筋トレは「分割法」×「週4回」で部位を混合して組むと効率がいい

中級者は分割法にせざるを得ない。部位混合は分割法のバリエーションだ。週4回の部位混合は合理的である。したがって、筋トレは「分割法」×「週4回」で部位を混合して組むと効率がいい

中級者は分割法にせざるを得ない

プログラムの組み方は「全身法」か「分割法」だけだ。筋トレを始めたばかりの人には全身法が合っている。筋トレに慣れてきた人は全身法がキツくなる。したがって、中級者は分割法にせざるを得ない

プログラムの組み方は「全身法」か「分割法」だけだ

トレーニングのプログラムを週ごとのルーティンとして組む人は多いだろう。このとき、プログラムの組み方を「鍛える筋肉」という枠組みで考えると、1回のトレーニングで全身を鍛える「全身法」か、1回のトレーニングで全身を鍛えない「分割法」に分けることができる。

例えば、筋肉の部位を「脚」「肩」「背中」「胸」「腕」「腹」の6部位に分けるなら、全身法はこれら6部位全てを1回のトレーニングで鍛える方法だ。それに対して、ある日は脚だけを鍛えて、次の日は肩だけを鍛えるといったように、日ごと・部位ごとに分ける方法が分割法である。

当然のことだが、週4回トレーニングをするとき、全身法の方が部位ごとのトレーニングボリュームは増える。

筋トレを始めたばかりの人には全身法が合っている

筋トレを始めてから日が浅い人は、レジスタンストレーニングにおいて全ての筋肉が未発達である。筋肉を動かす機能(神経系)が発達しておらず、具体的なトレーニング種目のやり方にも精通していない。だから、筋肉を正しく動かして負荷がかけられるようになるためにも全身法が適している。

実際、筋トレの初級者が全身法でプログラムを組むことによって、早い段階から筋肉の動かし方が分かり、筋肉にしっかりと負荷がかけられるようになる。大切なのがケガをしないフォームを習得するのも早いことだ。同時に、神経系が発達する(レジスタンストレーニングに慣れる)ことで、扱える重量も急速に伸びていく。

これまでに筋トレ経験がない人は、自分でも驚くほどに重い重量を扱うことができない。筋トレを始めたばかりでありながらも重い重量が扱える場合、正しいフォームができていない可能性が高く、ケガのリスクも高まるためやり方を見直した方がいい。

筋トレに慣れてきた人は全身法がキツくなる

全身法で筋トレを始めた初級者でも、筋トレを数ヶ月も続けていると各種目で扱うことができる重量が上がっていく。それだけ一種目で蓄積される疲労は大きくなるため、効率だけを重視した全身法を続けることは難しくなる。

筋トレを始めたばかりのときは扱う重量が軽いとはいえ、これまで使っていなかった筋肉を使うことになるのだから筋肉痛にもなる。しかし、実際に扱う重量は軽く、筋肉も小さいために筋肉痛からの回復は早い。

それが筋トレに慣れてきて扱う重量が重くなれば、筋肉にかかる負荷や筋肉自体も大きくなる。すると、筋肉痛からの回復にも時間がかかるようになり、プログラムの組み方を再考する必要が出てくる。

こうなると、これまでの全身法というやり方ではなく、別のやり方(すなわち、分割法)に移行せざるを得ないのだ。

部位混合は分割法のバリエーションだ

分割法には「部位限定」と「部位混合」がある。上級者は部位限定で徹底的に追い込む。中級者は部位混合でも全く問題ない。したがって、部位混合は分割法のバリエーションだ

分割法には「部位限定」と「部位混合」がある

筋トレのプログラムを分割法で組むときは、1回のトレーニングで鍛える部位を限定する(部位限定)か、鍛える部位を限定しない(部位混合)かに分けることができる。

鍛える部位を限定するとは、ある日はスクワット→レッグプレス→レッグエクステンション→レッグカールのように脚だけをひたすらに鍛えて、次の日にはベンチプレス→インクラインプレス→ダンベルフライ→ディップスのように胸だけを鍛えることだ。

それに対して、鍛える部位を限定しないとは、脚を鍛えるためにスクワットとレッグプレスをやり、同日にダンベルフライとディップスで胸も鍛えることである。

上級者は部位限定で徹底的に追い込む

分割法では部位を限定して鍛える方がメジャーではある。実際、筋トレの上級者は部位を限定したプログラムを好む。高重量を扱うメイン種目で鍛えたい筋肉に最大限の負荷をかけてから、低〜中重量のサブ種目で鍛えたい筋肉をパンプアップさせることが、ボディビルダーの鍛え方ではスタンダードだからだ。

例えば、メイン種目では主にBIG3を中心として非常に重い重量を低レップでこなす。その後、サブ種目としてマシンやダンベル種目を中心にレップ数を取ったり、ベンチプレスに対するインクラインプレスのように別角度から同じ筋肉を鍛える。

筋トレの上級者がこの鍛え方を好む理由は、鍛えたい筋肉をパンプアップできることだけでなく、さまざまな重量やレップ数、種目を通して、負荷をしっかりとかけることができるからだろう。

中級者は部位混合でも全く問題ない

しかし、筋トレの中級者が上級者(ボディビルやフィジークといった競技のために筋肉を鍛えている人たち)を参考にして、部位を限定したプログラムを組むことは好ましくない。

筋トレの中級者であれば、筋トレを始めたときよりも扱える重量が上がり、正しいフォームでのトレーニングもできるようになっているはずだ。それでも、メイン種目でしっかりと追い込むことができているかは怪しいところがある。

まずはBIG3を中心としたメイン種目でしっかりと追い込む。メイン種目で追い込むことができないのにサブ種目をやっても、サブ種目で追い込むことはできない。

BIG3などのバーベル種目はレジスタンストレーニングにおいて最もベーシックな種目である。マシンやダンベルに浮気するよりも、基礎をしっかりとやりこみ重量を上げることが先決なのだ。

週4回の部位混合は合理的である

週4回のトレーニングはお墨付きだ。部位混合で部位ごとのボリュームが増える。トレーニングの質が上がる。したがって、週4回の部位混合は合理的である

週4回のトレーニングはお墨付きだ

トレーニーのバイブルともいわれる名著「スターティングストレングス」をご存じだろうか?こちらではトレーニングプログラムを週4回で組むことを推奨しており、週5回以上のトレーニングには意味がないとさえ言っている。

実際、スターティングストレングスでは主要なバーベルトレーニングを"BIG3"ではなく"BIG4"としている。BIG4とは「スクワット」「プレス」「デッドリフト」「ベンチプレス」の4種目だ。

バーベルを使った基礎的なトレーニングとして「パワークリーン」も紹介しているが、こちらは瞬発力を鍛えるものであり、デッドリフトに代わる種目の一つだ。

そのことを考えると、やはりトレーニングプログラムは週4回、「スクワット」「プレス」「デッドリフト」「ベンチプレス」を主軸として組むことが理想的だと分かる。

部位混合で部位ごとのボリュームが増える

1回のトレーニングで二つ以上の部位を鍛えるメリットは、1種目あたりのトレーニングボリュームを増やせることにある。同じ筋肉だけを鍛え続ければ疲労がたまり、挙上できる重量や回数が落ちるからだ。

例えば、スクワットの後にレッグプレスを行えば、レッグプレスはスクワットの疲れを引きずることになる。当然、レッグプレスで挙上できる重量や回数は減る。しかし、ベンチプレスの後にレッグプレスを行えば、脚の筋肉は疲れを引きずらずクリーンな状態で鍛えることができる。

部位混合でトレーニングプログラムをうまく組み合わせれば、1日あたりの部位ごとのトレーニングボリュームは部位限定に劣るものの、1週間あたりでは部位ごとのトレーニングボリュームは部位限定よりも増える。

筋肥大に理想的なトレーニングボリュームは、一つの部位あたり10〜15セットともいわれている。つまり、部位限定では1種目3セット×5種目といったように、1回のトレーニングで一つの部位に対して複数種目を行わなければならない。

