TOEICで860点を取ることは目標にはならないが指標の一つにはなる

TOEICの860点は誰にでも取れるわけではない。TOEICで860点を取っても英語は話せない。TOEICで860点を取ることは英会話のたしなみを示す。したがって、TOEICで860点を取ることは目標にはならないが指標の一つにはなる

TOEICの860点は誰にでも取れるわけではない

TOEICの問題形式を知らないとできない。時間内に全問題を解かなければならない。高得点は社会的に評価されることも多い。したがって、TOEICの860点は誰にでも取れるわけではない

TOEICの問題形式を知らないとできない

TOEICはリスニングとリーディングの二つのセクションに分かれているが、各セクションの問題形式はリスニング4種類とリーディング3種類の合計7種類があり、それぞれの問題形式を知っているかどうかで正答率が大きく変わる。

TOEICの問題形式を知らない状態で受験すると、ある程度英語が話せる人(例えば、帰国子女や海外駐在員など)であっても、TOEICスコアが900点に到達しないこともある。

リスニングセクションのPart1~4が「写真描写問題」「応答問題」「会話問題」「説明文問題」、リーディングセクションのPart5~7が「短文穴埋め問題」「長文穴埋め問題」「1つの文章、複数の文章」となっている。

例えば、Part1の写真描写問題は、写真の内容を説明している文章を選ぶだけだから直感的に解けるが、Part3の会話問題は会話内容を全て覚えておくことはできないから、会話が始まる前に選択肢を読み込むなどのテクニックが必要だ。

それから、テスト全体が英語のみで構成されていることや、解答がマークシート方式であること、合計2時間で200問を解くことなどにも慣れが必要になる。

時間内に全問題を解かなければならない

990点満点のTOEICで860点を取るには、全ての問題を90%の正答率で解くか、9割の問題を100%の正答率で解くか、それらの間を行き来することになる。しかし、現実的に860点を取る方法は、全ての問題を解いて正答率を上げることである。

リスニングセクションは45分で100問を解くが、流れる音声に沿って回答を進めていくしかない。それに対して、リーディングセクションは75分で100問を自分のペースで解いていくため、時間内に全問題を解ける人と解けない人が出てくる。

一つの問題に時間をかけると最後まで終わらないことは十分にあり得るし、この点においてリーディングセクションはリスニングセクションよりも難易度が高く、一般的にTOEICではリスニングのスコアは上がりやすいがリーディングのスコアは上がりにくい。

高得点は社会的に評価されることも多い

TOEICはそのスコアをコミュニケーション能力レベルとの相関5段階で評価していて、860点は最も高い評価レベルAに該当する。1

企業に就職するときもTOEICの860点は(ある程度は)英語ができるものと見なされることが多く、TOEICスコアを示すときにはケチの付きにくいスコアである。

それから、TOEICでは試験ごとに全受験者のスコア分布を公開しており、どの試験でもスコア区分845点〜で全受験者の上位10%になる。

TOEICで860点を取っても英語は話せない

TOEICではスピーキングとライティングは測れない。860点はリスニングとリーディングだけで取れる。TOEICは高得点なのに英会話ができない人は多い。したがって、TOEICで860点を取っても英語は話せない

TOEICではスピーキングとライティングは測れない

一般的に"TOEIC"といえば英語でインプットする力を測る"TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC)"のことであり、TOEICの受験者は試験中にスピーキングとライティングを使わない。

TOEICは、1977年に始まってからその試験内で会話や作文能力が測れないことが課題としてあり、これを解決するために"TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)"が2007年から始まった。

TOEIC S&Wは、TOEICでは測ることができない英語でアウトプットする力を測るための試験である。ちなみに、TOEICがListening & Reading "Test"なのに対して、TOEIC S&WがSpeaking & Writing "Tests"と複数形になっている理由は不明だ。

860点はリスニングとリーディングだけで取れる

TOEICではスピーキングとライティングを使わないだけでなく、リスニングとリーディングの能力を測ることに特化した試験になっているため、リスニングとリーディングを鍛えるだけで高得点が取れてしまう。

実際、大学受験の延長としてTOEIC対策をするだけで(英会話や英作文をやらずに)860点を取ることはできる。大学受験で英語の基礎が身についていれば、問題形式に慣れてリーディングスピードを上げるだけで十分だ。

無論、問題形式に慣れることやリーディングスピードを上げるための努力は必要だ。しかし、TOEICで高得点を取るための「テクニック本」の数が多いのは、実力があればテクニックだけで高得点が取れてしまうことを示している(実力がないのにテクニックだけを身につけても意味はない)。

TOEICは高得点なのに英会話ができない人は多い

これらの問題から、TOEICで高得点を取ってから英会話を始めるものの、全く英会話ができないことにがくぜんとする人もいる。英会話ができればTOEICで高得点を取れるが、その逆は成り立たないからだ。

「TOEICは高得点なのに英会話ができない」ことをだしにしたオンライン英会話の宣伝は多く、そういった経験をする人が多いことを物語っている。

だから、TOEICは「TOEICでしかない」といわれ、英語学習の中の独立したプロセスになっている。つまり、TOEICからそれ以外の学習(英会話など)に滑らかに接続されていないのだ。

TOEICで860点を取ることは英会話のたしなみを示す

TOEICで860点が取れる人は基礎ができている。TOEICのスコアが上がる人には伸びしろがある。スピーキングやライティングでTOEICスコアも上がる。したがって、TOEICで860点を取ることは英会話のたしなみを示す

TOEICで860点が取れる人は基礎ができている

英会話ができる、できないといった面でTOEICの860点には賛否両論があるが、リスニングとリーディングの力を測る試験としてのTOEICはよくできていて、860点は最低限の単語や文法といった基礎能力があることを保証している。

実際、これらの基礎能力をしっかりと勉強していると思われる語学・文学系(英語専攻)の大学生でも、TOEICの平均スコアは558点だ。2

TOEICはリスニングとリーディングの力を測ることに特化した試験であり、それらの能力を合計7種類の問題形式で多面的に測っている。どれだけ小手先のテクニックを知っていても、基礎ができていなければ高得点は取れない。

TOEICのスコアが上がる人には伸びしろがある

英語学習は積み重ねが大切でありTOEICスコアを上げることもその例に漏れない。だから、TOEICスコアを上げて860点が取れるようになった人は、英会話ができるようになるためコツコツと積み重ねができる人だ。

TOEICは大学受験の延長としてTOEIC対策のテクニックを身につければ高得点が取れると言ったが、そのテクニックだって一朝一夕で身につくものではない。

TOEICの問題形式に慣れるまでには何度もTOEIC公式問題集を解くなりしなければならないし、リーディングスピードを上げるには日々の読書習慣(多読)が欠かせない。

TOEIC向けの教材はたくさん出ているが、基礎は基礎として身につけたら、公式問題集のリスニングセクションを何度も聞いて、リーディングセクションの長文を多読することが学習方法の鉄板だ。

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8

  • 作者:ETS
  • 国際ビジネスコミュニケーション協会
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スピーキングやライティングでTOEICスコアも上がる

TOEICで860点を取る人が英語を話せるようになるよりも、英語を話せる人がTOEICで860点を取れるようになる方が簡単だ。つまり、スピーキングやライティングを伸ばすことでTOEICスコアを上げることもできる。

例えば、スピーキングの勉強をしていてその回答例から学ぶにはリスニングができないといけないし、ライティングも同様にリーディングができないといけない。これはスピーキングやライティングには最低限のリスニングやリーディングの力が必要なことを示している。

