ユニクロのスキニーフィットチノに非の打ち所はないが限界はある

スキニーフィットチノは最強の黒スキニーになる。定番アイテムこそユニクロで買うべきである。ユニクロの「黒」は定期的な買い換えが必要だ。したがって、ユニクロのスキニーフィットチノに非の打ち所はないが限界はある

スキニーフィットチノは最強の黒スキニーになる

スキニーフィットチノは本当にスキニーである。スキニーの弱点は2WAYストレッチでカバーする。ユニクロの2,990円には2,990円を超える価値がある。したがって、スキニーフィットチノは最強の黒スキニーになる

スキニーフィットチノは本当にスキニーである

ユニクロのスキニーフィットチノは細身で高い位置からのテーパードになっているため、とても「スキニーパンツ」らしいシルエットの商品だ。

ユニクロのチノパンにはこのスキニーフィット以外に「レギュラーフィット」と「スリムフィット」があるが、レギュラーフィットチノは(トレンドは別にして)細身のパンツが主流の中ではやぼったい。

スリムフィットチノは細身ではあるものの膝下はストレートであり、レギュラーフィットチノを細くしただけのシルエットでスキニーとはほど遠い。

ユニクロがチノパンにこれら三種類のシルエットを用意していることからも、ユニクロの中でスキニーフィットチノがスキニーパンツであることを明確に示している。

スキニーの弱点は2WAYストレッチでカバーする

スキニーパンツの弱点は履いたときの膝回りの窮屈さであるが、スキニーフィットチノはユニクロ得意のストレッチ素材を使うことでタテヨコに伸縮性(2WAYストレッチ)があり、そのシルエットに反してあまり窮屈に感じない。

ユニクロは現代の消費者が服装(特に、カジュアルウェア)に求めるものを理解している。その中の一つに「着心地の良さ」があり、どれだけデザインや価格で他社より優れていても、着心地が良くなければ消費者からは選ばれないことを分かっている。

30年前のジーンズはコットンだけで作られていて、長く履いて体になじませることが一般的であったかもしれない。しかし、長く履くことで起こる変化を「エイジング」や「味が出る」と意味付けしたのは、買ったばかりで体になじむジーンズが作れなかったからだ。

それに対して、今では買ったばかりでも体になじむ服装が作れる技術があり、その技術を余すことなく使っているのがユニクロである。

ユニクロの2,990円には2,990円を超える価値がある

スキニーフィットチノはその価格の安さ(2,990円)もさることながら、実際にユニクロへ行って実物を見たり、購入と配送はオンラインに任せたりといったことができる点にも価値がある。

オンラインでスキニーパンツの価格だけを見るなら、スキニーフィットチノに類似する同価格の商品はいくらでもある。しかし、それらはいずれもユニクロを超える購入体験が期待できない。

日本国内でユニクロ以上に実店舗を持つアパレルブランドはないし、返品やサイズ交換が無料でできるオンラインショッピングでも、それらの作業には時間や手間がかかる。

ユニクロの強みは低価格で高品質な「商品そのもの」にあるだけでなく、(消費者にとっての)店舗オペレーションや購入体験の良さにもある。ユニクロが海外に市場を拡大して成功するかどうかは、日本人が感じるユニクロの身近さをどのように海外でも浸透させるか?にあるだろう。

定番アイテムこそユニクロで買うべきである

ユニクロはファストファッションではない。ユニクロは定番アイテムに強い。ファストファッションは定番アイテムに弱い。したがって、定番アイテムこそユニクロで買うべきである

ユニクロはファストファッションではない

ファストファッションの「ファスト」は早くて安いファストフードから来ている。服装における「早さ」は最新の流行を取り入れるスピードで評価される。しかし、ユニクロが作っているのは「シンプルで長く着られる服」だ。

ユニクロの商品には目新しさがない、ユニクロではいつも変わらない商品ばかりが売られている、これらは多くの人が感じていることでユニクロがファストファッションではないことを物語っている。

一般的にファストファッションは製造小売業(SPA)と同一視されがちだし、柳井正もユニクロをファストファッションと見なしている節があるが、ユニクロは決して最新の流行を取り入れるスピードが早いわけではない。

ユニクロは定番アイテムに強い

ユニクロの強さはファストファッションとは対極の「スローファッション」とでも言える特長にある。シンプルで長く着られる服を作るということは、定番アイテムを作るということだ。

ユニクロは定番アイテムになり得るものだけを大量に生産するから、低価格と高品質の両立を実現できる。それから、同じ商品を大量に生産するからこそいつも在庫が潤沢であり欲しいときに欲しいものが買える。

服装において一つの商品ごとの生産量でユニクロを上回る企業はないだろう。だから、同じ価格の服装を比べたとき、ユニクロを超える品質で服装を作ることができる企業はない。

ユニクロの商品を安かろう悪かろうと考えている人がいるが、実際は安くて良いものを作っているのがユニクロであり、それができる理由はそれを信じてユニクロ商品を買う多くの消費者がいるからだ。

ファストファッションは定番アイテムに弱い

前述したようにファストファッションはいち早く最新の流行を取り入れることを重視しているから、ユニクロのように十年先にも着られる服装(つまり、定番アイテム)を作ることは前提としていない。

ZARAやH&Mの店舗に行くと分かるが、ユニクロよりも相対的に新鮮な服装を作っている。ZARAやH&Mは流行の兆しを察知して商品化するまでのスピードが非常に早いので、消費者から見るとそれらの商品は新鮮に見える。

しかし、最新の流行を取り入れた商品の寿命は長くないから、ZARAやH&Mがユニクロのように同じ商品を大量に生産することはない。

だから、欲しい商品があっても在庫がなくなれば品切れになって買えないことがあるし、ユニクロと同価格の商品ならその品質がユニクロを超えることもない。

ユニクロの「黒」は定期的な買い換えが必要だ

ユニクロの「黒」は色落ちする。カジュアルウェアは修理しない。個人の修理より社会で循環させる。したがって、ユニクロの「黒」は定期的な買い換えが必要だ

ユニクロの「黒」は色落ちする

一般家庭で洗濯ができるカジュアルウェアには色落ちという宿命がある。その中でもユニクロの黒色は色落ちして紫色に変色してしまうことが多い。

黒色のスキニーフィットチノも例外ではなく、数回の洗濯で膝回りが色落ちしてしまう。三年前に買った同じ黒色のスリムフィットチノに至っては、全体的に紫色に変色してしまい黒色ではなくなっている。

洗濯機を使って黒色を染め直すものも売られているが、洗濯機や他の服装への影響を考えると使用には尻込みしてしまう。家庭内で服装を染色するのは敷居が高い。

カジュアルウェアは修理しない

カジュアルな服装は修理して着ることを前提に作られていないし、ユニクロの商品なら修理するよりも買い換えた方が安く済むことすらある。

それに対して、フォーマルやビジネスで使うジャケットやパンツは、袖や裾の裏の縫い代に余裕を持たせることでサイズ調整ができたり、修理をしながら長く着ることを前提に作られている。

ユニクロの「シンプルで長く着られる服」とは、流行や定番といったデザインの話であり服装としての耐久性は意味していない(とはいえ、極端に耐久性が低いわけではない)。

それでもユニクロがアパレル市場で価格破壊をしてしまったことで、使えるものまで買い換えてしまう服装の大量生産・大量消費が加速していることは否めない。

個人の修理より社会で循環させる

しかし、ユニクロも安価な服装を大量に生産して消費者の使い捨てを加速させているだけではない。服装の持続可能性問題には正面から取り組み、古くなったユニクロ商品が社会で循環する仕組みをつくっている。