トレーニングの質が上がる

それから、トレーニングボリュームを増やせることはトレーニングの質を上げることも意味する。つまり、正しいフォームで適当な重量、回数、そしてインターバルを取りトレーニングを進められるため、トレーニング時間の点では生産性が高いと言える。

部位限定でベンチプレスの後にダンベルフライを行うとき、インターバルを長く取れば部位混合と同じトレーニングボリュームを確保できる可能性はある。しかし、それだけトレーニング時間は長くなってしまう。

トレーニング時間が長くなれば集中力は落ちる。結果的に種目を重ねれば重ねるほどにトレーニングの質は落ちていくことだろう。

トレーニングの質が落ちれば筋肥大の効率も落ちる。そうなれば、トレーニングに対するモチベーションも下がるなど負の連鎖が待っている。

単純に部位限定はつらいというのもある。特に、脚の日ともなれば、ひたすらに脚だけを鍛えるのは体力面だけでなく精神面でのつらさもあるのだ。

このように、週4回の頻度で部位混合の分割法プログラムは理にかなっている。アメリカでは部位限定の分割法は"bro split"といわれ、時代遅れのトレーニング方法とされている。

麻布テーラーのタキシードは初めてのフォーマルにおすすめしたい

麻布テーラーはこれからの動向が注目される企業だ。タキシードをレンタルで終わらせるのはもったいない。麻布テーラーのタキシードはQCD(F)が高い。したがって、麻布テーラーのタキシードは初めてのフォーマルにおすすめしたい

麻布テーラーはこれからの動向が注目される企業だ

麻布テーラーは「新興」テーラーではない。民事再生と商標権の譲渡を経験している。グループ全体が買収されてしまった。したがって、麻布テーラーはこれからの動向が注目される企業だ

麻布テーラーは「新興」テーラーではない

麻布テーラーは1999年に「メルボメンズウェアー」という会社が始めたオーダースーツの専門店だ。2022年現在で23年の歴史しかないように見えるが、メルボメンズウェアーの生い立ちから見ると「老舗」といっても過言ではない。

メルボメンズウェアーの母体は「メルボ紳士服」という紳士服メーカーに見ることができる。メルボ紳士服は1918年に創業した「平野屋羅紗店」を前身とする歴史ある企業だった。

そのメルボ紳士服の子会社として1969年に創業したのがメルボメンズウェアーである。だから、麻布テーラーは「紳士服を作ること」に関しては、平野屋羅紗店から数えて100年以上の歴史がある。

民事再生と商標権の譲渡を経験している

麻布テーラーは、その事業を始めた早々からさまざまな変化に直面してきた。一つは、2001年に麻布テーラーを運営するメルボメンズウェアーおよびその親会社であったメルボ紳士服の民事再生だ。さらに、2005年には伊藤忠商事による麻布テーラーの商標権取得がある。

元々、メルボグループは高級路線で勝負をする企業だったが、洋服の青山を展開する「青山商事」や紳士服のはるやまを展開する「はるやま商事」といった価格を重視する後発企業に、時代の潮流とともに押されその経営は悪化していた。

そして2001年には、経営悪化を理由とする民事再生が適用されることとなった。しかし、1999年に始めた麻布テーラーは好調だった。この麻布テーラーが評価されたことで伊藤忠商事からも資金が投入されることになったのだろう。

伊藤忠商事が商標権を取得した2005年に13店舗だった麻布テーラーは、2022年現在で26店舗と、2000年代から2010年代にかけてメルボグループが経営を再建する際の立役者であったとも言える。

グループ全体が買収されてしまった

今年2022年には業界全体を揺るがす衝撃があった。それがメルボグループの競合であった青山商事による、麻布テーラー(メルボメンズウェアー)を含むメルボグループの買収だ。

今でこそ洋服の青山(青山商事)もオーダースーツ事業を始めているが、元々は低価格の「吊しのスーツ」で成長してきた企業である。吊しのスーツとはいわゆる既製服のことで、フルオーダーにしろパターンオーダーにしろ、吊しのスーツはオーダースーツとはターゲットが異なる。

麻布テーラーはオーダースーツの専門店だし、その(元)親会社であるメルボ紳士服も高級路線の紳士服メーカーであった。一消費者の視点から見ると、吊しのスーツより高いオーダースーツのテーラーが、吊しのスーツを販売する企業の子会社になることにモヤモヤしたものを感じることだろう。

タキシードをレンタルで終わらせるのはもったいない

日本では結婚式のタキシードをレンタルすることが一般的である。タキシードはフォーマルの中でも汎用性がありオーダーもできる。したがって、タキシードをレンタルで終わらせるのはもったいない

日本では結婚式のタキシードをレンタルすることが一般的である

日本ではビジネスでスーツを着ることが欧米よりも一般的なのに対して、フォーマルで礼装を着ることは一般的ではないというか、礼装を求められる場が少ない。だから、結婚式で求められる礼装(モーニングやタキシード)はレンタルすることが主流だ。

実際、結婚式の新郎の93.5%はタキシードを着用し、そのタキシードをレンタルする割合は93.3%というデータもある(ゼクシィ 結婚トレンド調査2019 調べ)。1

タキシードはフォーマルの中でも汎用性がありオーダーもできる

礼装は「時間」と「格式」で分けられるが、日本で一般人でも参加できる儀式は「婚」「葬」くらいなのに対して、タキシードを使う宴は会社員でも参加することがあるだろう。それから、タキシードは宴のための礼装であるが、日本では結婚式で使うことができるし、レンタルやオーダースーツと大差ない価格でオーダーすることができる。

前述したデータでも新郎の93.5%が結婚式でタキシードを着用しているし、世界的に見ても本来は夜の(宴の)正礼装であった「テイルコート(燕尾服)」はタキシードに取って代わられている。

タキシード(既製品)をレンタルしたときの費用は平均して12.8万円とそれなりに高価だから、タキシードと小物を自前でそろえても十分に勝負できる可能性がある。

それから、オーダータキシードは結婚式の後に改造してスーツに直すことができるくらい、大きな作りではスーツと大差がない(実際にはそれだけタキシードの仕様が簡易的なものになると想定されるためおすすめはできない)。

麻布テーラーのタキシードはQCD(F)が高い

麻布テーラーは品質を担保している。タキシードも手頃にオーダーできる。仕立屋なのに気軽にオーダーできる。したがって、麻布テーラーのタキシードはQCD(F)が高い

麻布テーラーは品質を担保している

麻布テーラーはメルボグループ内に(現在は青山商事のグループ企業として)「メルボ紳士服工業」という縫製工場を持っている。メルボ紳士服工業は、50年以上の歴史ある縫製工場を国内2カ所で経営し、麻布テーラーが東西で受注したオーダースーツを作り分けている。

その一つが1969年に創業した滋賀工場で、年間45,000着のスーツを生産している(2020年)。もう一つは1972年に創業した広島工場で、こちらも滋賀工場と同じ規模でスーツを生産している。

いずれの工場でも古くからある特殊ミシンを使った熟練者の手作業が生きる一方で、オートメーション化を進めるなどして工業化による生産効率の向上も進めている。

麻布テーラーには自身の生い立ち(1999年の事業スタート)よりも以前から稼働する自社工場があることで、受注したオーダースーツの品質を担保していると言える。

タキシードも手頃にオーダーできる

麻布テーラーのフォーマルは「セレモニアルウェア」として分かりやすく展開している。例えば、タキシードは60,500円(税込)〜オーダーでき、タキシードに必要な小物一式(靴と靴下は除く)は33,000円(税込)で販売されている。

60,500円(税込)のタキシードの価格内訳は、オーダースーツの最低価格44,000円(税込)+タキシードオプション16,500円(税込)となっている。タキシードはジャケットに「拝絹地」やパンツに「側章」が入っているため、通常のスーツより工程が増えるからだろう。