それならTOEIC対策に一点集中するよりも、TOEIC対策と並行して英会話なり英文添削なりで英語の四技能全てを伸ばした方がいい結果になるだろう。

スタンスミスの合皮化は天然皮革が使われない未来を予測している

スタンスミスはアディダスのアイコンである。合皮化でサステナビリティにコミットする。天然皮革の生産量は少なくなる。したがって、スタンスミスの合皮化は天然皮革が使われない未来を予測している

スタンスミスはアディダスのアイコンである

アディダスで最も有名な靴である。どんな服装にも合わせられる。誰にでも履きやすい。したがって、スタンスミスはアディダスのアイコンである

アディダスで最も有名な靴である

アディダスのスタンスミスはスニーカーの定番といえば必ず名前が上がる靴の一つであり、日本の靴小売業界では単独首位を走るABCマートが別注(廉価)モデルを展開するほど人気がある。

スタンスミスの知名度は世界でも認められていて、1971年の発売から1991年までの20年間に「世界で一番売れたスニーカー」としてギネスブックに認定されている。

とはいえ、近年はナイキのスニーカーが強いことも事実だ。アメリカの市場調査会社が発表した統計"Sneakernomics 2021 Year in Review"1によると、2021年のスニーカー売上はナイキのエアフォース1から始まってトップ5がナイキである。

どんな服装にも合わせられる

これまでのスタンスミスのアッパーには天然皮革が使われていて、2021年からは天然皮革から合成皮革に切り替わったとはいえ、そのアッパーの上質さはカジュアルだけでなくビジネスカジュアルにまで使えるデザインだ。

全体的に見ても、シュータンにスタン・スミスの顔とバックにアディダスのロゴがプリントされている以外に装飾性はなく、非常にシンプルかつ上質なデザインのスニーカーであると分かる。

誰にでも履きやすい

スタンスミスはテニスシューズを原形として作られたためか、インソールにクッション性があって長時間履いていても疲れにくい。

実際、スタンスミスの原型はアディダスとフランス人テニスプレイヤーのロバート・ハイレットが開発した「ハイレット」にある。このハイレットをベースにアメリカでアディダスの認知度を上げるため、アメリカ人テニスプレイヤーのスタン・スミスの写真を使った「スタンスミス」が生まれた。

合皮化でサステナビリティにコミットする

全てのプラスチックがリサイクル素材になる。皮革でもサステナビリティを追求する。合皮化なくしてループシステムは拡大できない。したがって、合皮化でサステナビリティにコミットする

全てのプラスチックがリサイクル素材になる

アディダスは2024年までに全ての製品のポリエステルをリサイクルポリエステルに移行する。アディダス製品に使われているプラスチックのうち、どれだけポリエステルが使われているのかは分からないが、一般的にスポーツウェア・シューズの多くがポリエステルで構成されている。

2021年には全製品の60%以上がリサイクルポリエステルに移行していることから、2024年までにこの比率を100%に上げることは非現実的な話ではない。

現在、アディダスが使うプラスチックにはリサイクル素材が40%以上使用されている「プライムブルー」と、100%リサイクル素材だけで作られる「プライムグリーン」がある。

プライムブルーは海洋プラスチックごみをリサイクルして作られるが、バージンプラスチックとリサイクルプラスチックのミックスであり、100%リサイクル素材ではない。

つまり、アディダスの目標である「2024年までに全てのプラスチックをリサイクル素材へ切り替える」は、通常のプラスチックとプライムブルーをプライムグリーンに切り替えることで達成される。

現状のプライムブルーでは100%リサイクル素材への切り替えは達成できないし、そもそも海洋プラスチックごみの調達や品質が安定しないことから、今後プライムブルーは消えていくものと考えられる。

皮革でもサステナビリティを追求する

アディダスにとっての「サステナビリティ」は、プラスチックだけでなく動物性素材の使用を減らすことにもある。この動物性素材には皮革や毛皮が含まれる。

アディダスは全てのプラスチックをリサイクル素材にする以前の2018年にも、調達する全てのコットンを「サステナブルコットン」にしている。つまり、コットン、プラスチック、レザーと順を追って素材の切り替えを進めているのだ。

しかし、レザーはプラスチックのように回収する仕組みがなく社会の中で循環していない。だから、リサイクルレザーはリサイクルプラスチックほど一般的ではない。

そこで生まれたのがプライムグリーンを使ったスタンスミスだ。レザーをプラスチックに切り替える(合皮化する)ことで、動物性素材の使用を減らすのではなくその使用自体をなくしてしまった。

それから、アディダスはキノコ類の菌糸体(マイセリウム)を使ったマッシュルームレザー「マイロ」を発表している。このマイロを使ったスタンスミスが2022年にも発売される予定だ。

合皮化なくしてループシステムは拡大できない

しかし、プライムグリーンのスタンスミスを発表した2020年の段階では、アディダスによるマッシュルームレザーの開発はスタンスミスといったアイコンを全てマッシュルームレザーで供給するほどは進んでいなかった。

それに対して、リサイクル素材を使った合成皮革(プライムグリーン)は大量生産が可能であり、アディダス製品の製造原価を下げられる。つまり、合皮化はアディダスの掲げる三つのループ「リサイクル・ループ」「サーキュラー・ループ」「リジェネレーティブ・ループ」と、アディダスのビジネスの両方を拡大させる方法だったのだ。

三つのループの中で分かりにくいのがリジェネレーティブ・ループだが、リジェネレーションは本来「再生産」といった意味の言葉で、リサイクルやサーキュラーといったマイナスをゼロにする活動だけでなく、ゼロをプラスにするという意味で使われることが多くなった言葉だ。

アディダス製品の中ではマイロを使った製品がその例で、最先端の農業技術を使うとわずか二週間で成長する菌糸体の特性を「自然とのコラボレーション」としている。

天然皮革の生産量は少なくなる

国レベルで植物性タンパク質が推進されている。食肉の消費量が減れば皮革の生産量も減る。天然皮革離れの動きもある。したがって、天然皮革の生産量は少なくなる

国レベルで植物性タンパク質が推進されている

人口増加に合わせてこれまでのペースで食肉消費が増加すると、大量の家畜を飼養するための土地が必要になり、畜産に関わる温室効果ガスの排出や森林破壊といった環境問題にもつながる。

これらの問題を解決するために、カナダやEUは植物性タンパク質や植物ベースの食事開発に投資することを発表していて、それに追随するかたちで企業もこれらの開発に投資を始めている。

グーグルの共同創設者であるセルゲイ・ブリンが動物を殺さない「培養肉」の開発に資金提供をしたり、俳優のレオナルド・ディカプリオが植物由来の「人口肉」を製造・開発する企業に投資をしたりと、世界中で植物性タンパク質の話題は事欠かない。

食肉の消費量が減れば皮革の生産量も減る

服装に使われる皮革は食肉の副産物であり、植物性タンパク質の開発が進み食肉の消費量が減ればすべからくこれら皮革の生産量も減る。つまり、これまでの皮革消費は動物を余すことなく使っている点ではエコであった。

実際、皮を取るために動物を殺すことは禁止されていて、2000年代初頭に起きたBSE問題で牛肉の消費量が落ちたときは皮革の価格が高騰したといわれている。

食肉の副産物として生産される牛革を初めとする一般的な皮革に対して、食肉加工の副産物ではない皮革を「エキゾチックレザー」という。代表的なものではワニやヘビといった爬虫(はちゅう)類やダチョウなどの鳥類から取る皮革だ。

エキゾチックレザーはワシントン条約によってその輸出入が厳しく制限されているだけでなく、前述したように食肉加工の副産物ではないことから、その使用を廃止したブランドもある。例えば、2018年にはシャネルがエキゾチックレザー製品の廃止を宣言して話題になった。