その一つが"Re.UNIQLO"であり、ユニクロ商品のリユースとリサイクルを促進する活動だ。実際にユニクロの各店舗にはユニクロ商品の回収ボックスがある。

ユニクロはこの回収ボックスを使って消費者が不要になった古着(ユニクロ商品)を回収する。回収された古着はリユースまたはリサイクル向けに仕分けされて社会の中で循環していく。

ユニクロ(ファーストリテイリング)は「資源を無駄にしないこと」を掲げていて、環境配慮の施策や取り組みを言語化して世界に発信している。

それから、ユニクロ(ファーストリテイリング)は人権問題を解決するためのフレームワークで上位の評価を受けている。1

ユニクロくらい大きくグローバルで活躍する企業は、自社の商品だけでなくビジネスそのものの持続可能性を外部機関によって評価されてしまう時代だ。

だから、消費者としてユニクロの商品を使うときの違和感(修理するよりも買い換えた方が安いかも?など)は当然のようにユニクロの企業価値に影響することであり、その是正は今後も進んでいくものと思われる。

マルトデキストリンでバルクアップすることが「生産性」を高める

マルトデキストリンはエネルギーをコントロールする。バルクアップは取るもので決まる。アウトプットを増やして「生産性」を高める。したがって、マルトデキストリンでバルクアップすることが「生産性」を高める

マルトデキストリンはエネルギーをコントロールする

マルトデキストリンはエネルギーになる。マルトデキストリンは取りやすい。マルトデキストリンは買いやすい。したがって、マルトデキストリンはエネルギーをコントロールする

マルトデキストリンはエネルギーになる

マルトデキストリンは多糖類であるデンプンを分解して作られる「糖質」だ。糖質は1グラム4キロカロリーのエネルギーとなり体や脳を動かすために使われる。

実際、マルトデキストリンはスポーツドリンクなどに含まれていて、効率的なエネルギー補給のために使われている。デンプンなどの多糖類は炭水化物よりも分子量が小さいが、マルトデキストリンはその多糖類の中でも分子量が小さく分解されるスピードも早い。

アミノ酸がタンパク質を構成する最小単位であるように、単糖が糖質を構成する最小単位である。単糖の総称を「単糖類」、単糖が二つ結合したものの総称を「二糖類」、単糖類と二糖類の総称を「糖類」という。

マルトデキストリンを含むデンプンなど単糖が三つ以上結合したものの総称を「多糖類」、糖類を還元して作られるのが「糖アルコール」で、糖質は糖類、多糖類、糖アルコールの総称である。

マルトデキストリンは取りやすい

マルトデキストリンや粉飴などの糖質を「デキストリン」というが、デキストリンの甘味度はデキストロース当量(DE、Dextrose Equivalent)で分かる。このDEの最大値は100で、DEが100に近いほど分子量が小さく(単糖に近く)甘いのだが、マルトデキストリンのDEは10~20である。

実際にマルトデキストリンを取ってみると、DEが0ではないから甘みは感じるものの、砂糖のように甘すぎることはない。だから、水で溶かして飲むことができるし、甘みのあるプロテインに混ぜて飲むこともできる。

効率的なエネルギー補給では単糖の「グルコース(ブドウ糖)」が最も分解スピードが早い(というより単糖類は分解する必要がない)が、DEが100に近くて甘すぎるため大量に取ることができない。

マルトデキストリンは買いやすい

マルトデキストリンはプロテインのような味付けがされないため、商品ごとに差別化ができない。それから、1グラムの糖質含有量にも商品ごとの差があまりないことから、安価なサプリメントに分類される。

マルトデキストリンは1グラム1円前後が相場で、大容量(5~8キログラム)になると1グラム0.7~0.8円になる。

マルトデキストリンをトレーニング中のエネルギー源として使う場合、一回50グラムを週に五回取るとそれだけで一か月1キログラムの消費になる。プロテインといっしょにも取りやすいから3キログラム以上で買った方が得になるだろう。

体重が増えにくい「ハードゲイナー」の人も、マルトデキストリンで効率的に摂取カロリーが増やせるから、ムリをして食事を取るよりもマルトデキストリンを取る方が体重を増やしやすい。

バルクアップは取るもので決まる

バルクアップは消費カロリーと摂取カロリーのバランスで決まる。消費カロリーを減らすより摂取カロリーを増やす方が簡単だ。摂取カロリーは結果と過程を考える。したがって、バルクアップは取るもので決まる

バルクアップは消費カロリーと摂取カロリーのバランスで決まる

人は食事やサプリメントから取る「摂取カロリー」が、生きているだけで消費するエネルギー(基礎代謝)と活動によって消費するエネルギーを合わせた「消費カロリー」を超えていなければ、バルクアップすることができない。

バルクアップを筋肉が増えることとするなら、一日に食べたものから取れるエネルギーの全てが体や脳を動かすことに使われているとき、筋肉をつくる材料が足りていないことは容易に想像できる。

競技のために体づくりをしている人は、一年を増量期と減量期に分けていることもある。増量期には摂取カロリー>消費カロリー(=オーバーカロリー)でバルクアップし、減量期はその逆の摂取カロリー<消費カロリー(=アンダーカロリー)にしてムダな脂肪を落とす。

消費カロリーを減らすより摂取カロリーを増やす方が簡単だ

バルクアップするために消費カロリーを下げようとしても、消費カロリーを下げるには限界がある。それよりは食べるものを増やして摂取カロリーを上げる方が簡単だし理にかなっている。

実際、運動をしないことで消費カロリーは下がるが、社会生活を営む上で動かないことはできないし、健康のために体づくりをしているなら本末転倒である。

それならサプリメントを取るなりして摂取カロリーを増やす方が、運動するためのエネルギー源にもなるのだから一石二鳥だ。

摂取カロリーは結果と過程を考える

摂取カロリーを構成する要素は三つあるが、それらの役割はそれぞれで異なる。つまり、オーバーカロリーなら「体重が増える」という結果は同じでも、筋肉が増えるのか体脂肪が増えるのかを左右する「トレーニングができるか」という課程は摂取カロリーの中身による。

仮に、月曜日に2,500キロカロリーの食事を取り火曜日にも同エネルギーの食事を取るとき、月曜日の摂取カロリーに占める炭水化物の割合が30%で火曜日の同割合が50%なら、火曜日の方がトレーニングの質が上がる。

カロリーを構成する三つの要素(三大栄養素)のうち、タンパク質は体の細胞をつくり、脂質はホルモンのバランスを整える。運動パフォーマンスにダイレクトな影響があるのは糖質(炭水化物は糖質と食物繊維の総称)である。

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アウトプットを増やして「生産性」を高める

「生産性」はアウトプットとインプットの割り算で決まる。分母(インプット)を減らすのはナンセンスだ。分子(アウトプット)を増やすのが健全である。したがって、アウトプットを増やして「生産性」を高める

「生産性」はアウトプットとインプットの割り算で決まる

「生産性」とは、成した仕事(=アウトプット)で、その仕事を成すために投入したもの(=インプット)を割った比率である。つまり、生産性はアウトプットを分子、インプットを分母とした分数になる。

例えば、会社経営で生産性を高める手段として「選択」と「集中」がある。利益率が高い事業を選択し、それに集中して投資することだ。事業選択は経営資源(インプット)のムダを減らし、集中投資で他社が追随できない価値や利益(アウトプット)を増やす。

生産性の定義に「仕事」という言葉が出てくるから、生産性は仕事の話だけだと感じるかもしれないが、生産性を高めることは日常生活を豊かにするためには欠かせないことで、体づくりにも適応できる。