オーダースーツと同じように、生地のグレードを上げるとタキシードの価格も上がる。このとき、縫製代やタキシードオプション16,500円(税込)の価格は変わらない(縫製代や麻布テーラーの利益が生地のグレードアップ代に含まれているとも言える)。

例えば、最低グレード(=オーダースーツの最低価格)から一つ上のグレード生地にすると、最低グレード44,000円(税込)+一つ上のグレード生地11,000円(税込)+タキシードオプション16,500円(税込)=71,500円(税込)となる。

タキシードは「黒」の「無地」で作ることが多いが、生地によってその質感(光沢や肌触り)は千差万別なので、実際に店舗で確認してから決めることになる。

タキシードに必要な小物一式は「蝶ネクタイ」「サスペンダー」「カマーバンド」「カフリンクス」「スタッズボタン」「チーフ」の6点がセットになったものだ。

オーダースーツの副資材や小物を取り扱うヤマモトが展開する「EXCY」というブランドのものと思われる。EXCYでもこれらの小物は個別にそろえることができるが、一部の小物には麻布テーラーのロゴが入っていたり、必要なものをまとめてリーズナブルに買えることは利点である。

仕立屋なのに気軽にオーダーできる

麻布テーラーは自社工場があることで納期(調整)の融通が利きやすいだけでなく、単純に店舗数が多いこともあり思い立ったら即行動に対応してくれる。

実際、麻布テーラーは2022年現在で国内26店舗がある。そのうち、東京11店舗、大阪4店舗と出店は主要都市がほとんどであるが、主要都市もしくはその近郊に住んでいる場合はその恩恵にあずかることができる。

麻布テーラーはイージーオーダーを基本とした仕立屋であり、店舗(スタッフ)は顧客を採寸し要望を聞いてデザイン(パターン)を決めることが仕事だ。

企業としては、店舗運営を採寸とヒアリングに限定し、その生産は工場に委託することでバリューチェーンを最適化できるのかもしれないが、店舗スタッフの技術・知識が上がりにくいといった課題もある。

麻布テーラーでフォーマル(セレモニアルウェア)をオーダーするときは、⽇本フォーマル協会認定の「フォーマルスペシャリスト」を取得したスタッフが提案するとしている。

しかし、この資格は実務経験を伴わないため、対応するスタッフのこれまでの提案経験が見えないところには不安が残るのも事実である。

ローバースクワットは生産性において代替されることがない種目だ

ローバースクワットは安全に脚を鍛える種目だ。ローバースクワットは生産性が高い。ローバースクワットの生産性を上回る種目はない。したがって、ローバースクワットは生産性において代替されることがない種目だ

ローバースクワットは安全に脚を鍛える種目だ

ローバースクワットではバーベルを低い位置で担ぐ。バーベルを低い位置で担ぐと股関節の屈曲が大きくなる。股関節の屈曲が大きくなると膝が前に出にくい。したがって、ローバースクワットは安全に脚を鍛える種目だ

ローバースクワットではバーベルを低い位置で担ぐ

「ローバースクワット」は英語で"Low Bar Squat"と書く。つまり、ローバースクワットは(バーベル)バーを低い位置で担ぐスクワットのことだ。

この「低い位置」を具体的にすると、多くの場合でバーベルは肩甲骨の上、後側から見て両肩のカーブの真ん中を通る水平線上にある。多くの人にとって、この位置はバーベルを「自然に」担いだときよりも低い位置になるだろう。

実際、バーベルを低い位置(肩甲骨の上)で担ぐには、肩回りや手首の柔軟性が必要になる。しかし、最初はそれが難しくても、ローバースクワットをしているうちに柔軟性は獲得できるから心配はいらない。

低い位置でバーベルを担ぐと股関節の屈曲が大きくなる

関節を曲げることを「屈曲」という。ところで、スクワットでしゃがむ人を横から見ると、バーベルは常にその人の足の中心の垂直線上を動く。そうでなければバランスを崩して倒れてしまう。だから、スクワットをする人がバランスを取るには、バーベルを担ぐ位置の違いを股関節の屈曲の大きさによって調整する必要がある。

実際、バーベルを肩甲骨よりも高い位置にある首の付け根(僧帽筋の上部)で担ぐとき(これを「ハイバースクワット("High Bar Squat")」という)、ローバースクワットと同じだけ股関節を屈曲させると、重心は足の中心の垂直線上よりも前に来てバランスを崩してしまう。

逆に、バーベルを肩甲骨よりも低い位置である腰で担ぐ(実際にはできないが何らかの方法で担ぐことができるとする)とき、ローバースクワットと同じだけ股関節を屈曲させると、重心は足の中心の垂直線上よりも後に来てバランスを崩してしまう。

股関節の屈曲が大きくなると膝が前に出にくい

股関節の屈曲が大きいということは、しゃがんだとき(太ももを地面と水平かそれ以上にしたとき)に「すね」がより垂直に近いということだ。だから、しゃがんときにも膝がつま先の垂直線上よりも前に出ることがない。

それに対して、ハイバースクワットのように股関節の屈曲が小さいときに太ももが地面と水平になるまでしゃがもうとすると、膝はつま先の垂直線上よりも前に出てしまう。

スクワットは非常に優秀なトレーニング種目である一方、ケガのリスクが高い種目でもある。その中でも膝関節へのダメージは深刻であり、膝関節は膝がつま先の垂直線上よりも前に出るときに大きな負荷がかかる。

ローバースクワットは生産性が高い

脚の筋肉は全ての筋肉の中で最も大きい。ローバースクワットは大腿四頭筋を鍛える。ローバースクワットはハムストリングを鍛える。したがって、ローバースクワットは生産性が高い

脚の筋肉は全ての筋肉の中で最も大きい

脚(太もも)の筋肉は主に、体の前側にある「大腿四頭筋」と、後側にある「ハムストリング」からなる。主要な筋肉の一般的な大きさを見ると、大腿四頭筋は体の中で最も大きな筋肉であり、ハムストリングは三番目に大きな筋肉である(二番目はお尻の筋肉である「大臀筋」だ)。

人の下半身には大臀筋やふくらはぎの筋肉である「下腿三頭筋」もあり、これら下半身の筋肉を総合すると、人の筋肉全体の50%を超える。

大腿四頭筋、ハムストリング、下腿三頭筋はいくつかの筋肉の総称である。例えば、大腿四頭筋は「大腿直筋」「外側広筋」「内側広筋」「中間広筋」という四つの筋肉の総称だ。

当然これらの筋肉一つ一つにそれぞれの役割があるのだが、その役割は大腿四頭筋とハムストリングに含まれる筋肉同士ほどの違いはないため、一般的には総称が使われている。

ローバースクワットは大腿四頭筋を鍛える

関節を伸ばすことを「伸展」という。大腿四頭筋の作用(力の働き)は膝関節の伸展である。つまり、大腿四頭筋は膝関節が屈曲した状態から伸展するときに負荷がかかる筋肉であり、これはローバースクワットの動作とも合致している。

ローバースクワットで太ももが地面と平行かそれ以上になるまでしゃがむとき、膝関節が屈曲し大腿四頭筋は最も引き伸ばされる格好になる。ここから膝関節を伸展させると、大腿四頭筋は縮みながら収縮することで力を発揮する(これを「短縮性筋収縮(コンセントリック収縮)」という)。

筋肉を「鍛える」とは、筋肉を「実際に使う」ことに他ならない。ローバースクワットでしゃがんだときは大腿四頭筋が引き伸ばされていることを、立ち上がったときはそれが縮んでいることを意識できると良い。

ローバースクワットはハムストリングを鍛える

ハムストリングの作用は膝関節の屈曲と股関節の伸展である。つまり、ハムストリングは膝関節が伸展した状態から屈曲するときと、股関節が屈曲した状態から伸展するときに負荷がかかる筋肉であり、これもローバースクワットの動作と合致している。

ローバースクワットでしゃがむとき、膝関節だけでなく股関節も(ハイバースクワットより)屈曲しハムストリングは引き伸ばされる。ここから膝関節と股関節を伸展させると、ハムストリングにもまたコンセントリック収縮が起こる。