天然皮革離れの動きもある

そもそも副産物としての皮革から作られた製品であっても、天然皮革を使った製品は使用しないという流れ(ある種のトレンド)もある。

近年は「動物福祉」という言葉が広く認知されてきているように、動物性素材(製品)に対して漠然とした嫌悪感を抱く人もいる。牛革などの一般的な皮革はエコなものであるが、その流通経路を無視して動物性素材(製品)を使わないと決めている人がいることは事実だ。

同時に合成皮革の技術が上がったことで、パッと見だけでは天然皮革と見分けができない質感を持っていたり、合成皮革の特長(雨に強いことや相対的に安いこと)を生かしてあえて合皮を選ぶという選択肢も出てきた。

天然皮革は二百万年前(旧石器時代)から食肉の副産物として使われている人類最古のリサイクル素材ともいえるが、現代に生きる人はその歴史の転換点に立っているのかもしれない。

マワハンガーはシルエットを中心に厳選した方が真価を発揮できる

マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ。ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える。マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある。したがって、マワハンガーはシルエットを中心に厳選した方が真価を発揮できる

マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ

マワハンガーはシャツ用だけでも商品が多い。エコノミックはシャツの種類を選ぶ。シルエットはシャツの種類を選ばない。したがって、マワハンガーのシルエットは汎用性があるハンガーだ

マワハンガーはシャツ用だけでも商品が多い

マワハンガーはマワ社(MAWA)が作っているハンガーの総称で、シンプルで機能的なことがハンガーとしての特徴だ。それから、用途別にさまざまな商品を展開していることがマワ社の特徴である。

マワ社はドイツの会社であり、日本ではMAWA Shop Japanがマワハンガーの正規輸入代理店となっている。そのMAWA Shop Japanで商品を見ても、シャツ・ブラウス用のハンガーだけで五種類の商品があることが分かる。

シャツ・ブラウス用の定番は「エコノミック」と「シルエット」であり、準定番の「ライト」と、限定的な「SHE」「HE」がある認識だ。

ライトは、ハンガーの形としては定番のエコノミックとシルエットをベースに、バーの厚さをエコノミックやシルエットの10.0mmから2.5mmまで薄くした「超スリムハンガー」である。

バーの厚さを薄くすればそれだけ省スペースにはなるが、従来のエコノミック、シルエットの10.0mmでも十分に省スペースであること、薄くした対価として服にハンガー跡が付きやすいことから、定番にはなり得ないと考える。

それから、SHEやHEはそれぞれ女性向けと男性向けにデザインされたハンガーで、機能性はエコノミックやシルエットと変わらないが、デザインに装飾性がありマワハンガーの特徴であるシンプルさに矛盾していること、使う人の性別を限定することから、限定的なものと考える。

エコノミックはシャツの種類を選ぶ

エコノミックはマワハンガーのアイコンとも言えるハンガーで、肩先の緩やかなカーブがデザインの特徴になっている。しかし、エコノミックの襟回りはフラットになっていて、エコノミックに襟付きシャツを掛けるとハンガーとしての役割を十分に発揮できない。

実際、エコノミックに襟付きシャツを掛けてもハンガーがシャツの襟を支えないことから、シャツの襟の形が崩れてきてしまう。

エコノミックは丸首シャツやニットにはデザインや機能がシックリくるが、使うシャツを選ぶことから汎用性があるとは言えない。

シルエットはシャツの種類を選ばない

シルエットはエコノミックの上位互換とも言えるハンガーだ。襟回りが立ち上がっているから襟付きシャツの襟を支えることができるし、実は丸首シャツやニットにも使える。

シルエットの襟回りの立ち上がりは局所的なもので、服のサイズに合ったハンガーサイズを選んでいれば、丸首シャツやニットの首回りの形を崩すことはない。

シルエットは襟回りが立ち上がっていて角張って見えるが、肩先の緩やかなカーブはエコノミックと変わらない。だから、エコノミックと同じように、シャツにハンガー跡が付くこともない。

しかも、シルエットはエコノミックより汎用性がありながら、価格はなぜかエコノミックよりも安い(2022年3月現在)。

サイズは36、41、45とあるが、ざっくり36は体の小さな人向け、45は体の大きな人向けであり、日本人の平均的な体形であれば41が男女ともに使えるサイズになるだろう。

シャツ用のマワハンガーはシャツにハンガー跡を付けないとは言っても、シャツよりもオーバーサイズのマワハンガーを使えば、シャツにハンガー跡を付けたりシャツの型崩れにもつながってしまう。

ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える

マワハンガーはシャツ以外にも使える。ジャケットにはボディーフォームが使える。パンツにはパンツシングルが使える。したがって、ジャケットやパンツにもマワハンガーは使える

マワハンガーはシャツ以外にも使える

マワハンガーにはシャツ・ブラウス用以外にも、ジャケット・スーツ・コート用、パンツ・スカート用、アクセサリー用とさまざまな用途に合った商品がある。

例えば、アクセサリー用としてはネクタイを16本掛けられる「ネクタイ」や、ベルトを4本掛けられる「ベルト」、汎用性があるフック状の「アクセサリー」など、いずれも省スペースでノンスリップなマワハンガーの特徴は共通している。

ジャケットにはボディーフォームが使える

ジャケットに使えるマワハンガーとしては、横から見たときに前に傾斜した立体的な作りになっている「ボディーフォーム」が最適だ。

ジャケットのような「洋服」は、曲線で裁断された生地を立体的に縫い合わせているから、服装としても立体的な作りになっている。だから、ハンガーも立体的な方が服装の持つ立体を生かすことができる。

「プレステージ」はボディーフォームとは違って直線的な作りのハンガーである。「オプティクローム」はボディーフォームと同じような立体的な作りではあるが、特殊コーティングを肩の部分にしかかけないことでクロームメッキを際立たせるデザイン性の高い商品である。

それから、シャツ用と同じく「SHE」「HE」は性別ごとにデザインしたもので、用途が限定的になってしまう。

パンツにはパンツシングルが使える

パンツを掛けるハンガーは、シンプルにパンツを一枚だけ掛ける「パンツシングル」がいい。掛けるだけなら二枚掛けられる「パンツダブル」もあり、こちらはより省スペースになるメリットがあるがデメリットもある。

パンツダブルは、一枚のパンツを取るためにパンツ二枚分の重さを持たなくてはならないので、実際に使っているとストレスになる。これは、ジャケットとパンツをセットで掛けられる類いのハンガーも同じだ。

「掛ける」ハンガー以外に「挟む」ハンガーもある。「ズボンツリ」「ウエスト」「スカートミニ(エル)」「クリップ」の四種類で、パンツにはスカートミニ(エル)以外の三種類が使える。

これら挟むハンガーの違いは、パンツのどこを挟むのかにある。ズボンツリは裾を挟むもので、一般的にパンツは裾よりも腰の方が重いため、裾を挟んで掛けることによって、パンツ自体の重さでしわが伸びる。

それに対して、腰を挟むのがウエストである。裾は二手に分かれているから挟むのが手間だが、ウエストならその手間は少なくなる。クリップはどちらにも使える汎用的なものだ。

しかし、そもそもパンツをハンガーに掛けるたびに「挟むこと」自体が手間だし、挟む力によってはパンツが落ちてしまうこともある。

マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある

「個」の機能では木製ハンガーに劣る。マワハンガーは個よりも全体で生きる。全体といっても最低限の厳選は必要だ。したがって、マワハンガーの真価は厳選による全体最適化にある