「バルクアップ」の文脈で生産性を定義するなら、「トレーニングの質」をアウトプット、「摂取カロリー」をインプットとして考えることができる。

分母(インプット)を減らすのはナンセンスだ

バルクアップの生産性(アウトプット/インプット)を高めるために、ここではインプットである摂取カロリーを減らしては、アウトプットであるトレーニングの質を上げることはできない。

実際、減量期に摂取カロリーを制限すると一日に取れる糖質の量も制限されるため、トレーニングの質が上がらないことを実感する。それから、そもそも摂取カロリーを減らすことでアンダーカロリーになっていてはバルクアップはできない。

つまり、バルクアップの生産性を高めるためには、オーバーカロリーであることを前提として、さらに摂取カロリーの中身を糖質にこだわるべきだ。

分子(アウトプット)を増やすのが健全である

何かを減らすことは何かを制限することだからストレスにもなる。それに対して、何かを増やすことが何かを減らさずに工夫して得られるなら、そのやり方は健全である。

バルクアップの文脈で生産性を考えるときは、アウトプットとインプットのどちらかを定数として考えるのではなく、アウトプットはインプットという変数に左右される関数と考える。

インプットという変数のスカラー(大きさ)は同じでも、そのベクトル(大きさと向き)を変えてやる。つまり、摂取カロリーの量は一定でも、質にこだわることでトレーニングの質も上げていく。

バルクアップのためとはいえ、オーバーカロリーが目的になるとムダな脂肪も付きやすい。摂取カロリーに占める脂質の割合が高くてもトレーニングの質はそれほど上がらないからアウトプットは増やせない。

脂質の代わりに糖質を取るとしても、糖質を取るタイミングが就寝直前だったら、体や脳を動かすために使われない糖質は体脂肪として体に蓄積されるだけだ。

マクロ管理法でPFC(三大栄養素)バランスを決めるとき、除脂肪体重×40キロカロリーなど(人によって異なる)で摂取カロリーを決めたら、除脂肪体重の三倍グラムをタンパク質、総カロリーの二割を脂質とすれば、摂取カロリーの五、六割が糖質(炭水化物)になる。

摂取カロリーの五、六割を占める糖質を適当なタイミングで取るには、やはりトレーニング中にも取れるマルトデキストリンが適している。同じ摂取カロリーであっても、適当に取った食事とマルトデキストリンを使ってコントロールした食事では、トレーニングの質も変わってくるのだ。

ブリタのアルーナはトレーニーの飲料水に関わる問題を解決できる

ブリタのアルーナは大容量のポット型浄水器だ。トレーニーは飲料水にかけるコストが高い。ポット型浄水器が飲料水のコスト問題を解決する。したがって、ブリタのアルーナはトレーニーの飲料水に関わる問題を解決できる

ブリタのアルーナは大容量のポット型浄水器だ

ブリタはポット型浄水器で水の飲み方を変えた。浄水方法は科学的な根拠に基づいている。アルーナは家で使うには十分な容量がある。したがって、ブリタのアルーナは大容量のポット型浄水器だ

ブリタはポット型浄水器で水の飲み方を変えた

ブリタが家庭用のポット型浄水器を作るまで、飲料用の水はミネラルウォーターと水道水しかなく、水道水をそのまま飲める国も限られていた。だから、ポット型浄水器は第三の選択肢となった。

ブリタは1966年に硬水からミネラル分を除去する技術を開発し、1970年代にはミネラル分を除去するフィルターが付いたポット型浄水器を販売している。1980年代にこのポット型浄水器は市民権を得て、ブリタは世界的な企業となった。

ブリタはドイツの企業であるが、ドイツは日本と同じ水道水をそのまま飲める国だ。それではなぜ水道水が飲める国で家庭用の浄水器を作ろうと考えたのかというと、その理由は上水道が整備された国に共通する水道水の「匂い」と「味」にある。

原水を人が飲めるレベルまで浄水するには、原水に次亜塩素酸ナトリウムを混ぜる。この次亜塩素酸ナトリウムに含まれる塩素が原水に反応することで、水道水は水道水に独特の匂いや味を生み出し、人によっては水道水をおいしくないと感じる。

浄水方法は科学的な根拠に基づいている

ブリタのポット型浄水器は、水道水がフィルターカートリッジを通ることでろ過された水がポットにたまる仕組みだ。このフィルターカートリッジには塩素を除去できる「活性炭」や金属成分を減少させる「イオン交換樹脂」といった物質が使われている。

活性炭は原水が水道水に浄水される過程でも使われていて、イオン交換樹脂は純度が高い水(純水)を作るためにも使われる合成樹脂だ。それから、これらの物質を使った浄水の仕組みは、泥水や海水をろ過して飲料水を作るアウトドア用品にも使われている。

アルーナは家で使うには十分な容量がある

アルーナは数あるブリタのポット型浄水器でも最大サイズ(XL)のものだ。全容量は3.5リットルあり、浄水部の容量は2リットルある。水のろ過は10分で終わるから、ろ過した水を移し替える容器を準備すれば毎日好きなだけ飲料用の水を作ることができる。

アルーナは2リットルのペットボトル二本分ほどの大きさがあるため、冷蔵庫にアルーナを二つ以上入れると庫内のスペースを圧迫してしまう。だから、水道水をろ過するアルーナと、アルーナでろ過した水を入れる容器を準備するべきだ。

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ブリタにはポット型浄水器以外にもボトル型、カラフェ型の浄水器がある。ポット型浄水器はろ過する前の水をプールする部分と、ろ過した水をプールする部分に分かれるため、大きさ(全容量)が浄水容量の二倍になる。

それに対して、ボトル型やカラフェ型浄水器は水を飲むときにフィルターカートリッジを通してろ過する仕組みのため、ろ過する前後で水をプールする必要がなくコンパクトに設計できる。しかし、水を冷やしておける容量が少ないため、冷たい水を飲みたい場合には向かない。

トレーニーは飲料水にかけるコストが高い

トレーニーには大量の水が必要である。ミネラルウォーターは購入コストがかかる。ミネラルウォーターは輸送コストがかかる。したがって、トレーニーは飲料水にかけるコストが高い

トレーニーには大量の水が必要である

体脂肪率を測るときに使われる「生体電気インピーダンス法」から分かるように、筋肉は脂肪より水分量が多く筋肉量と体内水分量は比例している。だから、筋肉が多い人はそれだけ多くの水を取らなければならない。

実際、筋肉は体の中で最も水分をためられる細胞であり、筋肉の八割が水だといわれている。だから、筋肉の電気抵抗値は小さく、生体電気インピーダンス法では電気抵抗値の大小で筋肉と脂肪の量を推測している。

それから、運動をすれば汗をかき、汗をかけばそれだけ体内の水分が排出される。プロテインなどのサプリメントを取るときにも水は使われる。

つまり、トレーニングを始めたばかりの人であっても、トレーニーはトレーニングをしていない人より多くの水を取るべき理由がある。

ミネラルウォーターは購入コストがかかる

水道水は従量制で安価であるのに対して、ミネラルウォーターは2リットル100円で売られている。生活していく上で水道契約をしないわけにもいかないから、ミネラルウォーターの購入コストは家計に上乗せされる。

毎日2リットル100円でミネラルウォーターを飲むなら、一年間では36,500円のコストになる。一か月あたり3,000円のコストが固定費のようにかかるから、これが削減できるときのインパクトは無視できない。

