チンニングを自宅で再現するならドアジムよりぶら下がり健康器だ

チンニングは背中の「広がり」をつくる。ドアジムには制約が多い。ぶら下がり健康器はQOLを上げる。したがって、チンニングを自宅で再現するならドアジムよりぶら下がり健康器だ

チンニングは背中の「広がり」をつくる

背中の種目は「厚み」と「広がり」に分ける。デッドリフトやロウは「厚み」をつくる。チンニングやプルは「広がり」をつくる。したがって、チンニングは背中の「広がり」をつくる

背中の種目は「厚み」と「広がり」に分ける

背中の筋肉は、厚みをつくる「僧帽筋」や「脊柱起立筋」と、広がりをつくる「広背筋」に分けられる。だから、背中を鍛えるときも各種目の特徴を理解してトレーニングをするべきだ。

「僧帽筋」は首から背中の中心までにある筋肉で、僧帽筋が発達すると前からは首回りが盛り上がって見え、後ろからは背中の上部が盛り上がって見える。

「脊柱起立筋」は首から腰にかけて背骨に沿うようにあり、背中では最も大きく長い筋肉だ。脊柱起立筋は僧帽筋や広背筋の内側にある筋肉だが、鍛えることで背中全体の厚みになる。

「広背筋」は脇の下から腰にかけて逆三角形をつくる筋肉だ。腕を広げたり上げたときに逆三角形ができるのは、広背筋が発達している証拠である。

デッドリフトやロウは「厚み」をつくる

デッドリフトは背中を鍛える種目の代名詞であり、僧帽筋や広背筋を鍛えることもできるが、メインのターゲットは脊柱起立筋である。

デッドリフトはデッド(完全停止)状態からリフトするときに「大臀筋」や「ハムストリングス」を使い、一連の動作では常に脊柱起立筋に負荷がかかっている。このことから、デッドリフトを「脚の種目」とする見方もある。

デッドリフトがスクワットやベンチプレスと一緒に「ビッグスリー」といわれるのは、背中側にある複数の筋肉を同時に鍛えられるコンパウンド種目であり、非常に効率的だからだ。

それから、ベントオーバーロウやシーテッドロウのように下や前から重りを引く動きは、僧帽筋や広背筋の内側がターゲットになる。また、ロウ(Row)とは(船を)「こぐ」ことだ。

僧帽筋は肩甲骨を内転させる(背中を引き絞る)ときに使われるため、ロウ系種目では肩甲骨の内転と外転(内転の逆の動き)を繰り返す。

チンニングやプルは「広がり」をつくる

チンニングやラットプルダウンのように体を上に引き寄せるか重りを上から引く動きをするとき、広背筋は最も活躍する。

広背筋は肩関節を屈曲させた(手を上げた)状態から伸展させる(手を前に下ろし後ろに持っていく)ときの役割が大きい。この動きはチンニングの動きそのものであるから、チンニングでは自分の体重がダイレクトに広背筋への負荷となる。

そのため、チンニングは負荷の大きい種目でもあり、自重よりも負荷を下げたいときにはラットプルダウンが使われる。無論、ラットプルダウンがチンニングよりも優れているのは、負荷をコントロールできることにある。

チンニングやラットプルダウンのコツは肩甲骨を下制させる(胸を張る)ことで、これにより腕に負荷が逃げたり肩を痛めたりすることがなくなる。

ドアジムには制約が多い

そもそもドアジムが設置できない。設置しても壁が壊れるかもしれない。ドアジムはチンニングに最適化されていない。したがって、ドアジムには制約が多い

そもそもドアジムが設置できない

ドアジムは強度の高い「突っ張り棒」だが、強度を維持したまま「棒」の長さを伸ばすには限界がある。だから、どれだけ長いドアジムでも長さは1mが限界であり、1m幅の空間は家の中にあまりない。

ドアジムは名前のとおり「ドア」を使うトレーニング器具だが、正確にはドアを開けたときの空間を使う。だから、「開き戸」では使えないし「引き戸」の種類によっても使えないことがある。

例えば、ドアがガラスで作られいると、ドアジムとドアが接触することでガラスのドアは簡単に割れてしまう。

ドア以外の1m幅の空間といえば「廊下」くらいだが、最近はスペースを有効に使うために廊下がない間取りの家も多い。

設置しても壁が壊れるかもしれない

幸運にもドアジムを設置できそうな空間があっても、ドアジムの先端(末端)を固定するためにはしっかりとした「基盤」が必要であり、これが満たされていないと壁を壊してしまう可能性がある。