ハムストリングは、膝関節が伸展し股関節が屈曲しているときに最も引き伸ばされるわけだが、ローバースクワットではその動作を全く同時に実現することはできない。

しかし、それはしゃがむときには膝関節の屈曲でハムストリングが使われ、立ち上がるときには股関節の伸展でハムストリングが使われるということである。

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ローバースクワットの生産性を上回る種目はない

ハイバースクワットはハムストリングに弱い。フロントスクワットは大腿四頭筋が主になる。レッグプレスでは脊柱起立筋が使えない。したがって、ローバースクワットの生産性を上回る種目はない

ハイバースクワットはハムストリングに弱い

ハイバースクワットはローバースクワットよりも股関節の屈曲が小さい。スクワットにおいて股関節の屈曲が小さいとハムストリングの関与も小さくなるから、ハイバースクワットはローバースクワットよりもハムストリングを鍛えることには向いていない。

実際、スクワットをしていてもハムストリングがうまく使えていないと感じる人の多くは、ローバースクワットができていない(ハイバースクワットになっている)からだ。

それから、ローバースクワットでは大腿四頭筋だけでなくハムストリングの関与も大きくなるのだから、それだけ重い重量を上げられるということでもある。これはパワーリフティングでローバースクワットが使われることが多い理由の一つだ。

逆に、ハイバースクワットではハムストリングの関与が小さくなることを利用し、どちらかといえば大腿四頭筋「狙い」の種目としてハイバースクワットをトレーニングに取り入れることもある。

フロントスクワットは大腿四頭筋が主になる

スクワット系種目の中でも、ハイバースクワットよりさらにハムストリングの関与が小さい種目が「フロントスクワット」だ。フロントスクワットはハイバースクワットよりも股関節の屈曲が小さくハムストリングの関与が限定的なことから、大腿四頭筋を鍛える種目として取り入れられる。

フロントスクワットはバーベルを体の前側(多くが顎の下あたり)で担ぐスクワットである。だから、ローバースクワット→ハイバースクワット→フロントスクワットの順番で、(股関節の屈曲の大きさが同じなら)バーベルの重心は体の後→前に移動し、それを調整するために股関節の屈曲は小さくなる。フロントスクワットでしゃがんだ状態を横から見ると、上半身はほとんど起きた状態になる。

スクワット系種目の中でハムストリングを使わない究極のカタチとしては「ハックスクワット」がある。ハックスクワットは一般的にはスミスマシンやハックスクワットマシンを使って行う。

ハックスクワットをスミスマシンで行う場合は、股関節を屈曲させないで(上半身を垂直に立てて)、膝関節の屈曲と伸展を繰り返す。イメージは背中を壁に付けた(壁に寄りかかった)状態で、足は体の前の方に接地してしゃがんだり立ち上がったりする動きだ。

ハックスクワットマシンはその動作が自然とできるように設計されている。股関節が屈曲しないため、大腿四頭筋だけを鍛えたいとき(例えば、デッドリフトでハムストリングを使った後)に取り入れられる。

レッグプレスでは脊柱起立筋が使えない

スクワットと同じような動きができるマシンとして「レッグプレス(マシン)」がある。しかし、レッグプレスではスクワットのように背中を伸ばす動きがないため、スクワットで鍛えられる「脊柱起立筋」といった体幹筋が使われない。

脊柱起立筋は「腸肋筋」「最長筋」「棘筋」の総称で、骨盤から頭部までをつなぐ背中の中心部にある最も長い筋肉である。脊柱起立筋は体(主に上半身)の姿勢を維持するための筋肉であり、スクワットやデッドリフトのように上半身だけはまっすぐに伸ばした状態でバーベルをリフトするときに使われる。しかし、レッグプレスはマシンに背中を預けることができることから、上半身をまっすぐに伸ばすことには負荷がかからない。

ハムストリングは、フロントスクワットやハックスクワットのように股関節を伸展させた状態で膝関節だけを伸展させてもほとんど使われない。しかし、レッグプレスでは股関節を屈曲させた状態で膝関節を屈曲・伸展させるためハムストリングが使われる。

モーニングとタキシードが並ぶ結婚式がおかしいことを知るべきだ

モーニングとタキシードの違いは時間と格式にある。「昼の礼装」と「夜の礼装」は共存できない。プロトコール(ドレスコード)から服装がもっとよく分かる。したがって、モーニングとタキシードが並ぶ結婚式がおかしいことを知るべきだ

モーニングとタキシードの違いは時間と格式にある

モーニングは昼の正礼装である。タキシードは夜の準礼装である。礼装は時間と格式で分けられる。したがって、モーニングとタキシードの違いは時間と格式にある

モーニングは昼の正礼装である

モーニングは男性の昼間の装いとしては最も格式の高い礼装(「正礼装」という)である。これは国際儀礼(プロトコール)に基づくもので、洋装文化がある国では共通の認識となっている。

実際、外務省のプロトコールに関する説明の中でも、男性の昼の正礼装をモーニングとしている。1

この文脈における「プロトコール」とは、異なる文化を持つ人たちが集まったとき、互いに礼を欠くことなく国際的または公的なイベントを円滑に進めるための「前提」や「ルール」といった意味である。

モーニングの構成は、前裾は短く後裾は長い黒無地のジャケット(モーニングコート)、ジャケットと共布またはシルバーグレーのベスト、黒とグレーの縞模様のパンツ(コールパンツ)からなる。

細かいところでは、シャツはウイングカラー(立襟)、タイはシルバーグレーのアスコットタイ、靴は黒革のストレートチップを合わせる。

タキシードは夜の準礼装である

タキシード(ブラックタイ)は男性の夜間の装いとしては正礼装に次いで格式の高い礼装(「準礼装」という)である。恐らく(少なくとも日本では)、タキシードは礼装の中で最も知られている装いだろう。

英国ではタキシードを「ディナージャケット」というように、本来の「タキシード」はそのジャケットのみを指す「礼服」であり、タキシードを中心に構成する装い(礼装)を「ブラックタイ」という。しかし、日本ではタキシード=ブラックタイである。

すなわち、礼服である「モーニングコート」が中心の礼装が「モーニング」であり、礼服であるタキシード(ディナージャケット)が中心の礼装が「ブラックタイ」という整理になるが、モーニングコート=モーニング、タキシード=ブラックタイでも文脈を取り違えることはない。

「ブラックタイ」は黒の蝶ネクタイを指し、それがタキシードを着こなすときの代名詞になっている。タキシード(ブラックタイ)の構成では、ジャケットとパンツは共布の黒無地が一般的だ。

ジャケットは一見して現代のスーツと似ているが、スーツでは上襟と下襟(ラペル)が折り返しになっている(「ノッチドラペル」または「ピークドラペル」)に対して、上襟と下襟がつながる「ショールカラー」が正式とされる。

ベストの代わりにベストを簡略化した「カマーバンド」という腹部に巻く飾り帯を付ける。靴はエナメル(パテントレザー)のオペラパンスを合わせる。

礼装は時間と格式で分けられる

モーニングやタキシード(ブラックタイ)といった装い(礼装)は好きなように各人の好みで着られているわけではなく、その装いで参加するイベント(の時間)と、その装いを使う人の立場(格、格式)によって使い分けられている。

礼装の使い分けは洋装文化「そのもの」であるから、元来は洋装文化にない日本において、礼装を使い分けるという認識は浸透していない。しかし、洋装文化のある国や、それらの国の人を交えた式典や公的なパーティーでは、招待状にプロトコール(ドレスコード)が明記される。

「昼の礼装」と「夜の礼装」は共存できない

昼の準礼装は(日本では)知られていない。夜の正礼装はタキシードに取って代わった。それでもプロトコールは時間に厳格である。したがって、「昼の礼装」と「夜の礼装」は共存できない

昼の準礼装は(日本では)知られていない

日本には昼の正礼装「モーニング」と夜の準礼装「タキシード」の違いを説明できる人が少ないが、それに輪をかけて昼の準礼装「ディレクターズスーツ」に関しては、その礼装の存在すら知る人が少ない。