ミネラルウォーターは輸送コストがかかる

ミネラルウォーターにかかるコストは購入コストだけではない。輸送コストとそれとは不可分の空間コストがかかる。

アマゾンでミネラルウォーターが2リットル120円で売られていることから分かるように、ミネラルウォーターをオンラインで安価に買うことは難しくなりつつある。しかし、オンラインショッピングではなく自分で買いに行くとなると、自分で重量物を運ばなければならないため「労力」がかかる。

その労力を最小化するため一度に大量のミネラルウォーターを購入すると、今度は大量に買ったミネラルウォーターを保管するための「空間」が必要になる。

ポット型浄水器が飲料水のコスト問題を解決する

ポット型浄水器は購入コストが安い。ポット型浄水器は輸送コストがかからない。ミネラルウォーターよりも環境コストが低い。したがって、ポット型浄水器が飲料水のコスト問題を解決する

ポット型浄水器は購入コストが安い

ポット型浄水器は、ポットとフィルターカートリッジのセットを購入するときのイニシャルコストと、定期的な交換が必要なフィルターカートリッジを購入するときのランニングコストがかかるが、トータルコストは長期で見れば見るほど安くなる。

例えば、アルーナのイニシャルコストはポット(アルーナ本体)とフィルターカートリッジ一つがセットで3,000円、これだけで使うことができるからイニシャルコストも3,000円である。

フィルターカートリッジは200リットルの水をろ過できるから、毎日2リットルの水をろ過するなら初年度は追加で三個、次年度以降は四個のフィルターカートリッジを買うことになる。フィルターカートリッジは四個で3,000円だから、ランニングコストは毎年3,000円だ。

つまり、初年度はイニシャルとランニングコストの合計6,000円がかかるが、次年度以降は毎年3,000円のランニングコストしかかからない。これは毎日2リットルのミネラルウォーターを飲むときにかかるコストの8~16%である。

ポット型浄水器は輸送コストがかからない

ポット型浄水器のフィルターカートリッジはコンパクトだからオンラインショッピングで安価に買うことができるし、一年分になる四個セットを買ってもミネラルウォーターのように空間を圧迫しない。

仮に、ミネラルウォーターを安く買えて自宅まで輸送してもらえるとしても、見落としがちなのがペットボトルの廃棄にかかるコストである。中身である水を消費した後にペットボトルを処分することも輸送コストになる。

毎日ミネラルウォーターを飲んでいれば毎日ペットボトルのごみが出る。そしてペットボトルの廃棄は個人の負担であり社会の負担でもある。

ミネラルウォーターよりも環境コストが低い

ミネラルウォーターにかかるコストには昨今話題になることが多い「環境コスト」もあるが、ポット型浄水器はこの環境コストの面でもミネラルウォーターより低コストである。

まず、ミネラルウォーターを入れるペットボトルは石油という有限な天然資源から作られている。日本ではペットボトルをリサイクルする仕組みが確立されているとはいえ、社会的に見ればリサイクルには回収や輸送といったコストもかかっている。

リサイクルしたプラスチック(再生プラスチック)には耐久性の問題があり、再生プラスチックは無限のループの中で使い続けることはできない。

再生プラスチックにはバージンプラスチック(非再生プラスチック)を混ぜていたり、リサイクルするための設備では水などの天然資源も使われている。だから、ポット型浄水器は天然資源の消費が少ない点で環境負荷が低い。

それから、ミネラルウォーターの水源問題も深刻だ。ミネラルウォーターは無限に採水できるわけではないから、人が好きなように採水を続ければいつか水源は枯渇してしまう。そしてミネラルウォーターの消費量は増加傾向にある。

例えば、日本におけるミネラルウォーターの消費量は急速に増えていて、2005年は1人当たり年間で14.4リットルだった消費が、2020年には年間33.3リットルと15年で二倍以上に増えている。

個人にとって利益のあるポット型浄水器の導入が社会全体への利益にもなると分かれば、ミネラルウォーターをポット型浄水器に置き換えるべき理由になる。

英語のボキャブラリーを増やすのは単語帳ではなく使う順序である

英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる。単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない。使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える。したがって、英語のボキャブラリーを増やすのは単語帳ではなく使う順序である

英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる

大人の英語はボキャブラリーの多さで決まる。ボキャブラリーが少ないと会話が単調になる。会話が単調になると英会話も伸びない。したがって、英語のボキャブラリーが増えないとボトルネックになる

大人の英語はボキャブラリーの多さで決まる

どのような言語でも、ボキャブラリーは人が子供から大人になる課程で増えていくものだ。だから、ある人が話す英語が大人っぽいと感じるかどうかは、その人が話す英語のボキャブラリーの多さに左右される。

「ボキャブラリーが少なくても英語が話せる」のは事実だが、これは英語を話すための応急処置にすぎない。こちらの意思を伝えることがやりたいことの本質ではあっても、大人はその伝え方の「質」を上げていく必要がある。

伝え方の質を上げるには伝え方の選択肢を多く持っていなくてはならない。ボキャブラリーは日本語で「語彙」と訳されるが、「彙」という言葉には「集める」という意味がある。

つまり、「語彙」は「語」の「集まり」であり、特定のある「語」一つではなく「語」の集合である。だから、ボキャブラリーが増えると語の集合が大きくなり、伝え方の選択肢も増えていく。

ボキャブラリーが少ないと会話が単調になる

言葉には言葉同士の相性がある(「コロケーション」という)から、ボキャブラリーが少ないと同じような表現や構文ばかり使ってしまう。だから、ボキャブラリーの少なさは会話を単調なものにする原因の一つだ。

例えば、動詞のボキャブラリーが少ない人は主語が「自分」の表現ばかり使いがちだし、構文も第三文型(SVO)ばかりになる。伝えたいことは同じであっても、たまには視点を変えて「事象」を主語にした方がいいときだってある。

しかし、ボキャブラリーが少ないことで伝え方の選択肢も少なく、伝え方の質にこだわることができない。視点を変えて文章を考えることは、文章を組み立てる能力には必要不可欠であるが、ボキャブラリーが少ないことが制約になる。

会話が単調になると英会話も伸びない

こちらの会話が単調だと、聞き手もこちらのレベルに合わせたボキャブラリーしか使わなくなる。そうなると新しい表現や気づきはドンドン減ってしまって、英会話が伸び悩むことにもなる。

特に、英会話のレッスンはその傾向が顕著であり、英会話の講師はこちらに視点を合わせることのプロだ。講師はレッスンを円滑に進めることが仕事だから、生徒にストレスを与えるよりはストレスを与えないようにする。

結果的に英会話では理解できる、使えるボキャブラリーだけで会話が進んでしまって、毎回同じような会話をしているから新しい学びもなくなってくる。新しい学びがなければ英語を伸ばせないし、英語を学ぶことの楽しさも見えなくなってしまう。

単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない

単語帳で増えるのはパッシブボキャブラリーである。「使える」ボキャブラリーはアクティブボキャブラリーだ。アクティブボキャブラリーは使わないと増えない。したがって、単語帳だけでは「使える」ボキャブラリーが増えない

単語帳で増えるのはパッシブボキャブラリーである

単語帳を使って覚えた単語は、見たり聞いたりしたときに分かる単語で「パッシブボキャブラリー」という。パッシブという言葉のとおり、読み手や聞き手といった受動的な立場のときに理解できるものだ。

例えば、日本の学校で英語を勉強した人は、英語を読むことは得意だからパッシブボキャブラリーを多く持っている。しかし、英語を書くことや話すことは得意ではなく、能動的に使うことには慣れていないことが多い。