「個」の機能では木製ハンガーに劣る

マワハンガーには「省スペース」「ノンスリップ」といった機能的な特徴があるが、木製ハンガーの持つ「安定感」や「除湿性」はない。

マワハンガーは限られたスペースで効率的にその機能を発揮することを目的に作られていて、十分なスペースで木製ハンガーを使うことから得られる価値とは、同じ前提を共有していないため比べることができない。

ハンガーを掛けるスペースを小さくすることよりも、大きなスペースを使ってハンガーに服装を掛ける以上の機能(例えば、湿気を吸うことなど)を求めるなら、その最適解は木製ハンガーになる。

それから、マワハンガーは金属と樹脂で作られているから、木製ハンガー特有の木の匂いもないし、木製ハンガーが持つ高級感もない。

マワハンガーは個よりも全体で生きる

マワハンガーが生きるのは木製ハンガーを横に並べて比較したときではなく、ハンガーをマワハンガーでそろえたときである。

マワハンガー一本でも十分に省スペースではあるが、それが十本、二十本と増えていけばマワハンガーが節約するスペースの大きさはばかにならない。

それから、マワハンガーは複数本を並べたときにもきれいに並ぶよう作られているから、全体の見栄えも隙間なくピッチリと並べられてきれいに見える。

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全体といっても最低限の厳選は必要だ

しかし、いくらマワハンガーが省スペースだと言っても、マワ社の豊富な商品ラインナップから複数種類のマワハンガーを選んで使っていては、その機能を十分に発揮できない。

例えば、ボディーフォームは前に傾斜した立体的な形をしているから、ボディーフォームだけを並べれば問題はないが、ボディーフォームと直線的な形のシルエットをピッタリと並べることはできない。

それから、エコノミックとシルエットは襟回りがフラットか立ち上がっているかが異なるため、エコノミックとシルエットの両方を使っていると見え方にも統一感がなくなる。

服装はそれ自体に価値があって、ハンガーは服装を収納するための道具ではあるが、その道具を厳選しておくことが服装を厳選することにもなる。

あらかじめ決めておいたスペースとハンガーの数以上には服装を増やさないこと、そのような価値観に共感ができるなら、マワハンガーはそれを実現するために最適なハンガーである。

鎌倉シャツのイージーケアと衣類スチーマーは最高の組み合わせだ

鎌倉シャツのイージーケアは現代のクラシックである。衣類スチーマーは鎌倉シャツのイージーケアには十分すぎる。あらゆるコストを削減してクラシックを再現できる。したがって、鎌倉シャツのイージーケアと衣類スチーマーは最高の組み合わせだ

鎌倉シャツのイージーケアは現代のクラシックである

鎌倉シャツはクラシカルなシャツに強い。イージーケアでもクラシックである。特許があるからまねできない。したがって、鎌倉シャツのイージーケアは現代のクラシックである

鎌倉シャツはクラシカルなシャツに強い

鎌倉シャツは服装が分かる人をターゲットにしている。だから、クラシカルな服装を再現するためには抜かりがなく、鎌倉シャツが作るシャツはクラシックの本道である。

鎌倉シャツのモットーは「世界で活躍するビジネスパーソンをシャツで応援する」ことだ。鎌倉シャツは「世界で活躍するビジネスパーソン」を「洋装のルールを理解、実践してビジネスの場で活躍する人」としているから、鎌倉シャツのターゲットはクラシックを理解している人である。

それから、鎌倉シャツは1993年の創業から世界に唯一無二の最高のシャツ作りにまい進してきた会社で、「唯一無二のシャツ」の条件の一つに「素材」を上げている。

今でこそ鎌倉シャツはシャツ以外のアイテムも作っていて「ウール」や「カシミア」といった素材にも力を入れているが、鎌倉シャツの定番はコットンで作られたベーシックシャツであり、このことからもクラシカルなシャツ(=コットンで作られたシャツ)にこだわりがあることが分かる。

イージーケアでもクラシックである

クラシカルなシャツはコットンで作られる。このルールを壊してでも鎌倉シャツは現代の要請に答える必要があった。それでもクラシックにこだわる鎌倉シャツが作ったのが、見た目や着心地はコットンシャツと変わらない品質の(=クラシカルな)イージーケアシャツである。

鎌倉シャツは唯一無二の条件の二つ目に「縫製」を上げている。ベーシックシャツで証明された丁寧で立体的な縫製技術はイージーケアシャツでも変わらない。既製シャツではトップクラスの着心地が保証されている。

それから、鎌倉シャツのイージーケアシャツは唯一無二の条件三つ目である「挑戦」そのものでもある。こだわりの「素材」と熟練した「縫製」に新しい「挑戦」をして生まれたのが、鎌倉シャツのイージーケアシャツだ。

特許があるからまねできない

鎌倉シャツが「イージーケア(機能性)」と「クラシック(伝統)」というある種矛盾した条件を満たすために開発した素材(糸)は、特許が取れるほどの挑戦であった。

鎌倉シャツのイージーケアシャツには「パルパープレミアム」という糸が使われている。このパルパープレミアムは2019年に特許を取得していて、鎌倉シャツ以外の会社は使うことができない。

パルパープレミアムを使った生地の最大の特徴は、イージーケアシャツの目的である洗濯後の形状安定性である。一般的に、シャツに形状安定性を持たせるためには素材にポリエステルを使ったり生地に薬品処理をするといった方法が考えられるが、これらの方法では見た目や着心地が犠牲になりやすい。

それに対して、パルパープレミアムは「芯」となる再生ポリエステルにコットンを巻き付けて作られる「糸」であり、パルパープレミアムの表面はコットンである。だから、パルパープレミアムから織られた生地で作られるシャツは、見た目や着心地がコットンで作られるシャツと変わらない。

衣類スチーマーは鎌倉シャツのイージーケアには十分すぎる

衣類スチーマーの目的は「時短」である。ベーシックシャツでもしわが取れる。鎌倉シャツのイージーケアは形状安定性が高い。したがって、衣類スチーマーは鎌倉シャツのイージーケアには十分すぎる

衣類スチーマーの目的は「時短」である

そもそも衣類スチーマーの目的は「しっかりしわを取ること」ではなく、「しわを取る時間を節約すること」にある。だから、新品のようにのり付けされたシャツを着たいなら、時間をかけてアイロンがけをするかクリーニングに出すべきだ。

衣類スチーマーではしわが取れないという人がいるが、それは「しわ取り」に求める基準が高く、「しわを取ること」を重視しているからだ。衣類スチーマーはアイロン台を使ったプレスよりもしわが取れないことは事実だが、しわが取れること自体は事実である。

近年、衣類スチーマーがアイロンに代わって普及してきた背景には、洗濯後にハンガーを使って干した衣類に対して、そのままの状態でしわ取りができることの価値が認められてきたからだ。

衣類スチーマーの性能が上がったとはいっても、アイロンでプレスするようにしわが取れることはない。しかし、それ以上にアイロン台を準備する手間やハンガーからの掛け外しといった手間を省けることが人気の理由である。

ベーシックシャツでもしわが取れる

衣類スチーマーは「しわがないこと」を重視する人には向かないが、「しわがないこと」よりも時短を重視する人だったら、形状安定性のない鎌倉シャツのベーシックシャツにも使える。

2022年2月現在、パナソニックの衣類スチーマーの上位モデルである「NI-FS770」を使っているが、鎌倉シャツのベーシックシャツでも外に着ていけるレベルまでのしわ取りができている。

アイロンとアイロン台を使ってプレスしたときよりもしわが取れていないことは事実だが、衣類スチーマーでしわ取りをしただけでも外に着ていける(左がベーシックシャツで右がイージーケアシャツ)。