ドアジムの構造は、「バー」にかかる負荷(=自重)を左右の壁に「基盤」を通して逃がすようになっている。つまり、自分の体重と同じ負荷が左右の壁にかかる。

家の壁は骨組みに石こうボードを張り付けていることが多く、その場合は壁の奥に空間がある。だから、人の体重を支えるのに十分な強度がないこともある。

壁以外の家具も横からの力を支えるようには作られていないから、ドアジムを設置できる場所がなくても珍しくない。

それから、ドアジムの基盤はネジなどでしっかりと壁に固定しなければならないものも多く、賃貸物件では使用できないこともあるだろう。

ドアジムはチンニングに最適化されていない

基盤を固定するためにネジを使わないドアジムもあるが、ここまでの制約を回避してドアジムを設置したところで、そもそも1m幅の空間ではチンニングの動きを最適化することはできない。

チンニングをするときに必要な幅は腕の長さにもよるが、肩幅の1.5倍は必要だと考えるべきだ。手を横に水平にしてから、肘から直角に上へ曲げたときの肘から肘までの幅が、チンニングをするときには必要だ。

この幅が1mより小さくても、チンニングの動きでは肘の位置が動くため、ドアジムを設置した空間の幅が1mしかないと、かなり窮屈な動きになることが分かる。

チンニングにもグリップのバリエーションがあって、「パラレル」なら親指が見える向きにグリップを握る。このときはチンニングに必要な空間の幅も小さくなるが、僧帽筋の関与が大きくなる。

ぶら下がり健康器はQOLを上げる

ぶら下がり健康器はチンニングに最適化されている。ディップスなどができるものもある。占有スペースの問題を解決できる。したがって、ぶら下がり健康器はQOLを上げる

ぶら下がり健康器はチンニングに最適化されている

元々、ぶら下がり健康器はぶら下がって「ストレッチするため」に作られたものだが、最近は「チンニングするため」のトレーニング器具として作られているものも多い。

ストレッチするためのぶら下がり健康器とチンニングするためのぶら下がり健康器の違いは、ぶら下がるための「バー」にある。ストレッチ目的のぶら下がり健康器ではバーの幅が肩幅もあれば十分だが、チンニング目的のときは肩幅よりも広くなっている。

広背筋を鍛えるためにチンニングをするのであれば、肩幅よりも広いバーがあるぶら下がり健康器がいい。肩幅より広い「順手」のチンニングが、広背筋を鍛えるためには最も有効な種目である。

ディップスなどができるものもある

ぶら下がり健康器は人の体重を支えるための構造上、底面が大きく作られている。だから、ディップスバー(水平方向のバー)を付けても、ぶら下がり健康器の大きさ以上に空間を圧迫しない。

例えば、WASAIのぶら下がり健康器にはディップスバーが付いていて、ディップスはもちろん、ハンギングレッグレイズをすることもできる。

ディップスは大胸筋を鍛える種目として、自重トレーニングの中では負荷の大きい種目である。しかし、水平方向に並ぶ二本のバーは日常生活ではあまりなく、パワーラックやぶら下がり健康器でもないと自宅でトレーニングに取り入れるのは難しい。

それから、ハンギングレッグレイズも腹筋を鍛える種目として、自重トレーニングでは負荷の大きい種目である。ディップスと同じように、パワーラックやぶら下がり健康器がないと自宅でトレーニングに取り入れるのは難しいだろう。

ぶら下がり健康器は、チンニング、ディップス、ハンギングレッグレイズといった種目を自宅で再現できる効率的なトレーニング器具である。

パワーラックは置けなくても、ダンベルとベンチ、ぶら下がり健康器があれば、ジムでトレーニングするのに近い負荷を自宅でも再現できるようになる。

しかも、ぶら下がり健康器は10,000円以下で買えるものが多くコストもかからない。簡単な構造だから一人でも組み立てられるし、壊れたりすることもあまりない。

占有スペースの問題を解決できる

ぶら下がり健康器の大きさは、高さが2mで底面も1㎡はあるから、占有するスペースは大きい。しかし、トレーニング器具以外の活用も考えれば、占有スペースの大きさというデメリットを打ち消すこともできる。