つまり、どれだけボキャブラリーを増やしても、それがパッシブボキャブラリーでは英語を書くことも話すこともできないのだ。

「使える」ボキャブラリーはアクティブボキャブラリーだ

一般的に「使える」ボキャブラリーとは、アウトプットができるボキャブラリーのことだ。読んだり聞いたりといったインプットに使うパッシブボキャブラリーに対して、書いたり話したりするときに使うボキャブラリーを「アクティブボキャブラリー」という。

理解できるだけのパッシブボキャブラリーと使用することもできるアクティブボキャブラリーの関係は、パッシブボキャブラリー⊂アクティブボキャブラリーである。

しかし、だからといってアクティブボキャブラリーだけを増やすことはできない。なぜなら、アクティブボキャブラリーを増やすにはパッシブボキャブラリーを増やすしかないからだ。

今まで知らなかった言葉がいきなりアクティブボキャブラリーになることはない。つまり、パッシブボキャブラリーからアクティブボキャブラリーへの変換が必要になる。

アクティブボキャブラリーは使わないと増えない

パッシブボキャブラリーをアクティブボキャブラリーに変換するには、パッシブボキャブラリーをアウトプットに使って練習するしかない。スポーツと同じで、新しいことができるようになるにはできるようになるまで同じことを繰り返すしかないのだ。

小学生が国語の授業で新しい言葉を習ったときは、その言葉を使って文章を書く練習をする。いきなり「新しい言葉を使って文章を書け」とはならないように、まずはその言葉の意味を理解することがあって、実際にそれを使っているうちに覚えていく。

だから、「使える」ボキャブラリーを増やすことをアクティブボキャブラリーを増やすこととするなら、以下のような段階を踏むことになる。

  1. パッシブボキャブラリーを増やす
  2. パッシブボキャブラリーをアウトプットに使う
  3. パッシブボキャブラリーがアクティブボキャブラリーになる

使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える

初めからスピーキングで使うのは効率が悪い。ライティングで使ってみるのは効率的だ。書けるから話せるにはスピーキングが必要になる。したがって、使う順序を考えると「使える」ボキャブラリーが増える

初めからスピーキングで使うのは効率が悪い

スピーキングの練習といえば英会話だが、英会話のように限られた時間の中でパッシブボキャブラリーを使ってみて失敗することは、ボキャブラリーを増やすこと以外の学びの減少につながる。

もちろん、英会話でパッシブボキャブラリーを使ってみて失敗することに問題はないし、それ自体は推奨される。しかし、伝えたいことが伝わらないことでお互いの理解をすり合わせる時間は効率的ではない。

そもそもスピードを重視する会話では、無意識にアクティブボキャブラリーを優先して使ってしまうから、パッシブボキャブラリーを使ってみること自体が難しい。

だから、初めからスピーキングだけで(アクティブ)ボキャブラリーを増やそうとするのは誰にでもできる方法ではなく、比較的難易度が高い方法である。

ライティングで使ってみるのは効率的だ

英会話でパッシブボキャブラリーを使ってみるよりも、ライティング(添削サービス)で使ってみる方が失敗したときに失うものが少ない。

添削サービスはライティングしたものが添削されている時間は自分の好きなことに使えて、伝えたいことが伝わらないときに理解するための時間を使うのは添削者だけだ。

つまり、添削サービスで正確な文章を書くことに時間を使っても、それで得をするのは添削の手間が減る添削者である。

無論、いいかげんな文章ばかり書いていては学びにならないが、正確さにこだわるよりもアウトプットの時間を制限して数をこなした方が、手間を添削者に負担させられる分だけ得になる。

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それから、ライティングではアウトプットのスピードが重視されないから、意識的にパッシブボキャブラリーを使ってみることができる。

自然に思いついた文章はアクティブボキャブラリーで考えられているから、別の表現を使って文章を書けないか考えるクセをつけるだけでもいいだろう。

書けるから話せるにはスピーキングが必要になる

「使える」ことのゴールをどこに置くかにもよるが、英語を話せるようになりたいならスピーキングで使うことも必要になってくる。書けても話せないことはいくらでもあるからだ。

日本の義務教育では英語を書く機会は多いが、英語が話せない日本人も多い。簡単な英語の文章なら書けるのに、実際にその文章を話そうとしても話せないのだ。

ライティング(添削サービス)とスピーキング(英会話)の練習は切り分けて考えられることが多いが、それらを一つにしたものに「ベストティーチャー」がある。

ベストティーチャーはライティングした文章をテキストにしてスピーキングの練習ができるから、パッシブボキャブラリーをアクティブボキャブラリーに変換することに適している。

ライティングには添削サービスを使って、スピーキングには英会話スクールに行くなどの組み合わせでもいいだろう。ただし、ライティングとスピーキングの組み合わせで最も安いのがベストティーチャーであることは間違いない。

レッドウィングの9016はスーツやジャケパンの「ハズし」に使える

レッドウィングは世界的なワークブーツブランドだ。9016はドレスシューズに近いワークブーツである。完全に外れないから「ハズし」になる。したがって、レッドウィングの9016はスーツやジャケパンの「ハズし」に使える

レッドウィングは世界的なワークブーツブランドだ

レッドウィングには100年を超える歴史がある。丈夫なワークブーツを安価に供給している。世界的にブランドとしての知名度が高い。したがって、レッドウィングは世界的なワークブーツブランドだ

レッドウィングには100年を超える歴史がある

レッドウィングは1905年にCharles Beckmanと14人の投資家によって設立された。レッドウィングが設立された目的は、鉱山、農業、伐採といった産業で働く人々に耐久性と快適性が高い靴を供給することだった。

実際、1909年にはアッパーとソールをウェルトで縫い付ける「ウェルト製法」によって、耐久性の高い靴を作り始めた。現在のレッドウィングの靴のほとんどは、このウェルト製法で作られている。

それから、レッドウィングはワークブーツで有名なことから男性向けのイメージが強いが、1927年には女性向けのブーツを作りトップセラーにもなった。

現在でもレッドウィングは女性向けのワークブーツを作っていて、ラインナップは男性向けのワークブーツと変わらない。

丈夫なワークブーツを安価に供給している

ワークブーツは労働者のためのブーツであるから、耐久性や快適性が高いだけでなく安価でなくてはならない。レッドウィングに100年を超える歴史があるのは、その難しい問題を解決してきた結果である。

レッドウィングのワークブーツはアメリカでは300ドル前後、日本では(国内正規品が)50,000円前後で買える。ワークブーツはドレスシューズよりも表面積が大きいから、同じウェルト製法のドレスシューズと比べてもリーズナブルであることが分かる。

日本で買えるレッドウィングの国内正規品(レッドウィングジャパンのウェブサイトにあるモデル)の多くは日本向けの別注品である。だから、並行輸入品は国内正規品よりも安く買えるが、並行輸入品と国内正規品では仕様やサイズ感が異なることもある。

世界的にブランドとしての知名度が高い

レッドウィングはアメリカで設立されて、その「つくり」と「価格」がアメリカの市場に合っていたから成功した。しかし、それは世界でも通用するパフォーマンスだったことで、世界的な知名度も上がっていった。

イギリスの市場調査会社YouGovによると、レッドウィングはアパレル&フットウェアブランドでは人気が66位、知名度が75位である。1 この調査のアパレル&フットウェアブランドには、アディダスやアンダーアーマーといったスポーツウェアブランドや、SPAやラグジュアリーブランドも含まれている。

この順位が高いと言える理由は、レッドウィング以外のワークブーツブランドが100位以内にはいないこと、ドレスシューズで有名なチャーチの人気が78位、知名度が95位であることからだ。