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鎌倉シャツのイージーケアは形状安定性が高い

シャツの形状安定性は、アパレル製品等品質性能対策協議会が定める基準の通称「ウォッシュ&ウェア性」によって1.0級から5.0級までで評価できる。鎌倉シャツのイージーケアシャツはこのウォッシュ&ウェア性で3.5級を獲得している。

世の中で「形状安定シャツ」として売られているシャツは、ウォッシュ&ウェア性で3.2級以上を獲得している。だから、鎌倉シャツのイージーケアシャツが獲得している3.5級は、形状安定シャツの基準値よりも形状安定性が高い。

ウォッシュ&ウェア性が3.2級のシャツで洗濯後のしわカット率が50%、4.0級のシャツでは90%とされている。だから、イージーケアシャツ(3.5級)のしわカット率は70%前後といったところだろう。実際は衣類スチーマーを使わなくても、洗濯後にしわを伸ばして干せばそのまま外に着ていけるくらいの性能はある。

あらゆるコストを削減してクラシックを再現できる

衣類スチーマーはランニングコストがかからない。イージーケアの付加価値コストがあまりにも低い。イージーケアは既製シャツでトップクラスにクラシックだ。したがって、あらゆるコストを削減してクラシックを再現できる

衣類スチーマーはランニングコストがかからない

衣類スチーマーにかかるコストは最初に買うときのイニシャルコストを除くと、スチームのための水道代や動かすための電気代くらいで、ランニングコストはほとんどかからない。

それに対して、シャツをクリーニングに出せばクリーニング代がかかるし、クリーニング屋への往復時間もかかる。時間という観点ではアイロンがけも衣類スチーマーより高コストだ。

それから、アイロンにはアイロン台が必要だから、アイロンとアイロン台を置くスペースが必要になる。衣類スチーマーにはアイロン台が必要ないから、衣類スチーマーを置くスペースだけでいいこともコスト削減になっている。

イージーケアの付加価値コストがあまりにも低い

鎌倉シャツのイージーケアシャツは、クラシックなベーシックシャツの見た目や着心地はそのままに、洗濯にかかる手間を最小化できる価値を付加したものだ。それにもかかわらず、その付加価値にかかるコストが低い。

鎌倉シャツのベーシックシャツは5,900円とそれだけでもリーズナブルだが、イージーケアシャツの6,900円は付加価値コストをわずか1,000円に抑えている。

しかも、鎌倉シャツではふるさと納税を使った寄付でギフトカードがもらえる。還元率は30%に固定されているが、100,000円を寄付すれば30,000円分のギフトカードがもらえるから、実質負担は2,000円でイージーケアシャツを四枚買うといったことができる。

イージーケアは既製シャツでトップクラスにクラシックだ

何度でも言うが、鎌倉シャツが作るシャツはベーシックもイージーケアもクラシックの本道であり、既製シャツではトップクラスにクラシカルなシャツだ。そして、イージーケアシャツはベーシックシャツから見た目や着心地は変わらない。素材にコットンではなくパルパープレミアムを使っているという事実と、1,000円の価格アップだけがベーシックシャツから変わる点だ。

例えば、シャツは下着であるという前提から胸ポケットを付けないことや「裏前立て」「背ダーツ」といった作りは、こだわりを持ってオーダーシャツを作るときに考える仕立てで、鎌倉シャツ以外の既製シャツで当然のように備えているものは非常に少ない。

鎌倉シャツのイージーケアシャツが「イージー」なのは手間(ケア)だけで、それ以外はオーダーシャツに近い水準にクラシカルで丁寧かつ立体的に作られている。安い形状安定シャツならいくらでもあるが、低価格と高品質を両立した形状安定シャツは鎌倉シャツのイージーケアシャツだけだ。

オムロンコネクトのせいで体重計も体温計もオムロンにしたくなる

オムロンコネクトはスマホで健康を管理できる。体重と体温は体づくりのバロメーターである。オムロンは体重計と体温計のスマホ対応に最適である。したがって、オムロンコネクトのせいで体重計も体温計もオムロンにしたくなる

オムロンコネクトはスマホで健康を管理できる

オムロンコネクト対応機器で健康データを測定する。オムロンコネクトで測定データをスマホへ転送する。オムロンコネクトやヘルスケアで転送データを見る。したがって、オムロンコネクトはスマホで健康を管理できる

オムロンコネクト対応機器で健康データを測定する

オムロンコネクトはスマホで体重や体温といった健康データを管理するためのアプリだが、そもそもオムロンコネクトに対応していない体重計や体温計では、スマホでこれらの健康データを管理することはできない。

オムロンの健康機器にはオムロンコネクトに対応しているものと対応していないものがあり、オムロンコネクト非対応のものはスタンドアローンでは使えるが、体重や体温を「データ」として活用することはできない。

2021年1月現在、オムロンコネクト対応の健康機器には「血圧計」「体重体組成計」「活動量計」「体温計」「パルスオキシメータ」の五種類がある。

ところで、オムロンは人の「血圧」や「体重」「体温」といった健康データを測定するために、家庭用と医療用の健康機器を作っている会社だ。

オムロンは家庭用健康機器のイメージが強いが、制御機器とFAシステム事業や電子部品事業など、その事業内容は多岐にわたっている。

それから、オムロンは事業ごとのカンパニー制(一部は別会社)を導入していて、健康機器に関わる事業はオムロン株式会社の完全子会社である「オムロンヘルスケア株式会社」が行っている。

オムロンコネクトで測定データをスマホへ転送する

オムロンコネクト対応機器で測定したデータは、オムロンコネクトでしかスマホに転送することができない。だから、測定データの転送にはオムロンコネクトを使わなくてはならない。

家庭用の健康機器でオムロンに競合するタニタも、オムロンと同じくスマホで健康データを管理する仕組み(「ヘルスプラネット」というアプリ)を持っている。しかし、タニタのヘルスプラネット対応機器で測定したデータも、ヘルスプラネットでしかスマホに転送することができない。

この傾向は各社同じで、ある健康機器で測定したデータは、その健康機器を作っている会社のアプリでしかスマホへ転送することができない。

オムロンコネクトやヘルスケアで転送データを見る

測定したデータを一度スマホに転送してしまえば、転送したデータはオムロンコネクト以外のアプリでも見られる。例えば、iOS標準アプリ「ヘルスケア」だ。

ヘルスケアはデータソースにヘルスケア以外のアプリを選択できるため、データソースにオムロンコネクトを選択しておけば、オムロンコネクトに転送したデータがヘルスケアにも連携される。

オムロンコネクト対応機器で測定したデータは、対応機器→(オムロンコネクト)→オムロンコネクト→(ヘルスケア)→ヘルスケアといった流れで連携される。()は連携するために使われるアプリである。

オムロンコネクトでもヘルスケアでも、最新の健康データをダッシュボードに表示させたり、健康データの推移をグラフで表示させることができる。

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体重と体温は体づくりのバロメーターである

体重が分からないと増量も減量も分からない。体温が分からないと減量の停滞が分からない。体脂肪率は「目安」として分かった方がいい。したがって、体重と体温は体づくりのバロメーターである

体重が分からないと増量も減量も分からない

筋肉を付けて体を大きくしたいなら体重が増えていなければならないし、体脂肪を落としてムダのない体にしたいなら体重が減っていなければならない。だから、体重は筋肉や体脂肪の増減を見る最も簡単なバロメーターである。

体重という「数値」だけを気にしていても、目標の体に近づいているかは分からないが、それでも体重が減っているときに筋肉は付かないし、体重が増えているときに体脂肪は落ちない。