例えば、「ハンガーラック」や「物干し台」として活用するには十分な大きさがある。実際、一週間の中でぶら下がり健康器をトレーニングに使う時間は1%にも満たないから、99%以上で二次的な活用ができる。

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ぶら下がり健康器は人の体重を支えるために底面を大きくして力を分散させている。それから、ぶら下がり健康器を使ったトレーニングは自重トレーニングが中心になるから、ぶら下がり健康器自体を重くする必要がない。

そのため、ぶら下がり健康器はその大きさの割には軽く作られていて、移動させることも容易だ。だから、使わないときは部屋の隅でハンガーラックとして使い、トレーニングをするときだけ取り出すといったこともできる。

アイディーは英語が「もっと」書けるようになりたい人を見ている

アイディーで英語を書くことに自信がつく。アイディーには英語が「もっと」書けるようになる仕組みがある。アイディーは英語が書けるようになりたい人を見ていない。したがって、アイディーは英語が「もっと」書けるようになりたい人を見ている

アイディーで英語を書くことに自信がつく

アイディーはいつでも書ける。アイディーはたくさん書ける。アイディーはいろいろ書ける。したがって、アイディーで英語を書くことに自信がつく

アイディーはいつでも書ける

アイディーは世界中で活躍する英語教育のプロフェッショナルが協力して運営する「オンライン英文添削」サービスだ。手元のデバイスを使っていつでも英文を書き、その添削を受けられる。

アイディーで書いた英文は、ネイティブ以外にも英語の翻訳家や通訳者などが添削する。これらの講師は世界中にいるため、時差を利用して日本時間の夜でも添削を可能にしている。

英文を添削してもらうときは、添削する「講師」と「方法」の四つの組み合わせから一つを選ぶ。「講師」は「ネイティブ」または「英語専門家」が選べて、添削結果はネイティブなら英語、英語専門家なら日本語になる。

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「方法」は「学べる添削」か「お手軽添削」が選べる。これらの違いは英文を添削してもらう目的にある。

学べる添削は添削結果に詳細な解説が付いていて、文字通り「学び」が目的になる。それに対して、お手軽添削の添削結果ではシンプルな解説が付いているだけなので、英文法やスペルのチェックといった「校正」が目的になる。

英文を入稿するときに「英語専門家」による「学べる添削」を選ぶと、英文の日本語訳を一緒に入稿しなければならないのが若干の手間になる。

アイディーはたくさん書ける

アイディーの料金プランには「ポイント支払い(都度利用)」と「定期券支払い(定額利用)」の二つがある。定期券支払いは料金だけでなく一日に入稿できる単語数も決まっているが、単語数が少ない50単語プランであっても十分な分量がある。

実際、競合するHiNative Trekでライティングする英文が30単語前後だから、英語を書くことに慣れていないと、50単語の英文を書くことにはそれなりの時間がかかる。

定期券支払いでは一日に入稿できる単語数が決まっているが、決められた単語数を超えて英文を書いた場合は、超過した単語数に応じてアイディーのポイントを支払えば入稿できる。

このポイントは「ポイント支払い(都度利用)」でも使われているポイントで、購入またはキャンペーンで付与されたときにたまる。また、新規登録したときにもポイントは付与されるので、定期券支払いを選ぶ場合は単語数が超過したときに消費するといい。

ポイント支払いを毎日使っていると割高になるので、試しにアイディーを使ってみるときや、英文の校正を依頼したときに使うのがいいだろう。

アイディーはいろいろ書ける

アイディーでは七種類の英文が書けるため、いろいろな英語を書くトレーニングになる。

具体的には、自由度の高い「英語日記課題」「自由英作文課題」「持ち込み英文」と、基礎的な英作文の「日替わり英作文課題」「和文英訳課題」「写真描写課題」、ビジネスでも使える「英文Eメール課題」がある。

このうち「日替わり英作文課題」と「英文Eメール課題」は毎日新しい課題が配信されていて、「自由英作文課題」「和文英訳課題」「写真描写課題」は不定期で新しい課題が配信されている。

アイディーには英語が「もっと」書けるようになる仕組みがある

英語を自由に書いても添削してくれる。英文を業界最安値で添削してくれる。スピーキングでライティングを助けてくれる。したがって、アイディーには英語が「もっと」書けるようになる仕組みがある