実際、昼間の儀式となるとモーニング一択になることがほとんどで、外務省のプロトコールに関する説明でも、昼の準礼装については記載がない。

ディレクターズスーツは礼装の中でも最も現代スーツに近いスタイルであり、「礼装」という差別化が難しいことが普及していない背景にあるのだろう。

確かに、ディレクターズスーツはモーニングを簡略化したもので、その構成はモーニングのコールパンツにモーニングコートの代わりとしてダークスーツと同じ黒無地またはダークグレーのジャケット、無地のシルバーグレーまたはオフホワイトのベストからなる。

シャツはウイングカラー(立襟)ではなくレギュラーカラー(折襟)であり、モーニングの下半身とビジネススーツの上半身のニコイチとも表現できる。靴はモーニングに準ずる。

欧米ではブラックスーツを礼装とは見ないが、日本ではブラックスーツを冠婚葬祭の礼装と見なすことが多く、黒無地のジャケットではブラックスーツとの差別化ができない。

夜の正礼装はタキシードに取って代わった

話をややこしくするのが、礼装は時代とともに変化するということだ。プロトコールには夜の正礼装として「燕尾服(ホワイトタイ)」があっても、実態として燕尾服が使われることがなければ、タキシードを実質的な正礼装としてもおかしくない。

実際、夜の正礼装=燕尾服(ホワイトタイ)という認識は確立しているものの、パーティーのドレスコードでは燕尾服よりもタキシードが指定されることが圧倒的に多いという。そのことから、近年はタキシードが夜の正礼装に昇格したと見なす向きがある。

燕尾服(ホワイトタイ)の構成は、「テイルコート(日本では「燕尾服」)」というモーニングコートと同じく後裾の長いジャケット、ジャケットと共布のパンツ、白無地の襟付きベストからなる。

モーニングコートとテイルコートの違いは、モーニングコートが前裾から後裾にかけて斜めに切られているのに対して、テイルコートの前裾は四角く切られているところにある。

それから、「ホワイトタイ」は白の蝶ネクタイを指し、白のベストと合わせてジャケットとパンツの黒に対するコントラストが印象に残る。

それでもプロトコールは時間に厳格である

「昼の礼装」としてモーニングに準ずるディレクターズスーツが知られていないことや、「夜の礼装」ではタキシードが燕尾服に取って代わったことを差し引いても、プロトコールでは昼夜の礼装を明確に分けている。

具体的な例としては、天皇陛下が内閣総理大臣や最高裁判所長官を任命する儀式「親任式」では、(夜に行われることもあるが)モーニングを使うのが通例である。

天皇・皇后が国賓をもてなす宮中晩餐会の参加者は燕尾服またはタキシードを使う。日本国外ではオーケストラの指揮者やノーベル賞授賞式の参加者が使う。

つまり、一つの儀式または宴の中で、モーニングまたはディレクターズスーツと燕尾服またはタキシードが共存することはない。モーニングやディレクターズスーツは昼間の儀式、式典に限定され、燕尾服やタキシードは夜間の宴、観劇、音楽会に限定されている。

しかし、必ずしも「昼」と「夜」という分け方は適当でないかもしれない。「昼の礼装」と「夜の礼装」が共存することはないが、その使い分けは「昼」か「夜」ではなく、「儀式」か「宴」でも分けられるからだ。

この点は飯野高広が「紳士服を嗜む」に書いている。親任式が夜に行われるときもその参加者がモーニングなのは、親任式が「儀式」であるからというのは納得がいく。

プロトコール(ドレスコード)から服装がもっとよく分かる

礼装は「全体」が大切であることを教える。礼服と(ビジネス)スーツは切り離せない。本来の型を知っているから自分の型を作れる。したがって、プロトコール(ドレスコード)から服装がもっとよく分かる

礼装は「全体」が大切であることを教える

礼装は、ジャケットやパンツといった「部分」ではなく、カフスボタンやポケットチーフといった身に着ける小物や、それらのディテールまでも細かく決めた「全体(トータルコーディネート)」で表現する。

例えば、礼装ではパンツの裾は折り返しのないシングルが原則だし、昼の礼装では靴は黒革のストレートチップであるのに対し、夜の礼装ではそれがエナメルのパンプス(オペラパンス)になる。

「モノ」としてのモーニング(コート)やタキシードは「礼服」であるが、それらのジャケットやパンツ「だけ」を使うことはないから、単に「モーニング」「タキシード」と言っても、全体の装いとしての「礼装」を指すことができるのだ。

礼服と(ビジネス)スーツは切り離せない

現代の(ビジネス)スーツは、礼服が大衆化するときに起こった簡略化の結果である。だから、スーツには礼服のエッセンスが詰まっているし、服装としてのスーツ(スタイル)は礼装の考え方に準ずることが多い。

例えば、昼の礼装では黒革のストレートチップを履くことから、ビジネスで使うスーツでも黒革のストレートチップは最も格式が高いという認識があり、実際のビジネスでも多用されている。

礼服のパンツで裾をダブルにすることはないから、スーツを礼服から差別化するためにパンツ裾をダブルにすることもある。このように礼服はスーツを考えるとき、ある種のベンチマークとして使える。

本来の型を知っているから自分の型を作れる

「一般的に結婚式の新郎はタキシードを使う」からタキシードを使うのと、「昼の結婚式では昼の礼装を使うものだが、今の時代は昼の結婚式でもタキシードを使うことが多い」ことを考慮してタキシードを使うのは全く違う。

後者の考えから結婚式のタキシードを選ぶなら、本来のタキシード(ブラックタイ)から色やディテールを変えることで、自分らしい納得のいく服装ができる。

プロトコール(ドレスコード)が指定されているときは別として、儀式や宴では「礼装」かくあるべきと頭でっかちにならず、変化を受け入れながらも本来の型を知り自分らしさを表現するのが今のやり方である。

ナイキのメトコンはジムのトレーニングで高効率に総生産を上げる

ナイキのメトコンは万能さが支持されるトレーニングシューズだ。ジムトレの「効率」と「生産」は効果÷時間(=生産性)×頻度で決まる。ナイキのメトコンはトレーニングの生産性を上げて頻度を増やす。したがって、ナイキのメトコンはジムのトレーニングで高効率に総生産を上げる

ナイキのメトコンは万能さが支持されるトレーニングシューズだ

メトコンはナイキのトレーニングシューズである。カーディオ(有酸素運動)にも使える。地味でも支持する「層」がいる。したがって、ナイキのメトコンは万能さが支持されるトレーニングシューズだ

メトコンはナイキのトレーニングシューズである

ナイキはランニングやバスケットボールなど、特定スポーツのためだけにシューズを作っているわけではない。どのスポーツにも共通して必要な基礎体力を付けるためのトレーニング(レジスタンストレーニングやカーディオ)の重要性を理解し、そのトレーニングのためのトレーニングシューズ「メトコン」をデザインしている。

ナイキの基礎体力を付けるためのトレーニング用シューズの歴史は、1987年に誕生した名作「エアトレーナー1」に始まる。当時(「今も」であるが)、フィットネスブームであったアメリカでは、特定のスポーツだけでなくジムでのウエイトトレーニングやランニングでも使えるシューズに需要があった。

特定のスポーツから基礎体力を付けるためのトレーニングまでを複合的に捉えたのが「トータルフィットネス」または「クロストレーニング」であり、エアトレーナー1の位置付けは「クロストレーニングシューズ」であった。

それから数十年が経過して、エアトレーナー1はナイキのラインナップから外れてしまったが、クロストレーニングシューズとして現代の需要に応えるカタチで進化したのがメトコンである。

カーディオ(有酸素運動)にも使える

メトコンシリーズは、2021年の「メトコン7」から"Nike React"を採用している。Nike Reactはナイキで最も反発性に優れたフォームであり、高い「柔軟性」と「弾力性」のためにランニングに最適とされる。