体重が増えた(減った)からといって、筋肉が増えた(減った)のか、体脂肪が増えた(減った)のかは分からない。しかし、自分で見て目標の体に近づいているか分からないときは、体重の増減を信じて体づくりを進めるかしかない。

体温が分からないと減量の停滞が分からない

人の体はよくできていて、体重を減らすための食事制限をしていると、基礎代謝を下げて消費カロリーを摂取カロリーに合わせようとする。しかし、これでは体重を減らすことができない。だから、基礎代謝の低下を体温の変化で確認する。

基礎代謝の変化と相関する体温の変化を見ることで、体重が減らない原因を明らかにできる。本来は基礎代謝が下がらないような減量ペースが理想的だが、基礎代謝が下がってしまったときは炭水化物を多めに取る「チートデイ」を検討する。

体重を減らすときは消費カロリーが摂取カロリーよりも多くなくてはならない。消費カロリーは筋肉の量で決まる「基礎代謝」と、運動の量で決まる「運動係数」の積で計算する。

厚生労働省は「体温が1℃上昇するごとに代謝量は13%増加する」としていて、このことから体温と基礎代謝の関係が大きいことが分かる。1

ところで、体重を減らすときに摂取カロリーを減らすのではなく消費カロリーを増すことでも体重減少を実現できる。実際、減量期に有酸素運動を取り入れる人は多い。

しかし、運動を増やして消費カロリーを増やすことには限界があるため、どうしても摂取カロリーを減らす方向に動かなくてはならなくなるだろう。

体脂肪率は「目安」として分かった方がいい

最近の体重計には「体脂肪率」といった体の組成が測定できるものも多い。体脂肪率は筋肉や体脂肪の増減を見るバロメーターになりそうなものだが、その精度は体重ほど高くないため目安にとどめるべきだ。

オムロンやタニタといった技術力のある会社が作る体重計(体組成計)であっても、体脂肪率は計算による推測の域を出ない。しかも、この計算に使われるデータが会社ごとに異なるため、各社の体重計で測定した体脂肪率には差がある。

実際、オムロンは他社の体重計で測定した体脂肪率よりも5%ほど高く測定される傾向がある。このことからも、体脂肪率は絶対的なものではないことが分かる。

しかし、一人の人間が同じ体重計で体脂肪率を測定し続ける場合、その推移はどの会社の体重計でも同じような推移(増減率)になる。だから、自分の健康データの推移を追うときは体づくりのバロメーターになり得る。

オムロンは体重計と体温計のスマホ対応に最適である

健康データを管理するアプリは一つだけでいい。オムロンだけがスマホ対応の体重計と体温計を作っている。したがって、オムロンは体重計と体温計のスマホ対応に最適である

健康データを管理するアプリは一つだけでいい

スマホ対応の健康機器で測定したデータを転送するためには、その健康機器を作っている会社のスマホアプリが必要だ。だから、使っている健康機器が複数あるときにそれらが別会社の健康機器だと、データを転送するために二つ以上のアプリを立ち上げなくてはならず面倒だ。

実際、1byoneという会社の体重計だけを使っていたときは、1byone Healthというアプリだけを使っていた。しかし、オムロンコネクト対応の体温計を使い始めたことで、1byone Healthとオムロンコネクトの二つを使わなくてはならなくなった。

1byone Healthでもオムロンコネクトでも、一度スマホにデータを転送してしまえば、別会社の機器で測定した体重と体温もまとめてヘルスケアで見られるから問題はない。

しかし、健康データは毎日測定と転送を行うからこそ、小さなストレスが積み上がっていき大きなストレスになる。今はデータの転送をオムロンコネクトに集約できているから、オムロンコネクトだけで健康管理が完結している。

オムロンだけがスマホ対応の体重計と体温計を作っている

それではスマホ対応の体重計と体温計を同じ会社にそろえればいいのだが、現状ではこの二つを作っているのはオムロンだけである。だから、体重と体温をスマホで楽に管理したいときはオムロン以外の選択肢がない。

例えば、オムロンの競合で取り扱う健康機器が多いタニタであっても、ヘルスプラネット(オムロンコネクトに相当)対応の機器は「体組成計」「活動量計・歩数計」「血圧計」の三種類しかない。

特に、スマホ対応の体重計(体組成計)は1byoneといった安価な機器も多いが、スマホ対応の体温計は婦人用に限定したものが多く、男女兼用の一般的な体温計は少ない。

オムロンにはオムロンコネクト対応の体温計として、婦人用電子体温計「MC-652LC」と、(男女兼用)体温計「MC-6800B」がある。

電子体温計には「実測式」と「予測式」があるが、実測式はわきでの測定に約10分の時間が必要である。MC-6800Bは約15秒で約10分後の体温を予測する予測式の体温計だが、予測測定後も測定を続けると、自動的に実測式に切り替わり実測測定もできる。

英会話にフレーズ暗記は通用しない。発音と英作文の勉強をしよう

英会話がフレーズ暗記で完結するなら人はいらない。また、しっかり発音できると会話が楽しく伸びも早くなる。そして、フレーズ暗記をやらないなら英作文をやるしかない。したがって、英会話にフレーズ暗記は通用しない。発音と英作文の勉強をしよう

英会話がフレーズ暗記で完結するなら人はいらない

フレーズ暗記は英語の表現が決まっている。表現が決まっているならロボットもできる。ロボットができるなら人が話す必要はない。よって、英会話がフレーズ暗記で完結するなら人はいらない

フレーズ暗記は英語の表現が決まっている

英語のフレーズ暗記とは、フレーズ(「言い回し」や「慣用句」といった表現)を暗記して実際の英会話で使う技術だ。しかし、残念ながら人が暗記できるフレーズは有限である。だから、フレーズ暗記で使う表現には広がりがない。

例えば、"I'm going"を使った表現を考えると、副詞"home"を使って"I'm going home.(=家に帰る。)"ができる。それから、不定詞"to put on shoes"を使って"I'm going to put on shoes.(=靴を履く。)"もできる。これらの表現をひとつずつ「暗記」して英会話で使うにはムリがある。

それでは、"I'm going"だけをフレーズ暗記して、副詞や不定詞を組み合わせて表現ができるようにすればいいと考えるかもしれない。しかし、"I'm going home."と"I'm going to put on shoes."で使われる"I'm going"をどうやって覚えるのか?

動詞"go"には「ある場所から離れる」「進行する」「ある場所に向かう」といった意味がある。そして、主語が「自分」の現在進行形だから、"I'm going home."は"home"に「向かっている」、"I'm going to put on shoes."は"to put on shoes"を「進行している」となる。

つまり、結局のところフレーズ暗記も単語や文法構造の理解をしなければ本質の理解ができない。本質を理解しなければ覚えることもできない。フレーズ暗記は本質を理解するまでの表面をなぞっているにすぎないのだ。

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表現が決まっているならロボットもできる

それから、もしフレーズ暗記の有限で限定的な表現だけで会話ができるなら、表現同士の対応を定義すればロボット(機械学習ができるAIを一般化したもの)だけで会話ができることになる。

現在すでにチャットボットといったロボットが人との会話に使われている。チャットボットの仕組みはまさに有限で限定的な表現同士の対応を定義したものからできている。

ロボットが新しい表現を学ぶとその表現がどのような表現に対応したものなのかという情報といっしょに、その表現を自分の表現データベースへ格納する。

それでは、我々がチャットボットといったロボットと会話していて感じる違和感はどこから来るのか?ひとつはロボットの表現データベースが貧弱であることが理由だ。データベースの大きさは表現の広がりと比例するから、データベースが貧弱だと表現の広がりもない。