英語を自由に書いても添削してくれる

「英語日記課題」「自由英作文課題」「持ち込み英文」のようにカタチが決まっていない英文でも、アイディーは添削してくれる。

例えば、HiNative Trekならこのようにカタチが決まっていない英文の添削は受けられない。ビジネスメールみたいなカタチが決まっているものには強いが、日記みたいに人によって表現方法がバラバラなものは苦手だ。

アイディーはその逆で、「英文Eメール課題」はあるものの、課題を解くための知識コンテンツが分かれているため、アイディーだけでビジネスメールの書き方を学ぶのは難しい。

英文を業界最安値で添削してくれる

英文を添削するとき複数の英文を同時に添削することはできないから、添削する人の作業効率は上げにくく需要に対する供給が間に合わない。そのため、英文添削サービスの料金は高くなりがちだが、アイディーは添削をネイティブに限定しないで受け皿を大きくしているため、業界内でも最安値に近い料金になっている。

アイディーの定期券支払いは、一日50単語で5,478円から利用できる。これはHiNative Trekの19,600円の三割料金である。

アイディーを使って継続的に英語を書きたいときは、「定期券支払い(定額利用)」から料金プランを選んだ方が安い。定期券支払いの料金プランは八つに分かれている。

八つのプランは主に「添削方法」「書ける英文」「単語数」の組み合わせが異なる。

「添削方法」の料金プランは「学べる定期券」と「お手軽定期券」が選べて、学べる定期券なら「学べる添削」も「お手軽添削」もできるが、お手軽定期券では「お手軽添削」しかできない。だから、料金も学べる定期券>お手軽定期券である。

「書ける英文」は「スタンダード」と「ライト」に分かれていて、どちらも「英語日記課題」「日替わり英作文課題」「自由英作文課題」「和文英訳課題」は書けるが、「持ち込み英文」「写真描写課題」「英文Eメール課題」はスタンダードだけが書ける。

「単語数」は「一日100単語」か「一日50単語」を選べる。100単語または50単語を超えてしまっても、超えた分だけポイントで支払うことができる。

「添削方法」を学べる定期券、「書ける英文」をスタンダード、「単語数」を一日50単語にしても10,780円だから、HiNative Trekよりも一単語あたりの料金は安い。

スピーキングでライティングを助けてくれる

「書ける英文」をスタンダードの料金プランにすると、「英文読み上げ機能」が使える。この機能を使うと添削結果のスピーキングもトレーニングできるから、ライティングだけをトレーニングするよりも効率がいい。

英語のライティングは、英語を「書く」「学ぶ(添削)」「使う」のサイクルで進めていく。「使う」はもちろん次に英語を書くときにも使えるが、ライティングでしかアウトプットしないと使う前に忘れてしまう。

アイディーは英語が書けるようになりたい人を見ていない

英語の書き方を教えてくれるなら英語が書けるようになりたい人を見ている。アイディーは英語の書き方までは教えてくれない。したがって、アイディーは英語が書けるようになりたい人を見ていない

英語の書き方を教えてくれるなら英語が書けるようになりたい人を見ている

英語を書けない人が英語を書けるようになるためには、英語の書き方を教えてもらわないといけない。英文法や英単語の知識があっても、英語の論理構造も知らないと書けないし、ビジネスメールのようにカタチが決まったものもあるからだ。

英語は日本語とは正反対で低コンテクストな言語だ。だから、主張をするなら理由をセットで説明しなければならない。日本語のように「察する」ことが一般的ではない。

アイディーは英語の書き方までは教えてくれない

アイディーはいろいろな英文が書けて、その中には英語を自由に書けるものもある。しかし、それらは英語を書く枠組みを与えているだけで、英語の書き方を教えることとは違う。

英語を書く枠組みとは「このようなテーマで英語を書いてください」といったことで、「このように英語を書いてください」「このような英文はこのように書きます」ではない。

アイディーは、英語が書ける人に向けて「格差社会を解決するためにやるべきこと」や「食事を健康面から評価すること」といった枠組みを与えることで、考えて学ばせる仕組みになっている。

この仕組みをうまく使えば、英語が「もっと」書けるようになることは間違いない。

しかし、英語ライティングの立ち上がりからアイディーを使うよりも、HiNative Trekのようにライティングを始める「きっかけ」づくりがうまいサービスを使って、慣れてきたところでアイディーに切り替えるのがベターな方法だと思う。