9016はドレスシューズに近いワークブーツである

レッドウィングのクラシックモデルはドレスシューズに近かった。9016はレッドウィングのクラシックモデルを再現している。アッパーには上質な専用レザーを使っている。したがって、9016はドレスシューズに近いワークブーツである

レッドウィングのクラシックモデルはドレスシューズに近かった

レッドウィングが設立された20世紀の初頭は、ラウンジスーツが誕生して一般大衆にまでスーツが普及した時代だ。一般大衆には労働者も含まれるから、ドレスシューズも広く普及していた。その流れからワークブーツにもドレスシューズの要素が組み込まれた。

実際、1920年ごろのレッドウィングのアイコンはドレスシューズに近いラウンドトゥのワークブーツだった。現在のアイコンであるモックトゥのワークブーツが作られたのは1920年代の中頃と推定され、スポーツブーツの位置付けで売られていた。

ところで、現在のレッドウィングのアイコンであるアイリッシュセッターの原型(No.854)は1950年に作られたモデルだ。

9016はレッドウィングのクラシックモデルを再現している

レッドウィングの9016(現No.9416)は設立者のCharles Beckmanにちなんで「ベックマンブーツ」と呼ばれるモデルだ。ベックマンブーツは1920年ごろのクラシックモデルを新しい素材で再現している。

9016は丸みのあるラウンドトゥの8番ラストを使っている。この8番ラストは歴史のあるレッドウィングのラストの中でも、最もオーソドックスな形をしている。

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オーソドックスな形とは、「ワークブーツとして」ではなく「革靴として」だ。クラシカルな革靴は丸みのあるラウンドトゥであることが特徴だからだ。

モックトゥのワークブーツはある程度雑に扱っても汚れが目立ちにくい。それに対して、ラウンドトゥのワークブーツはデザインがドレシューズに近いこともあって磨き上げた方が味が出る。

レッドウィングのウェブサイトでも、ベックマンブーツがフォーマルでありながらも実用性があることや、スマートからカジュアルまで守備範囲が広いことに言及している。それから、クリームで磨くことで艶が出る、味わいが深まるとも書かれている。

ところで、近年ベックマンブーツの品番が9016→9416のように変更された理由は、ソールの製造拠点を変更したためである。これまではイタリアやメキシコの社外工場で製造していたソールを、品番を変えてからはアメリカの自社工場で製造しているようだ。

アッパーには上質な専用レザーを使っている

ベックマンブーツのアッパー素材には、ベックマンブーツのために開発された専用レザーの「フェザーストーン」が使われている。靴に合わせて素材を開発していることからも、ベックマンブーツが特別なワークブーツであることが分かる。

フェザーストーンは厳選された高品質なステアハイドだけが使われていて、光沢を持つべく仕上げられたレザーともされている。つまり、耐久性を重視した丈夫なレザーではなく、ドレスシューズのように磨き上げて光沢が持てる素材である。

レッドウィングへレザーを供給しているS.B. Foot Tanning Companyは1872年に操業を始め、1986年にレッドウィングへ事業を売却した。そして、現在はレッドウィングの完全子会社となっている。

それから、ベックマンブーツに使われるフェザーストーンには四色のカラーがあり、9016では「シガー・フェザーストーン」が使われている。シガー・フェザーストーンと同じ茶系統では「チェスナッツ・フェザーストーン」もある。

シガーはチェスナッツよりも一段暗い茶色であるが、実際に見てみるとシガーの発色はよく、一般的なブラウンよりは赤みがある茶色だ。つまり、チェスナッツはかなり明るい茶色であり、一般的なチェスナットカラーよりも明るいことが分かる。

完全に外れないから「ハズし」になる

フォーマルやビジネスはカジュアルに追加できない。カジュアルはフォーマルやビジネスに追加できる。ドレスよりのワークブーツはフォーマルやビジネスに追加できる。したがって、完全に外れないから「ハズし」になる

フォーマルやビジネスはカジュアルに追加できない

フォーマルやビジネスで使うものにカジュアルな要素はないから、フォーマルやビジネスで使うものをカジュアルに使うことはできない。

実際、フォーマルで使う「モーニングコート」や「テイルコート」をカジュアルに着こなすことはできない。

服装の定義の中でフォーマルは厳格に決まっているため、服装はフォーマルとフォーマル以外に分けられる(カジュアル=フォーマル以外)。つまり、フォーマルは絶対的なもので、カジュアルは相対的なものだ。

カジュアルはフォーマルやビジネスに追加できる

カジュアルで使うものにはフォーマルやビジネスな要素があるものもあるから、カジュアルで使うものをフォーマルやビジネスに使うことはできる(場合がある)。ただし、その場合はフォーマルやビジネスからカジュアルになる。

カジュアル=フォーマル以外だが、カジュアルの原型がフォーマルにあることは珍しくない。例えば、パッチポケットが付いたジャケットはフォーマルで使うジャケットを原形にカジュアル化したものだ。

ドレスよりのワークブーツはフォーマルやビジネスに追加できる

ドレスシューズに近いワークブーツにはフォーマルやビジネスな要素があるものもあるから、ドレスシューズに近いワークブーツをフォーマルやビジネスに使うことはできる。ただし、こちらもカジュアルになる。

ドレスシューズに近いワークブーツも、フォーマルで使うドレスシューズを原形にカジュアル化したものの典型例だ。

モックトゥのワークブーツはドレスシューズを原形にしたラウンドトゥのワークブーツから派生したもので、スポーツブーツの印象が強いためフォーマルやビジネスに使うことは難しい。

しかし、ラウンドトゥのワークブーツはモックトゥのワークブーツよりもドレスシューズに近いため、フォーマルやビジネスのハズしに使うことはできる。

マルチビタミンは筋肥大のためではなくてリスク回避のためにある

マルチビタミンはビタミンやミネラルを補う。筋肥大は栄養素の充足の十分条件でしかない。マルチビタミンは減量期のリスク回避になる。したがって、マルチビタミンは筋肥大のためではなくてリスク回避のためにある

マルチビタミンはビタミンやミネラルを補う

ビタミンやミネラルは体に必要な栄養素である。マルチビタミンは栄養素の充足に信頼度が高い。マルチビタミンだけでは栄養素が足りていない。したがって、マルチビタミンはビタミンやミネラルを補う

ビタミンやミネラルは体に必要な栄養素である

マルチビタミンには複数種類のビタミンやミネラルが含まれている。ビタミンやミネラルは代謝機能や細胞の成長、回復のために使われていて、三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)と合わせて五大栄養素ともいわれる。

ビタミンやミネラルは三大栄養素と同じく体に必要なものであり付加価値はない。例えば、タンパク質は筋肉の成長に必要であるが、タンパク質を多く取っても筋肉がそれと同じだけ成長しないようにだ。

それに対して、ビタミンやミネラルが長期間にわたって不足するのは良くない。例えば、代表的なビタミン「ビタミンD」の不足は骨を弱くするし、ビタミンDと関連するミネラル「カルシウム」の不足は骨密度を下げる。

マルチビタミンは栄養素の充足に信頼度が高い

マルチビタミンは体に必要な栄養素であるビタミンやミネラルを補助的に取ることに適したサプリメントであり、権威のある研究機関もその効果を支持している。

実際、オーストラリア国立スポーツ研究所は、マルチビタミンを信頼度が最も高いサプリメントのグループ「グループA」に分類している。1

グループAに分類されるサプリメントは、特定の状況下で使用されたときの効果に強い科学的な根拠があるものだ。マルチビタミン以外では「カフェイン」や「クレアチン」、マルチビタミンに含まれていることも多い「ビタミンD」「カルシウム」などがある。