ナイキには、バスケットボールでジャンプして空中から着地したときの衝撃に強い"Nike Air"や、厚底でマラソン大会を席巻した"Nike Zoom"といった技術があるが、ランニング(有酸素運動)ではNike ReactとNike Zoomが使われることが多い。

それから、メトコン7から際立ってデザイン上の特徴となっているのが、土踏まずからシューズの側面までを包み込むようにデザインされた「滑り止め」だ。この滑り止めが、ロープクライミングをするときにシューズ側面でグリップすることにその力を発揮する。

地味でも支持する「層」がいる

メトコンはナイキ「エアフォース1」のようにアイコニックなシューズではないものの、2015年にデザインされた「メトコン1」から(2022年)現在の「メトコン8」まで着実にアップデートを重ねていることから、その支持層の厚さが分かる。

実際、価格が3万円以上するアシックスのウエイトトレーニングシューズなど本格派と比べても、2万円を切るメトコンは手が届きやすくそれでいて十分にその機能を発揮してくれることから、アップデートで追加された機能を試したくなる"iPhone"のようなシューズだ。

2022年のメトコン8は、2021年のメトコン7から大幅なアップデートはなかったものの、ナンバリングを上げるだけで何かを期待させられる。

ジムトレの「効率」と「生産」は効果÷時間(=生産性)×頻度で決まる

トレーニングでは「効果」を最優先しなければならない。効果が出るまでに「時間」をかけ過ぎても生産性が低い。どれだけ生産性が高くても「頻度」が少なければ総生産は増えない。したがって、ジムトレの「効率」と「生産」は効果÷時間(=生産性)×頻度で決まる

トレーニングでは「効果」を最優先しなければならない

トレーニングはその「効果」に意識を集中して取り組まなければ、トレーニング自体が目的になる、いわゆる「手段の目的化」現象が起きる。これでは効果のないトレーニング(ターゲットにミートしない実行)になり、トレーニングをするだけ時間をムダにする可能性がある。

(レジスタンス)トレーニングの目的は筋肉を鍛えて強くすること、大きくすることだ。その先には競技で勝つことや、ただ単に健康な生活を送ることなど人それぞれの目標があるが、少なくともトレーニングはその目標を達成するための「手段」である。

しかし、トレーニングを長く続けている人でも(だからこそ)、忙しい日々の中でトレーニングをルーティン化することで「トレーニングをすること」ばかりが重視され、結果として「筋肉を強くする、大きくする」効果につながっていない期間を過ごしてしまう。

これはレジスタンストレーニング以外にも言えることで、例えば、英語を話せるようになるために英語を聞く練習(リスニング)をしているのに、リスニングすること自体が目的になり、結果としてリスニングが作業になってしまうのと同じである。

自分が何にフォーカスをするかは、専属のトレーナーを付けたりしない限り、自分で意識をして決めるしかない。

効果が出るまでに「時間」をかけ過ぎても生産性が低い

トレーニングは手段であり意識するべきはその「効果」であるとはいえ、トレーニングの効果を重視するあまり毎日3時間のトレーニングをしても、期待する効果を享受することはできない(トレーニング時間とトレーニング効果は正比例しない)。

実際、毎日3時間トレーニングする人が、毎日1時間トレーニングする人の3倍の効果(筋肉の強化)を享受することはできない。一般的にトレーニング時間が長くなると、トレーニングの効果が上がるよりもトレーニングの質が下がる傾向にある。

それでも、ボディビルやフィジークなどの競技のためのトレーニングをしているなら、質が下がってでも総生産を重視してトレーニング時間を長くすることはあるだろう。しかし、生活の質を上げる一環としてトレーニングをしているなら、トレーニングをしていない時間とのバランスも考えて、限られた時間の中で効果を最大化する方法を検討するべきだ。

どれだけ生産性が高くても「頻度」が少なければ総生産は増えない

トレーニングの質にこだわる(生産性が高いトレーニングをする)のは前提としても、週1回のトレーニングでは、筋肉が強く、大きくなっていくとはいえ、そのペースはそれ相応に遅い(時間がかかる)。

特に、筋肥大の観点では一つの部位(ざっくり「脚」や「肩」など)のトレーニングを、全ての種目で週あたり合計10セット前後が最適とされることが多い。主要な筋肉群(脚、肩、背中、胸)のトレーニングを週に各10セット前後で組むならば、一週間に3回(3時間)以上はトレーニング時間をつくりたい。

筋肥大に有効とされる8~10RM(8~10回リフトするのが限界の重量で8~10回のリフト)のトレーニングなら、インターバルを入れて1セット3分、週に合計40セットで最低でも2時間(3分×40セット=120分)、種目間のインターバルと1回1時間のトレーニングという制約を入れると、週3時間(前後)となる。

ナイキのメトコンはトレーニングの生産性を上げて頻度を増やす

メトコンはトレーニング効果を最大化する。メトコンはトレーニング(までの)時間を減らす。メトコンがあるとトレーニング頻度が増える。したがって、ナイキのメトコンはトレーニングの生産性を上げて頻度を増やす

メトコンはトレーニング効果を最大化する

メトコンは、履いて地面に立った瞬間から、そのワイドでフラットなソール全体が地面に吸い付くようにグリップすることが分かる。この地面との接地感が、スクワットやデッドリフトの安定感を上げ、トレーニングの質を向上させる。

特に、スクワットは足と上半身が安定的に固定された状態で、大腿四頭筋とハムストリングスを最大限ストレッチできることが理想だ。だから、足(シューズ)が地面としっかりグリップしていることは、スクワットの効果を最大化する上で重要なファクターの一つである。

メトコンはトレーニング(までの)時間を減らす

ウエイトトレーニングの習熟度にもよるが、ウエイトトレーニングに慣れていれば無意識に取ったスタンスでもメトコンは地面と「瞬時に」かつ「しっかりと」グリップしてくれるので、セットに入るまでの時間がかからない。

ウエイトトレーニングでは足(シューズ)が地面とグリップしていないと、足の位置(スタンス)が決まらずにセットに入るまでの時間がかかったり、運が悪く足を滑らせるようなことがあればケガにもつながる可能性すらある。

メトコンがあるとトレーニング頻度が増える

ナイキのシューズは履いているだけで満足感を与えてくれるものだ。メトコンを履いてトレーニングができるだけで、ジムに行く楽しみが一つ増える。

メトコンを使ったトレーニングでは足下の懸念が一切なく、それでいてそのデザインから履いていることへの満足感(履きたくなる衝動)があるため、ジムで使うトレーニングギアとしては最優先で準備したいものだ。

ジムで使うトレーニングシューズにこだわってこなかったのであれば、メトコンを履くことによるトレーニングの質の向上と、メトコンを履いていることへの満足感の向上の両方が実感できる。

音読パッケージは英会話の聞く力を伸ばすために最適な教材である

音読パッケージが意味のない音読に終止符を打つ。聞く力を伸ばさないから話す力が伸びない。これ以上に生産性の高い「音読」教材はない。したがって、音読パッケージは英会話の聞く力を伸ばすために最適な教材である

音読パッケージが意味のない音読に終止符を打つ

リスニングを「ヒアリング」にしない。音読をただの読み上げにしない。シャドーイングの効果を実感できる。したがって、音読パッケージが意味のない音読に終止符を打つ

リスニングを「ヒアリング」にしない

リスニング学習が「ながら聞き(ここでは「ヒアリング」とする)」になってしまうのは、目下リスニングする目的を具体化できていないからだ。音読パッケージではリスニングから達成するべきことが明確に決められているため、リスニングがヒアリングになることを避けられる。

音読パッケージは、頭と体を使って英語を出し入れすることによって、リスニング力を中心とした英語の基礎力を向上させるための教材である。その目的を達成するための具体的な方法として、収録されているテキストの音声を聞いて繰り返す(リピーティング)ができるようになることを目指す。