1byoneの体重計はタニタやオムロンと戦略が異なるが価値は同じだ

1byoneは「コストリーダーシップ戦略」を取っている。タニタやオムロンは「差別化戦略」を取っている。「価格」と「価値」は比例しない。したがって、1byoneの体重計はタニタやオムロンと戦略が異なるが価値は同じだ

1byoneは「コストリーダーシップ戦略」を取っている

体重計はコモディティ化した。1byoneの体重計は必要十分である。タニタやオムロンよりも安く買える。したがって、1byoneは「コストリーダーシップ戦略」を取っている

体重計はコモディティ化した

家庭用の体重計は歴史が長く、その間に人が使える技術も格段に進歩した。長い時間と技術の進歩は、体重計がコモディティ化するには十分な資源となった。

初期の家庭用体重計はアメリカで普及して、その後タニタが日本へ持ち込んだ。タニタが日本で体重計を作り始めたのが1959年だから、日本の体重計には現在までで60年以上の歴史がある。

それから、今や体重計よりも複雑な構造を持つであろう家電や電子機器でさえ、中国企業はすぐさま自社で製品化できてしまう。つまり、世界的にモノがコモディティ化するスピードは格段に早くなっている。

1byoneの体重計は必要十分である

コモディティ化したのは体重を測る「体重計」としての機能だけではない。体脂肪率や内臓脂肪レベルといった「体組成計」としての機能もコモディティ化していて、1byoneの体重計も体組成計ができることはできるため、体組成計といった方が正しい。

1byoneの体重計は、各社の体組成計が測定できる体脂肪率やBMI、基礎代謝量、骨量、体水分率、筋肉量、内臓脂肪レベルなどを余すことなく測定できる。それに加えて、Bluetoothを使ってスマホ専用アプリ「1byone Health」へ測定したデータを連携することもできる。

1byone Healthには体重計で測定したデータをスマホへ転送する(取り込む)機能と、転送されたデータをダッシュボードやグラフで確認する機能がある。また、1byone HealthからiOS標準アプリ「ヘルスケア」へ自動でデータを連携させることもできる。

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タニタやオムロンよりも安く買える

コモディティ化したモノを売る企業は薄利多売の経営戦略を取ることが多い。コモディティ化しているということは、自社だけでなく他社も同スペックのモノを売ることができるから、この競争で勝つためには価格を下げるのが一つの手段になる。

1byoneの体重計を、日本で体重計(体組成計)を作る大手タニタ、オムロンの製品と比べると、同スペックの体重計では二社の製品の三割価格で買えることが分かる。

体重から体脂肪率や内臓脂肪レベルなどを測定できて、Bluetoothを使ったスマホへのデータ連携もできる製品は、タニタやオムロンだと最低でも7,000円前後であるのに対して、1byoneは2,000円前後である。

タニタやオムロンは「差別化戦略」を取っている

タニタやオムロンは機能や仕組みが他社とは異なる。「細かく分かる」は機能の違いだ。専用アプリで囲い込みをしている。したがって、タニタやオムロンは「差別化戦略」を取っている

タニタやオムロンは機能や仕組みが他社とは異なる

タニタやオムロンなど大手は、コモディティ化した体重計・体組成計の市場で戦うために独自の「機能」や「仕組み」を導入している。タニタやオムロンが武器にしたのは「精度」ではない。

各社の体重計で体重を測れば分かるが、どの体重計で測った体重にも大きな差はない。体重計において、体重を測る構造上の仕組みは同じだからだ。

もし、使う体重計ごとに差があったとしても、同じ体重計を使い続けるなら自分の体重変化を見るだけだから問題ない。体重は他人と比べるものではなく、過去の自分と比べるものだからだ。

「細かく分かる」は機能の違いだ

タニタやオムロンの上位モデルには、体重を50g単位で測定できるものがある。これはあくまで機能であって、体重が50g単位で分かるからといって精度が高いわけではない。

実際、体重が50kgの人にとっての50gは体重の0.1%にすぎないから、50g単位で体重が分かったところで結果は誤差の範囲内である。

体の水分量は一日の中でも変化するため、体重や体脂肪率は測定する時間でも大きく変わる。例えば、体重を朝に測ったときと夜に測ったときでは1〜2kg変わっていることもあり、体重が50kgの人であれば2〜4%の変化になる。

この変化の大きさと比べれば、50gが分かることにそれほどの重要性はないことが分かる。50gが分かっても、より筋肉を付けたり、より体脂肪を落としたりできるわけではない。