しかし、データベースをどれだけ強化しても違和感は残るであろうことが個人的な見立てだ。会話で使う表現は有限ではないし表現同士が一対一に対応するものではないからだ。

ロボットができるなら人が話す必要はない

しかも、ロボットにできることはロボットにやらせる流れが人類の歴史から分かる。つまり、ロボットだけで完璧な会話ができるなら人が話す必要はなくなる。

世界中の製造現場では多くの作業が自動化(機械化)されている。自動化することで我々の生活がより豊かになるからだ。

会話のなかでもエネルギーが必要な母国語以外を使った会話は、会話ができるロボットの登場ですぐさま置き換えられるだろう。今でも学ぶことに貪欲ではない人は、海外出張になると高額な翻訳機を買ってきてどうにかしようとする始末だ。

つまり、フレーズ暗記が本当に有効な技術なら、我々の未来には母国語では人間同士が会話して、母国語以外ではロボット同士が会話するディストピア(?)が待っていることになる。

しっかり発音できると会話が楽しく伸びも早くなる

発音には正解があるから白黒つけやすい。正しく発音できるとリスニングが分かる。発音できなければリズムは身に付かない。よって、しっかり発音できると会話が楽しく伸びも早くなる

発音には正解があるから白黒つけやすい

英語の発音記号は母音と子音を合わせて40個前後ある。「前後」と数が曖昧なのは、アメリカに音声記号(発音記号)の専門機関がなく、学者ごとに定義の違いがあるためだ。それでも、発音の仕方は有限個であり正解もある。

例えば、"think"を発音記号で表すとθíŋkになる。"sink"はsíŋkだ。つまり、"think"と"sink"の発音の違いは子音"th"と"s"の違いで、それぞれに正しい発音方法がある。

フレーズ暗記が使えない理由は、英会話で使う表現は無限にありすべてを暗記できないからだ。しかし、発音記号は有限個しかないのだから、暗記することに意味が見いだせそうだ。

40種類の発音記号は一見すると膨大な数に思える。しかし、実際は義務教育で少なからず英語に触れてきた日本人にとって、発音記号はゼロからの学びではない。

正しく発音できるとリスニングが分かる

英語のリスニングが分からない原因のひとつは英語の発音を知らないことだ。単語は知っていてもその単語の発音を知らないとリスニングはできない。

例えば、TOEICのリスニングでスコアを上げたいとき、TOEICのリスニング教材だけを学習してもリスニング教材に登場した表現しか分からない。表現は知っていても発音と結びついていないために聞き取れないことがある。

発音を学んでいれば表現としては知っているがリスニング教材では学んでいない表現でも、聞き取れる可能性を上げることができる。だから、リスニング教材と発音の両方とも学べることが一番だが、どちらかしかできないなら発音を学んだほうが効率的だ。

発音できなければリズムは身に付かない

英語を話すリズムは、各単語を正しく発音できているから生まれるものだ。逆に、単語のレベルで正しい発音ができなければ英語をリズムよく話すことはできない。

英語の単語レベルで正しく発音ができていない人で、英語をリズムよく話せる人は見たことがない。日本人にとって英語は母国語ではないから、日本人には日本語の発音に由来したクセが出やすい。100%正しいとは言わないまでも、90%以上の正しさで各単語を発音できるだけで英語が相手に伝わる可能性は上がる。

英語の発音で90%以上の正しさを目指すなら、「英語耳」で発音の基礎を学んでおけば十分だ。それだけで少なくとも発音を褒められることが増えるだろう。それだけ日本人は英語の発音を学んでいないのだ。

フレーズ暗記をやらないなら英作文をやるしかない

会話の手法は暗記か作文どちらかだけだ。日本語会話だって日本語で作文している。英作文ができると伝えたいことが伝わる。よって、フレーズ暗記をやらないなら英作文をやるしかない

会話の手法は暗記か作文どちらかだけだ

会話の手法は「暗記」と「暗記以外」に分けられる。それでは、暗記以外とは何か?暗記以外は暗記しないで自分で考えるのだから「作文」になる。つまり、会話は決まった表現だけで話すか、その場で会話の流れに沿った表現を作って話すかのどちらかだ。

例えば、会社で同僚から「おはよう」と声を掛けられたとき、「おはよう」というあいさつには「おはよう」と返すと会話になると考えて「おはよう」と返すか、前日にその同僚が会社を休んでいたことを思いだして「おはよう。体調は?」と返すのでは違う。

そして、この例では体調を気遣ってくれる同僚(=自分)という以上に、あいさつを返された同僚の感じ方も変わってくる。これは機械的なあいさつしかしない会社の同僚に感じる無力感と同じだ。

日本語会話だって日本語で作文している

日本語と英語では言語のコンテクストレベルが異なる。それでも我々は日本語を話すときに細かな表現を微調整しながら作文をして日本語を話している。日本人が日本語を話すときは作文を意識することが少ないが、かぎりなく無意識に近くても作文はしている。

前日に会社を休んでいた同僚に「おはよう。体調は?」とあいさつを返すときも、「おはよう」とあいさつされた状況とその同僚が前日に会社を休んでいた事実をトリガーにして定型表現をアウトプットしているわけではないのだ。

むしろトリガー条件とトリガーに起因したアクションを決めて覚えるほうが難しい。ロボットはトリガーとアクションがないと会話はできないが、人間はロボットと同じではない。

英作文ができると伝えたいことが伝わる

暗記した表現だけを使うのと稚拙でも作文した表現を使って話すのとでは、その表現を受けた相手の感じ方は異なる。作文には感情が乗りやすく、自然と強調したい言葉にはストレスが置かれるからだ。

フレーズ暗記は英会話に対応するためのいわば応急処置だ。フレーズ暗記で学んだことがまったくのムダになるわけではないが、応急処置だけで一生を過ごすことはできない。英語を話せるようになるには英作文ができなければならない。

英会話で使える英作文を学びたいなら「瞬間英作文」から始めるといい。難しい単語や複雑な文法を使う必要はまったくない。ただ、自分で考えたことを英語で相手に伝えればいいだけで、そのもっとも簡単な方法が瞬間英作文である。

モンベルのパーマフロストダウンパーカはアクティブ派が買うべき

パーマフロストダウンパーカはコスパ最強の防寒着だ。また、アクティブ派にオーバースペックはオーバーではない。そして、インドアメインだとオーバースペックなことは事実だ。したがって、モンベルのパーマフロストダウンパーカはアクティブ派が買うべき

パーマフロストダウンパーカはコスパ最強の防寒着だ

モンベルは実用性を重視した服装をつくる。防寒性能は価格の差で妥協してはいけない。パーマフロストダウンパーカは妥協しない。よって、パーマフロストダウンパーカはコスパ最強の防寒着だ

モンベルは実用性を重視した服装をつくる

モンベルのコンセプトは"Function is Beauty"と"Light & Fast"である。日本語では「機能美」「軽量と迅速」だ。これらの言葉から分かるように、モンベルのモノづくりは実用性にステータスを振っている。

モンベル創業者の辰野勇自身が日本のトップクライマーだ。だから、モンベルは登山などのアクティビィティで本当に「使える」アウトドア用品をつくるために創業されたといえる。

アウトドアブランドのなかには、本格的なアウトドア用品をつくるブランドと、それらを模倣したファッションとしてのアウトドア用品をつくるブランドがある。モンベルは間違いなく前者に分類されるブランドだ。

アウトドア用品の優劣は技術の差で比べられることが多い。この技術という点でも、モンベルは最先端の素材を使ったり独自の技術を開発することで、アウトドア用品全体のバリューアップに貢献してきた。