多くのマルチビタミンは一日一粒でビタミンとミネラルが栄養基準値内で取れるよう設計されている。しかも、一粒15円前後と安いこともあって、世界的に消費量の多いサプリメントの一つである。

マルチビタミンだけでは栄養素が足りていない

マルチビタミンから体に必要なビタミンやミネラルが取れることは分かっているが、マルチビタミンだけではビタミンやミネラルに付随する栄養素が不足する可能性も指摘されている。

一般的に、野菜や果物が健康的だといわれる理由は、野菜や果物からビタミンやミネラルが取れるからだ。実際に、野菜や果物を多く食べることと体が健康であることには相関関係も見られる。

しかし、野菜や果物にはビタミンやミネラル以外の栄養素も含まれていて、その一つが「ファイトケミカル(植物性化学物質)」といわれるものだ。このファイトケミカルも体の健康に貢献していると考えられている。

ファイトケミカルの効果を証明するには科学的な根拠が十分ではないが、野菜や果物が体を健康にする理由がファイトケミカルにもあるとするなら、マルチビタミンだけでは栄養素が不足する可能性はあり得る。

筋肥大は栄養素の充足の十分条件でしかない

筋肥大しているなら栄養素が充足しているは成り立つ。栄養素が充足しているなら筋肥大しているは成り立たない。したがって、筋肥大は栄養素の充足の十分条件でしかない

筋肥大しているなら栄養素が充足しているは成り立つ

筋肥大の条件は「栄養」「休息」「刺激」の三つだといわれている。だから、栄養素が足りていないときに筋肥大が起こるとは考えにくいし、筋肥大しているなら栄養素は足りていなければならない。

この「栄養」には三大栄養素から計算される摂取カロリーがあり、筋肥大するときの摂取カロリーは消費カロリーを上回っていなくては(オーバーカロリーでなくては)ならない。

その上で適当なPFC(タンパク質、脂質、炭水化物)のバランスがあり、これらPFCを体で代謝させることにビタミンやミネラルが使われている。

筋肥大に理想的なPFCバランスを食事だけで取ることは難しいから、プロテインなどのサプリメントを取ることもあるだろう。しかし、栄養素は食事から取ることを基本としていれば、筋肥大するとき(増量期)は食事から十分な量のビタミンやミネラルが取れている。

ビタミンやミネラルを取ることに付加価値はないから、ビタミンやミネラルを必要以上に取ることは無益である。むしろ、ビタミンやミネラルを必要以上に取ることは有害ですらある。

ビタミンは水に溶ける「水溶性ビタミン」と、水に溶けない「脂溶性ビタミン」に分けられる。さらに、水溶性ビタミンは「ビタミンB群」と「ビタミンC」に、脂溶性ビタミンは「ビタミンA」や「ビタミンD」などに分けられる。

水溶性ビタミンは必要以上に取っても体外に排出されるだけなので有害性は低い。必要以上の水溶性ビタミンは体外に排出されるが、水溶性ビタミンは代謝にも影響することから、こまめに取って不足させないことが推奨されている。

それに対して、脂溶性ビタミンは必要以上に取った分が体内に蓄積されるので有害性がある。一般的な食事だけで過剰になることはないといわれているが、サプリメントの併用で過剰摂取になる例も報告されている。

それから、「カルシウム」や「マグネシウム」といったミネラルも、それぞれを取る量のバランスが大切である。どちらかだけを多く取ってしまうと、もう一方の吸収に影響することもある。

栄養素が充足しているなら筋肥大しているは成り立たない

筋肥大の条件は三つあるのだから、栄養素の充足は筋肥大の一条件にすぎない。だから、栄養素が足りているだけで筋肥大が起こるとはいえない。

実際、筋肉の材料になるタンパク質を取ったからといって、体が筋肉を必要だと認識している状態(適当な「刺激」を受けている状態)でなければ、筋肉が成長することはない。

だから、筋肥大の条件には「刺激」がある。運動をすることで筋肉を使うと、体は刺激を受けた筋肉が体に必要だと認識して、外部から取った栄養素を筋肉の合成に使う。

それから、筋肉の合成には「休息」も必要である。筋肉の刺激は筋肉の分解でもあるから、休息が足りていないと筋肉の合成よりも筋肉の分解が優位になってしまう。

この「休息」には体の休息だけでなく脳の休息も含まれている。だから、ストレスを減らしてしっかりと眠ることも筋肥大には必要である。

マルチビタミンは減量期のリスク回避になる

減量期には筋肉が落ちるリスクがある。マルチビタミンは筋肉が落ちるリスクを下げる。したがって、マルチビタミンは減量期のリスク回避になる

減量期には筋肉が落ちるリスクがある

体に必要な栄養素が足りていないときに筋肉は落ちる。だから、減量期のカロリー制限は、栄養素の不足から筋肉が落ちるリスクにもつながる。

例えば、運動のエネルギーには糖質が使われるが、糖質が足りていない状態で運動をすると、体は脂質を分解してエネルギーにしようとする。このとき、血中や筋肉内のアミノ酸もエネルギーとして使われるため筋肉が落ちてしまう。

それから、減量期には貴重なエネルギー源でもある糖質を代謝するには、「ビタミンB」が使われる。増量期でもビタミンBが足りていないと、どれだけ糖質を取っても糖質は代謝されないからエネルギーにならない。

摂取カロリーを制限する方法としては、エネルギー量の大きい「脂質」を制限することが一般的だ。脂質は肉や魚、ナッツ類に多く含まれている。

ビタミンやミネラルもこれらの食材に多く含まれているため、脂質を制限する目的で肉や魚、ナッツ類を制限すると、ビタミンやミネラルの摂取量も制限されてしまう。

だから、減量期に脂質を制限して糖質を取っても、糖質を代謝するためのビタミンやミネラルが足りていないことで、せっかくの糖質が代謝されない可能性がある。

さらに、糖質などのエネルギー源が有効に使われないと適当な運動もできないから、筋肉への刺激が足りずに体は筋肉を必要だと認識できない。

体が筋肉を必要だと認識しなければ、筋肉を分解してエネルギーにされる可能性も高くなる。

マルチビタミンは筋肉が落ちるリスクを下げる

ビタミンやミネラルは体が代謝するためにも使われているから、減量期のように外部から取り入れる栄養素が少ないときほど、限られた栄養素をより有効に使うことに貢献している。つまり、マルチビタミンは減量期に枯渇しがちなエネルギー源を最大限有効に使って筋肉が落ちるリスクを下げる。

増量期は外部から取り入れる栄養素が多いから、ビタミンやミネラルも多く入ってくる。食事はバランスが良いことが理想的であり、それができているならマルチビタミンを取る必要はないし、そうでなくてもマルチビタミンは保険にしかならない。

それに対して、減量期はビタミンやミネラルを含めた全ての栄養素が不足しがちになるから、マルチビタミンからビタミンとミネラルを取る必要性が増量期よりも高い。

減量期にマルチビタミンを取っても体重の増減には影響しないが、ビタミンやミネラルは体重を減らすために制限されたタンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素を最大限有効に活用する。

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スターティングストレングスはバーベルに関係なく体を大きくする

スターティングストレングスはストレングストレーニングの専門書である。バーベルトレーニングの本質が書かれている。バーベルトレーニングの本質はバーベル以外にも使える。したがって、スターティングストレングスはバーベルに関係なく体を大きくする

スターティングストレングスはストレングストレーニングの専門書である

ストレングストレーニングのコーチが書いている。分かりやすく論理的に書かれている。価格も「専門書」並みだけどKindleなら安い。したがって、スターティングストレングスはストレングストレーニングの専門書である