他には体重計にのってから体重を測るまでの時間が短いなどの細かい機能もあるが、各社の体重計を横に並べて使い分けでもしないかぎり、その違いには気づきもしないだろう。

総じて、これらの機能は「あったらいい」機能であって、「あるべき」機能ではない。買い換えたときに初めてその違いに気づく程度の機能である。

専用アプリで囲い込みをしている

タニタやオムロンは体重計や体組成計以外の健康機器も作っていて、スマホのアプリでデータ管理をする場合は、他の健康機器も同社の製品にした方が都合がいい。

現状では各社アプリに対応する製品は、各社のアプリでしかスマホへデータを転送できない。だから、二つ以上の健康機器から測定したデータを転送したいとき、それぞれが別会社の製品だと二つのアプリを使ってデータを転送しなければならない。

だからこそ、各社はアプリの完成度を上げて自社のプラットフォームを使わせようとしている。タニタは「Health Planet」で、オムロンは「OMRON connect」だ。

タニタ、オムロンともにスマホのアプリに対応する製品を増やしていて、両社とも「血圧計」「活動量計」「体組成計」は展開している。オムロンにはさらに「体温計」「パルスオキシメータ」もある。

無論、二つ以上のアプリを使ってデータを転送する手間を惜しまず健康機器にかかるコストを下げたいなら、最も安い健康機器を選べばいい。しかし、体重計のように毎日使うものはストレスの積み上げが大きくなることを理解するべきだ。

「価格」と「価値」は比例しない

価格が上がると精度も上がるなら価値も上がる。価格が上がっても精度は上がらない。したがって、「価格」と「価値」は比例しない

価格が上がると精度も上がるなら価値も上がる

もし、1%の誤差も出さず絶対的に正しい体の組成が分かる体重計(体組成計)があるなら、高い金を出してもそれを買う価値はあるだろう。それなら、他人の体の組成の変化を参考にして体づくりもできる。

例えば、「体重」を測る技術は確立していて、人が体重計にのると体重計の中にある金属がひずむ。この金属の「ひずみ」を電気的に測定すること(「力」を「電気信号」に変換すること)で体重は測られている。

だから、体重はどの体重計を使っても大きく変わることがなく、ある程度は信頼のできる「指標」として体づくりに使われている。しかし、「体脂肪率」を指標として使う人は少ない。

そもそも「体脂肪率」とは、人の体の中にある体脂肪の割合である。体重は人の体の質量をそのまま測るだけだから難しくないが、体脂肪は人の体の「一部」の質量を測るわけだから、体重のように簡単には測れない。

この体脂肪率の「絶対的な」精度が体重計によって変わるなら、精度の高い体重計は体づくりをする人たちの間でスタンダードになっていてもおかしくない。

価格が上がっても精度は上がらない

「体重」を測る精度は各社が同じレベルにあるため価格と精度が比例しない。そして、もう一つの指標である「体脂肪率」を測る精度も、推測でしか計算できないため価格と精度は比例しない。

家庭用の体重計で体脂肪率を測るとき、体重計はBIA(Bioelectrical Impedance Analysis)という技術を使っている。BIAは人の体を均質な円柱に見立てた上で、電気の伝導性から体水分と体脂肪を測定する。

まず、この点において人の体は「均質な円柱」ではない。だから、電気の伝導性を調べてから統計データを使って体脂肪率を計算する。つまり、この統計データが異なれば体脂肪率も異なる。

そして、この統計データは各社が独自にサンプリングしたデータであるから、各社の体重計で測定した体脂肪率が大きく異なる原因にもなっている。さらには、どの会社の統計データが確からしいかを議論することもできないため、会社によって優劣もつけられない。

実際、オムロンの体重計はタニタのものより体脂肪率が5%も高く測定されることがある。1byoneはタニタに近いが、これは傾向であって絶対的なものではないため、どちらがいいとも言えない。

結局のところ、体脂肪率を絶対的に正しく測定することはできないのだから、同じ会社の同じ体重計を使い続けることが唯一の解決方法になる。たとえ体脂肪率が他社の体重計よりも高かろうが低かろうが、自分の体脂肪率の推移だけは信頼できるものだからだ。

体重計や体組成計がコモディティ化したといっても、体重や体脂肪率を測定する技術は変わっていない。逆に、これらの技術が変わらなかったからこそ、体重計や体組成計がコモディティ化したとも言える。