このように、大きな目標(英語の基礎力を向上させること)を達成するための具体的な手段(リピーティングができるようになること)を提示することで、リスニング学習に意味付けをしているところが音読パッケージの特徴だ。

音読をただの読み上げにしない

音読も「ながら」になりやすい学習だが、音読パッケージでは音読を他の「音読系学習」でサンドイッチにして練習するため、音読の効果(音読で達成するべき目標)が分かりやすく「ながら」になりにくい。

音読パッケージではテキストの音声を聞いて一拍おいてから繰り返す「リピーティング」と、テキストを見ながら読み上げる「音読」、そしてテキストの音声を聞いて即座に繰り返す「シャドーイング」がセットになっている。

一般的にはリピーティングよりもシャドーイングの方が難しく思われるが、実際にはリピーティングには「リテンション」といって、聞いた音声を頭に保持する能力が必要だ。

そのため、実際に音読パッケージで練習をしてみると、リピーティングよりもリテンションを必要としないシャドーイングの方が簡単に感じることだろう。

シャドーイングの効果を実感できる

やみくもにシャドーイングの学習を始めてもなかなかうまくいくことはないから、シャドーイングは上級者向けの学習方法だとか、そもそも意味がないのでは?と感じる人も少なくない。しかし、シャドーイングの前段階としてしっかりとリピーティングや音読をやっていると、シャドーイングにもしっかりとした学習効果が現れてくる。

音読パッケージにおけるシャドーイングの位置付けは、リピーティング(リテンション)の力を最大化するためのラップアップである。音読パッケージのゴールは音読パッケージに収録されているテキストの音声を聞いてリピーティングできることだから、シャドーイングできることは音読パッケージのゴールではない。

聞いたテキストの音声だけを頼りに(リテンションして)リピーティングすることがイマイチでも、その後にシャドーイングをすることでリピーティングができるようになる。これが、音読パッケージにおけるシャドーイングの位置付けを表している。

音読パッケージの1サイクルにおいて、シャドーイングは最後のステップになっているが、シャドーイングの後にリピーティングをしてみると、シャドーイングをしたことでリピーティングの力が上がっていることを実感できるはずだ。

聞く力を伸ばさないから話す力が伸びない

会話では聞かないと話せない。話すことばかりに集中している。したがって、聞く力を伸ばさないから話す力が伸びない

会話では聞かないと話せない

英会話に限らず、会話では相手が話していることが分からなければこちらも話すことができない。それから、英語を話せるようになるには、英語が話せる人のまねをすることが最も確実な近道であるが、英語が話せる人の話が分からなければまねすることもできない。

結局のところ、自分が話せる文章とは、構造や意味を理解した上で自然と口をついて出る文章だけだ。構造や意味を理解できる文章はすべからく相手が話しても聞き取れる文章である。

つまり、聞けない文章は話せないが、話せる文章は聞ける(聞ける文章⊃話せる文章)という包含関係が成り立つ。

話すことばかりに集中している

それなのに英会話の勉強をしている人の多くは、自分が話すこと(話せるようになること)ばかりに集中していて、聞く力を伸ばすことには力を入れていない。それは学校教育の中でスピーキングがおろそかにされてきた反動なのだろうが、それでは英会話の伸びしろにも限りがある。

実際、英会話の学習方法として、うまく話せるようになるためにはどのように話す練習をするべきか?といった論点が語られることは多いが、これではそもそもうまく話せるようになるには話す練習をするべきといった観点でしか、ものごとを考えられていない。

英語を話せないのは英語を話す機会が少ない(そもそもない)からなのは事実でも、聞く練習も同じくらいやらないといつまでたっても英語は話せない。

しかし、やっかいなのは「聞く」行為は何かをしながらでも「している気になる」ところで、リスニングがヒアリング化しているにも関わらず聞く練習をしているつもりになってしまうことだ。

これ以上に生産性の高い「音読」教材はない

そもそも「英語上達完全マップ」の生産性が高い。音読パッケージは英語上達完全マップの核である。絶対に効果のある方法を確実に実行する。したがって、これ以上に生産性の高い「音読」教材はない

そもそも「英語上達完全マップ」の生産性が高い

「英語上達完全マップ」は、現在は英語の学習指導者として活躍する森沢洋介氏が、英語を習得していく過程で模索してきた方法から本当に英語が上達するものだけをエッセンスとしてまとめた教材だ。だから、独学で英語を学ぶ人にとって彼の著書で学ぶことは、おいしい成分だけを抽出して凝縮されたものを食べられるのと同じである。

実際に英語上達完全マップを片手に英語を学んできたわけではないが、これまでの自身の英語学習の経験を振り返っても、英語が上達したと実感できる方法は英語上達完全マップにも載っている。

英語はスポーツと同じで、練習のやり方を間違わなければ誰でもそれなりのレベルに到達できるものだ。スポーツでは生まれながらの才能や幼いときの経験でトップアスリートになれるかどうかが決まることもあるが、英語は誰かと競うために学ぶものではないから、どのタイミングからでも正しい教材と学習方法を知って実行することが大切である。

音読パッケージは英語上達完全マップの核である

この生産性の高い英語上達完全マップでは、音読パッケージと、簡単な日本語の文章を一瞬で英語にして話すトレーニング「瞬間英作文」を2本柱としている。

森沢氏が言うように、音読パッケージと瞬間英作文は学校教育の中では欠落してしまった学習方法であるのに対して、英語が上達するためには必要不可欠ともいえる重要なトレーニングである。

文法と単語が分かればリーディングはできるが、音を聞いているだけではリスニングは伸びず、スピーキングのトレーニングだけでは伸びしろに限界がある。

音読が伝統的な学習方法として定着している背景には、音を「出す」ことで聞いたときの音に慣れることと、スピーキングのトレーニングにもなるといういわば一石二鳥なトレーニングであることがある。その「音読」を軸にして、確実に効果のある音読学習ができるのが音読パッケージだ。

それから、実際に英語を話すには英語をアウトプットする瞬発力が必要であり、その瞬発力をトレーニングできるのが瞬間英作文だ。こちらも非常によくできた教材である。

絶対に効果のある方法を確実に実行する

音読を確実に効果のある方法とするには、聞くだけでなく聞いたことを話すことで聞いていることを担保できる(「ながら」にしない)方法が必要であり、音読パッケージはその方法をパッケージ化している。

音読パッケージを使った学習は、テキストの音声を聞いて話すリピーティングから自分の実力を確かめることで始まる。ここには必ずギャップがある(ないならそれ相応のリスニング力がある)から、次にテキストを見ながらリピーティングすることでそのギャップを補完する。

その後メインの音読をするわけだが、音読はテキストを見ながらのリピーティングのラップアップであり、テキストを見ないリピーティングができるようになるための布石でもある。

音読の後は再びテキストを見ないリピーティングをすることで、最初のステップにあったギャップがどれだけ埋まったかを確かめる。最後のシャドーイングはテキストを見ないリピーティングのラップアップになる。

音読パッケージはこれらのステップ(テキストを見ないリピーティング→テキストを見ながらリピーティング→音読→テキストを見ないリピーティング→シャドーイング)を1サイクルとしているが、最後のシャドーイングの後にテキストを見ないリピーティングで最終的な力を試すのもアリだろう。

このように、それぞれのステップが他のステップと相互に影響しあっていることから、せっかくの勉強を「ながら」にしないで、意味のある学習ができるところが音読パッケージの優れた点である。

プロテインバーで20gのタンパク質を取るならinバーSuperの一択だ

タンパク質が少ないプロテインバーは効率が悪い。inバーSuperはタンパク質が20g取れる新しいプロテインバーだ。inバーSuperのQCDは優れている。したがって、プロテインバーで20gのタンパク質を取るならinバーSuperの一択だ

タンパク質が少ないプロテインバーは効率が悪い

ただでさえ十分なタンパク質を取るのは大変だ。加えてプロテインバーは脂質も含んでいる。効率はタンパク質と脂質のバランスで決まる。したがって、タンパク質が少ないプロテインバーは効率が悪い

