ない性能を期待できる。
Q30は少ない負担で会話ができる
イヤホンよりも耳への負担が少ない。ヘッドセットよりも財布への負担が少ない。外音取り込みモードと内蔵マイクで会話ができる。したがって、Q30は少ない負担で会話ができる。
イヤホンよりも耳への負担が少ない
AirPods Proのように耳の内部まで差し込むイヤホンよりも、Q30のように耳を覆うヘッドホンの方が耳の内部に機械が触れないことから衛生的である。
AirPods Proに限らず、ANCイヤホンはその性能を発揮するために「カナル型」を採用することが多い。このカナル型イヤホンはワイヤレス化による利便性と相まって装着が長時間化することで、耳の内部に負担をかけて外耳炎などのトラブルを起こしやすい。
ヘッドセットよりも財布への負担が少ない
これまで会話のためのイヤホン(ヘッドホン)としては主に「ヘッドセット」が使われてきたが、構造がしっかりとしたヘッドセットが5,000円以上することを考えると、9,000円でヘッドセットの機能とそれ以外の機能を搭載するQ30のコストパフォーマンスは高いと言える。
Q30のコストがヘッドセットの2倍であっても、そのパフォーマンスは2倍以上を期待できる。仕事で使うことを前提にする場合を除けば、会話に使う時間よりも音楽を聴いたりする時間の方が長いから、Q30のパフォーマンスを発揮する機会は十分にある。
外音取り込みモードと内蔵マイクで会話ができる
物理的な密閉性が高いヘッドホンを着けたまま話すと、自分の声が聞き取りにくいために話しにくいと感じる人がいる。Q30の外音取り込みモードと内蔵マイクを使えば、ヘッドホンからの音声を聞きつつ自分の声もクリアに聞こえるからこのような問題が発生しない。
アクティブノイズキャンセリングは、外から入ってくるノイズと逆位相の音を使ってノイズを打ち消す技術だが、その技術を応用することで外音を取り込むことができる機能がQ30にも搭載されている「外音取り込みモード」だ。
本来はヘッドホンを着けたままでも外の音を聞くことが目的の機能だが、オンライン英会話などで音声通話が必要なときにも使える機能である。
マイクの性能も必要十分で、実際にオンライン英会話でQ30を使っていても、聞き取りにくさを指摘されることはなかった。