ストレングストレーニングのコーチが書いている

スターティングストレングスは、アメリカでストレングストレーニングのコーチをしているMark Rippetoeによって書かれた本だ。Mark Rippetoeは自身のパワーリフター経験を生かして、ストレングストレーニングのコーチングやそれに関わる本の執筆をしている。

本書「スターティングストレングス」も、Mark Rippetoeがストレングストレーニングのプログラムである"Starting Strengh"のコーチング内容を、一冊の本としてまとめたものだ。

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分かりやすく論理的に書かれている

スターティングストレングスは、写真やイラストを使って科学的な根拠が誰にでも分かるように書かれている。

例えば、本書には「スクワット」や「プレス」といった具体的なバーベルトレーニングの解説があるが、その解説では物理学的な力のかかり方や、生物学的な筋肉の動き方が、専門家でなくても理解できるように書かれている。

「パワーリフリティング」や「ウエイトリフティング」など、ストレングストレーニングに関連してよく使われる「リフト("lift")」という言葉は、何かを「持ち上げる」ことである。

何かを持ち上げることは重力によって垂直方向にかかる力に対処することだから、持ち上げるときの体の位置や、持ち上げる方向といった力学的な理解は欠かせない。

それから、持ち上げる主体は人なのだから、その人の体の構造や動きといった解剖学的な理解もしなければならない。

価格も「専門書」並みだけどKindleなら安い

スターティングストレングスは2011年にアメリカで出版された本だが、2019年には日本語にも翻訳されている。これら原書"Starting Strength"と翻訳「スターティングストレングス」は専門書並みの価格だが、原書のKindle版だけは安価になっている。

原書"Starting Strength"のペーパーバックは29.95ドルであり、翻訳「スターティングストレングス」は5,800円である。しかし、原書のKindle版だけは1,000円前後で買えるため、洋書に抵抗がなければこちらが最もリーズナブルである。

価格が最も高い翻訳「スターティングストレングス」であっても、その内容に5,800円の価値は十分にある。しかし、未読者が本を買うとき、5,800円が心理的な抵抗になることは容易に想像できる。

バーベルトレーニングの本質が書かれている

バーベルを垂直に上げる理由が書かれている。支点からの距離を考える意味が書かれている。呼吸を意識することの大切さが書かれている。したがって、バーベルトレーニングの本質が書かれている

バーベルを垂直に上げる理由が書かれている

物体にはその質量に比例して地面に向かう垂直の力「重力」がかかる。だから、バーベルは垂直方向に持ち上げるときに最も力が必要であり、それ以外の方向に持ち上げるときには力のロスが発生する。

実際、バーベルを垂直方向に持ち上げるときにかかる重力は質量×重力加速度で計算されるが、垂直方向からズレて斜めに持ち上げるときにかかる重力はズレの大きさだけ割引される。

スターティングストレングスではバーベルを垂直に持ち上げることに関連して、バーベルの重心を体の中心に置く"mid foot"という言葉が頻繁に使われる。

例えば、スクワットの終点でバーベルを持ち上げたまま安定するのは、バーベルの重心が足の中心(mid foot)から垂直線上にあるからだ。

そして、バーベルがこの足の中心からの垂直線上を動くなら、バーベルは常に最大の力を発揮することができる。

支点からの距離を考える意味が書かれている

回転軸(力の支点)と、力点から回転軸と同じ平面に下ろした垂線の交点までの距離を"moment arm"という。moment armが長いほど大きな力がかかる(必要になる)。

例えば、バーベルを垂直に立てたとき、バーベルを支える手(支点)とバーベル(力点)のmoment armはゼロだから、バーベルを支える手に力はかからない。

しかし、バーベルを斜めに傾けていくと、バーベルを支える手とバーベルのmoment armが長くなるから、バーベルを支える手にも力がかかってくる。

moment armはバーベルを垂直に持ち上げることにも関係する。ベンチプレスの終点でバーベルが斜め(頭や腰の方向)にあると、本来使いたい垂直方向の力は弱くなるのに対して、バーベルを上げたときの支点となる肩関節に負荷がかかる。

呼吸を意識することの大切さが書かれている

ストレングストレーニングでは腹圧をかけることが大切だというが、その具体的な方法として、スターティングストレングスでは"valsalva maneuver(バルサルバ法)"を紹介している。

valsalva maneuverは、息を吸い込んで口を閉じ息を止めることで、肺の空気の圧力を高め腹筋が収縮する。そうすることで、肺と腹腔内から脊柱の前面に力が加わる。

脊柱に力が加わると、体に堅いシリンダー入ったような状態になるため、負荷をかけたい筋肉に集中することができる。

バーベルトレーニングの本質はバーベル以外にも使える

スターティングストレングスは基礎的なバーベルトレーニングを解説している。基礎的なバーベルトレーニングの知識はマシンや自重トレーニングにも使える。スターティングストレングスは全てのトレーニーを対象としている。したがって、バーベルトレーニングの本質はバーベル以外にも使える

スターティングストレングスは基礎的なバーベルトレーニングを解説している

スターティングストレングスは、その副題が"Basic Barbell Training"となっているように、基礎的なバーベルトレーニングからストレングストレーニングを解説している。

スターティングストレングスは主に三つのパートで構成されている。一つはストレングストレーニングやバーベルトレーニングの意味についてである。

二つ目は主要なバーベルトレーニングである「スクワット」「プレス」「デッドリフト 」「ベンチプレス 」「パワークリーン」と、それらの補助種目の解説だ。

補助種目では、スクワットのバリエーションや「バーベルカール」といったバーベルトレーニング以外にも、「ディップス」や「懸垂」などの自重トレーニングも解説している。

三つ目がバーベルトレーニングを実行するためのプログラム作り、食事、トレーニング器具についてである。トレーニングに最適な頻度から、リストストラップといった具体的なトレーニング器具の解説もある。

基礎的なバーベルトレーニングの知識はマシンや自重トレーニングにも使える

スターティングストレングスの大部分は主要なバーベルトレーニングの解説に割かれているが、それらの本質はmid footやmoment arm、valsalva maneuverといった知識にあり、これらはバーベルを使わないトレーニングにも使える。

例えば、スミスマシンを使ったスクワットでは、あえてmid footを外してバーベルを垂直に上げることができるが、mid footを維持するための筋肉は使われない。

このように、バーベルトレーニングの本質を理解することで、マシントレーニングのメリットやデメリットが分かり、トレーニングの使い分けができるようになる。

自重やダンベルトレーニングよりも効率的なのがバーベルトレーニングであり、バーベルトレーニングを特定の目的だけにフォーカスしたのがマシントレーニングである。

だから、バーベルトレーニングは自重、ダンベルやマシントレーニングの中間に位置していて、その本質が他のトレーニングにも使えるのだ。

スターティングストレングスは全てのトレーニーを対象としている

スターティングストレングスはストレングストレーニングを始めたばかりの初心者は無論、中級者や上級者であってもストレングストレーニングの理解を深める助けになる。

ストレングストレーニングのメリットは、正しいやり方が分かっていてそれを実行できれば、誰でも力(ストレグス)を強くできることだ。力が強くなれば、結果的に体も大きくなる。

それに対して、ストレングストレーニングのデメリットは、その正しいやり方を分かること、実行することが難しいことである。

ストレングストレーニングの経験が長く、それなりに効果を上げている中級者や上級者であっても、ストレングストレーニングの体系的な知識が整理されている本は他にないから、スターティングストレングスがこれからのストレングストレーニングの質を上げることは間違いないだろう。