ただでさえ十分なタンパク質を取るのは大変だ

人が筋肥大や筋力向上のためにトレーニングをするとき、一日に取るべきタンパク質の量は体重の2~3倍gが理想とされる。例えば、体重が70kgの人は一日に140~210gもの大量のタンパク質を取ることになる。つまり、トレーニーにとって「十分な」タンパク質は想像以上に多いということだ。

仮に、体重70kgの人が朝と夜はプロテインから合計50gのタンパク質を取るとしても、日中は食事から最低90gのタンパク質を取らなければならない。魚を使った和食ランチでもタンパク質は30gほどしか含まれていないから、日中の食事で90gのタンパク質を取るには一日三食をしっかりと取らなければならないことが分かる。

時間のない現代人(トレーニー)が十分なタンパク質を取るための解決策の一つが、プロテインからタンパク質を取る回数を増やすことだ。しかし、一日のほとんどを会社(自宅以外の場所)で過ごす会社員には難しい。

そこで外出先でも気軽にタンパク質を摂取できる手段として普及したのがプロテインバーである。

加えてプロテインバーは脂質も含んでいる

しかし、プロテインバーはプロテイン(パウダー)とは違って、タンパク質以外にも「それなりの」脂質を含んでいるものが多い。プロテインよりもマス層を狙ったマーケティングからか、親しみやすくも憎らしいチョコレートでコーティングされているものがほとんどだ。

実際、日本で売られているプロテインバーは件のチョコレート系のものがほとんどで、ウエハース系のものとグラノーラ系のものは数種類しかない。グラノーラ系プロテインバーは脂質が低く抑えられているが、タンパク質も低くその選択肢も限られている。

効率はタンパク質と脂質のバランスで決まる

結局のところ、どれだけ多くのタンパク質を含んだプロテインバーであっても、それ相応の脂質を含んだものは効率的なプロテインバーではない。効率的なタンパク質の摂取には十分なタンパク質を含みつつも脂質は抑えられたものが適している。

例えば、鶏胸肉は100gで20~25gのタンパク質が取れる高タンパク食材であるが、これを皮付きで食べると脂質が15~20gなのに対して、皮なしなら1~2gと、皮付きに含まれる脂質の九割をカットできる。

前述したようにチョコレート系プロテインバーは10g前後とそれなりの脂質を含んでいるから、タンパク質の含有量が10gしかないプロテインバーでは、タンパク質と脂質のバランスが優れているとは言えない。

inバーSuperはタンパク質が20g取れる新しいプロテインバーだ

プロテイン(バー)の競争が激しくなっている。inバープロテインも初めはダメだった。inバー"Super"が新しいセグメントを開拓した。したがって、inバーSuperはタンパク質が20g取れる新しいプロテインバーだ

プロテイン(バー)の競争が激しくなっている

近年は日本全体が健康・フィットネスブームであり、日本国内におけるプロテイン(パウダー)やプロテインバーといったタンパク質を取るための食品市場は急速に成長している。

最も顕著な成長を見せているのがプロテイン(パウダー)市場であるが、サラダチキンなどの高タンパク加工食品や、プロテインバーなどの(分類上)菓子類の市場も大きくなっている。1

タンパク質を取るための食品市場が急成長していることは、消費者にとって商品の選択肢が多すぎるといった弊害はあるものの、やはり市場競争が働くことによる価格の下落や商品価値の向上といったメリットは大きい。

円高の傾向にあって海外から安くものを輸入できる状況であれば、海外のプロテインやプロテインバーが市場を独占していても問題はないが、円安の傾向が強くなり輸入食品の価格が高騰したときは、日本国内で需給をバランスできないとそのツケは消費者にまわってくる。

inバープロテインも初めはダメだった

森永製菓はプロテインバーを開発して日本のプロテイン市場を急成長させたドライバーの一社であり、そのプロテインバーが「inバープロテイン」である。しかし、発売当初はタンパク質の含有量が10gしかなく、海外のプロテインバーと比べても魅力的ではなかった。

実際、海外(主にアメリカ)のプロテインバーはタンパク質を20g以上含むものがほとんどで、それでいて価格にも大きな差がなかった。だから、海外から輸入する手間を取っても、効率的なタンパク質の摂取という観点では海外のプロテインバーに分があった。

inバー"Super"が新しいセグメントを開拓した

しかし、森永製菓が新しいinバープロテイン「inバープロテインSuper」を開発してからは状況が変わった。プロテインバーをタンパク質と脂質それぞれの高低でセグメント分けすると、inバーSuperはタンパク質と脂質のいずれもが高い(とはいえ脂質はほどほどに制限されている)これまでになかったセグメントの商品になるからだ。

タンパク質や脂質の高低は相対的なものであるが、従来のinバープロテインを含めた日本のプロテインバーはタンパク質と脂質のいずれもが低いセグメントの商品が多く、海外のプロテインバーはタンパク質が高く脂質が低いセグメントの商品が多い。タンパク質が低く脂質が高いプロテインバーには価値がないので割愛する。

このセグメント分けではタンパク質が高く脂質が低い海外のプロテインバーが優秀だと思われるし、合理的に考えるならそのとおりだ。しかし、森永製菓はその合理性を覆すことができる理論を見つけた。

それがプロテインバーの「味」であり、日本のプロテインバーの多くが低タンパクである理由にもなる。

inバーSuperのQCDは優れている

味が日本人の好みに合いやすい。海外のものよりも安く買える。買いたいときにどこでも買える。したがって、inバーSuperのQCDは優れている

味が日本人の好みに合いやすい

日本のプロテインバーの多くが低タンパクなのは、タンパク質に対して脂質や炭水化物が少ないとおいしくなく、それでは日本のマーケットでは受け入れられないことを考慮しているものと考える。しかし、inバーSuperは脂質を高くすることで日本人にも受け入れられる「味」かつ高タンパクなプロテインバーになった。

これまでの日本のプロテインバーは、日本人の好みに合う味をつくるために脂質に対してタンパク質の比率を少なくしていた(10g前後)が、inバーSuperは逆転の発想で高いタンパク質(20g)でも味が担保できるまでに脂質を増やしている。

inバーSuperはタンパク質が20gなのに対して脂質が13~15gと、これまでのinバープロテインよりも高脂質だ。しかし、それによって海外のプロテインバーのように堅すぎたり甘すぎたりすることもなく、非常に食べやすい味に仕上がっている。

海外のものよりも安く買える

2022年6月現在、円安や世界情勢の影響で輸入食品の価格が高騰している。inバーSuperも原材料には海外から輸入したものを使っているとは思うが、それでも海外から輸入するプロテインバーよりは価格高騰の影響が少ない。

実際、これまでは一本200円前後で買えていた海外のプロテインバーも、現在は一本250円前後まで高騰している。それに対して、inバーSuperは一本200円を切る価格で購入することができる。

十分なタンパク質の摂取による筋肥大や筋力向上は毎日の積み上げで成り立つことだから、プロテインバーに価格差があれば、その差も毎日の積み上げで雪だるま式に大きくなっていき家計を圧迫するだろう。

買いたいときにどこでも買える

森永製菓は日本国内で広く販売チャネルを持っているから、inバーSuperはオンラインや実店舗を問わず、買いたいと思ったときに買うことができる。

海外のプロテインバーは日本のプロテインバーよりもサプライチェーンが長くなるため、悪天候や感染症の拡大による港湾混雑、コンテナ船の不足といった国際物流の影響を受けやすい。

それから、サプライチェーンが長くなれば商品の品質が悪化する可能性は高くなるし、物流が滞り需要に対して供給が追いつかなくなれば価格も高騰する。

一般的に"QCD"のフレームワークではQuality(=品質)→Cost(=価格)→Delivery(=納期)の順番で優先順位を付けることが多いが、inバーSuperはDeliveryの強さが生きている。

プロテイン(バー)市場が急速に大きくなったことで、これまでは水面下にあった問題が浮かび上がってきているが、inバーSuperはそれらの問題を解決できるプロテインバーになる。