防寒性能は価格の差で妥協してはいけない

ダウンジャケットのようなアウターは重ね着をする服装ではない。体温が上がったときはアウターを脱げば済むが、体温が下がったときに持ち歩いている以上の服装を着ることはできない。つまり、「防寒」が目的のアウターに妥協はない。

防寒アウターの価格にはふたつのプレミアムが乗っている。ひとつは「防寒性能」であり、もうひとつが「ブランドライセンス料金」だ。後者のウェイトが大きい一部のブランドを除けば、防寒アウターの価格は防寒性能と比例している。

たとえば、モンベルの「パーマフロストダウンパーカ」は、ユニクロの「ウルトラライトダウン」の五倍の価格だ。当然この価格差と同じように、防寒性能が五倍になるわけではない。

しかし、パーマフロストダウンパーカには、ウルトラライトダウンでは再現できない防寒性能がある。そして、その性能差を価格面で妥協してしまうと、対「寒さ」の点でリカバリーすることができなくなる。

パーマフロストダウンパーカは妥協しない

モンベルのダウンジャケットのなかでも、パーマフロストダウンパーカは最高ランクに近い「保温性」を持っている。街着としても使えるダウンジャケットでは、もっとも高い保温性だ。

モンベルのダウンジャケットの保温性は、「ポーラーダウン」「ベンティスカダウン」の順番で高い。しかし、ふたつとも登山向けのデザインになっている。ポーラーダウン、ベンティスカダウンの次に保温性が高いのが、パーマフロストダウンパーカになる。

パーマフロストダウンパーカもモコモコと厚みがあるが、フードのデザインが控え気味で街着としても着られる。

生地の構造は上位モデルと同じ「ボックス構造」になっている。ダウン入り生地の表地と裏地を一定間隔で縫い合わせる「シングルキルト構造」とは異なり、ダウン入りの箱をつなぎ合わせて生地をつくるイメージだ。

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アクティブ派にオーバースペックはオーバーではない

オーバースペック議論には上限がある。アクティブ派は上限がないことも多い。ゆえに、アクティブ派にオーバースペックはオーバーではない

オーバースペック議論には上限がある

そもそも何かがオーバースペックであるという主張には、オーバーする「スペック」という名の「枠組み(上限と下限)」が前提にある。つまり、基準となる枠組みがなければ、オーバースペック議論はできない。

「この車の性能は公道ではオーバースペックである」という主張には、公道には速度や道路幅といった制限があることを前提にしている。この前提が誰でも知っていることであればあるほど、この主張の説得力が上がる。

しかし、この主張を制限速度や道路幅が日本とはまったく異なる地域に住む人が聞けば、前提となる枠組みも異なるために主張の確からしさは下がってしまう。

アクティブ派は上限がないことも多い

冬場は車や公共交通機関でしか移動せず、その移動範囲が都心部に集中している人には、アクティブ派の寒さの上限が分かりにくい。雪山を登山する純粋なアクティブ派でなくても、寒さの上限は簡単に上がる。

たとえば、冬場にバイクや自転車を運転する人は、体の正面から冬の冷たい風を受ける。だから、ダウンジャケットには保温性だけでなく、表地から風を通さない「防風性」も必要だ。

防風性がなければ、たとえ保温性に優れたダウンジャケットであっても、すぐに体温は下がってしまう。少しでも屋外アクティビティで使うことを想定するなら、「街着」でのスペックだけで防寒着を選んではいけない。

インドアメインだとオーバースペックなことは事実だ

ダウンの品質が登山用レベルに高い。ウインドストッパーが風を通さない。マフラーなしで首周りが温められる。よって、インドアメインだとオーバースペックなことは事実だ

ダウンの品質が登山用レベルに高い

パーマフロストダウンパーカの保温性は、モンベルのダウンジャケットのなかでは三番目に高い。そして、パーマフロストダウンパーカより保温性が高いポーラーダウンとベンティスカダウンは、雪山登山でも使えるレベルだ。つまり、パーマフロストダウンパーカは雪山登山用途に匹敵する保温性があるということだ。

ダウンジャケットの保温性を測る指標のひとつに「フィルパワー(FP)」がある。ダウンとは「ダウンフェザー(羽毛)」のことだが、羽毛1オンスあたりの体積をフィルパワーで表す。つまり、フィルパワーが高いほど羽毛の嵩が高く、品質の高いダウンとされる。

フィルパワーによる羽毛の品質には基準があり、600〜700FPは良質、700FP〜は高品質とされる。モンベルは高品質のなかでもとくにフィルパワーが高い800FP以上の羽毛を、「EXダウン」と呼んでいる。

パーマフロストダウンパーカで使う羽毛は800FPであり、ポーラーダウンやベンティスカダウンと同じである。モンベルには900〜1000FPの羽毛を使ったダウンジャケットもあるが、保温性はパーマフロストダウンパーカよりも低い。

フィルパワーは羽毛単位での品質を表している。すなわち、保温性との相関はあるが、ジャケットとしての保温性をフィルパワーだけで議論できるわけではない。

具体的には、フィルパワーが高いダウンジャケットでは、使用する羽毛の量を減らして保温性を上げることができる。だから、モンベルにおける900〜1000FPのダウンジャケットは、軽量な中間着として設計される傾向がある。

これがパーマフロストダウンパーカよりもフィルパワーが高い羽毛を使ったダウンジャケットの保温性が、パーマフロストダウンパーカよりも低い理由だ。

ウインドストッパーが風を通さない

パーマフロストダウンパーカは、表地に「ゴアテックス インフィニアム ウインドストッパー」を使っている。この素材の特徴は、高い「防風性」と「透湿性」にある。

高い「防風性」「透湿性」とは、外部から内部への風は通さないが、内部で発生した汗(水蒸気)は外部へ排出する仕組みだ。つまり、風が強く気温の低い天候でも、アクティブに過ごせるのがウリになる。

しかし、実際には暖房の効いた屋内で暑いと感じる状況になると、その暑さを外部へ逃すほどの透湿性はない。あくまでも悪天候の屋外アクティビティを想定しているため当然だ。

一方、防風性の高さはホンモノで、本当に防風性が高いからこそ屋内では風を取り入れられず、暑いと感じてしまう。

それから、撥水加工もされているため、多少の雨なら生地に染み込まずに防げてしまう。ゴアテックスといえば「防水性」なので、ゴアテックスの防水性を撥水性に買えた素材がインフィニアムだといえる。

マフラーなしで首周りが温められる

マフラーをすると体が温まるのは、首の皮膚表面近くに動脈が通っているためだといわれる。パーマフロストダウンパーカは、しっかりと羽毛の入った高い襟が付いていて、この襟がマフラーの代わりになる。さらには、高い襟のおかげで風がジャケット内部へ侵入するのを防いでくれる。

ダウンジャケットの暖かさのキモは、ジャケットと下着の間にできる「空気の層」だ。この空気の層が冷えれば、ダウンジャケットの性能は最大限に発揮できない。

ダウンジャケットがつくる空気の層を冷えさせない機能が「防風性」である。街中を歩いたりしているかぎりは、よほどの強風でないかぎり、ダウンジャケット内部の空気の層が冷えることはない。

しかし、バイクに乗ったりと正面から風を受ける環境では、防風性が低かったり隙間があると、ダウンジャケットに風が侵入してすぐに空気の層は冷えてしまう。

東京の冬場の気温であれば、パーマフロストダウンパーカと下着と中間着が一着ずつで冬場のバイクを乗り切れる。少し寒いと感じれば、中間着を増やせば十分に暖かい。

一方、襟はマフラーのように取り外せないため、暑いと感じても体温を調節することが難しい。襟を開いても、シャツのように首に沿わせるかたちで襟が存在しているため、外部から風を取り入れることができない。