スクワットの負荷はダンベルよりハック×ショートで再現すべきだ

ダンベルスクワットは(バーベル)スクワットを再現できない。ハックリフトがスクワットに最も近い。ショートバーベルはハックリフトと好相性である。したがって、スクワットの負荷はダンベルよりハック×ショートで再現すべきだ

ダンベルスクワットは(バーベル)スクワットを再現できない

高重量でなければスクワットではない。ダンベルスクワットは高重量にできない。したがって、ダンベルスクワットは(バーベル)スクワットを再現できない

高重量でなければスクワットではない

スクワットは「高重量=効率的」が成り立つ最もシンプルな種目である。高重量なのは関与する筋肉が多いことの結果であり、同時に複数の筋肉を鍛えられる理由でもある。だから、スクワットはThe King of Exercisesといわれる。

スクワットは漸進性の原則に従って重量を増やせる種目だ。このとき、上半身の筋肉は漸進性の原則にあらがうボトルネックにはならない。スクワットは下半身の筋肉の成長だけを見ている。

スクワットは「大腿四頭筋」だけを鍛える種目ではない。正しいフォームのスクワットでは大腿四頭筋以外の「ハムストリングス」や「大臀筋」「下腿三頭筋」など、下半身の筋肉全体が鍛えられる。

下半身の筋肉は骨格筋全体の50~70%といわれていて、これらの筋肉を同時に鍛えられるのだからスクワット以上に効率的な種目はない。

ところで、正しいフォームのスクワットとは、バーベルが常に足の裏の中心を軸として垂直に上下している状態をいう。この状態で太ももが床と平行になるまでしゃがむと、股関節が前傾してハムストリングスも使われる。

ダンベルスクワットは高重量にできない

(バーベル)スクワットとダンベルスクワットでは、バーベルを両手で持つか、ダンベルを片手で持つかの点が異なっている。そして、残念ながら片手で持てるダンベルの重さは、両手で持てるバーベルの重さの半分にはならない。

両手で100kgのバーベルを持てるからといって、50kgのダンベルを左右の手で持てるわけではない。しかも、(バーベル)スクワットはバーベルを両手で「持つ」のではなく肩に「担ぐ」という表現が正しい。

仮にダンベルスクワットで(バーベル)スクワットと同じ重量を持てたとしても、下半身の動きは(バーベル)スクワットと同じにはならない。つまり、(バーベル)スクワットのように「上半身の筋肉がボトルネックにはならない」とは言えない。

ダンベルスクワットでは両手をダラリと下に下げた状態になるから、しゃがんだときにダンベルが脚とぶつかる。ダンベルと脚がぶつからないためには、スタンス(脚を広げる幅)を狭くするか、腕を横に広げる(肩を上げる)かしなければならない。

しかし、スタンスを狭くすればしゃがんだときに骨盤と大腿部が接触するため、太ももが床と平行になるまでしゃがめない。すると、ハムストリングスが使えないから(バーベル)スクワットよりも効率が落ちる。実際はしゃがめないこともないが、ムリをすれば腰が丸まってしまい腰に負荷がかかる。

また、腕を横に広げるのはスクワットしながらシュラッグするようなもので、下半身を鍛えるスクワットの目的から外れてくる。重量を増やせば増やすほど下半身だけでなく肩の負荷も増える。

ハックリフトがスクワットに最も近い

スクワットができないときもある。ハックリフトは高重量にできる。ハックリフトには制約が少ない。したがって、ハックリフトがスクワットに最も近い

スクワットができないときもある

スクワットができるならスクワットをやるべきだが、スクワットをするには何かと制約が多いことも事実だ。だから、スクワットに代わる種目を考えなければならないときもある。

スクワットをするには、バーベルだけでなく「パワーラック」または「ラックとセーフティー」が必要になる。そして、何よりもこれらを設置した上でバーベルを上げるための空間も必要だ。

パワーラックやラック、セーフティーといったトレーニング器具は、ジムにある本格的なものでも数十万円もあれば買える。しかし、これらを設置する空間を買うためには、それ以上のコストがかかる。

例えば、自宅でジムと同じトレーニングをしたいと思うなら、それなりの空間のある自宅を購入または借りなければならない。自宅の購入は言うまでもなく、賃貸ならトレーニング器具とは違って固定費として毎月の賃貸費用が発生する。

ハックリフトは高重量にできる

ハックリフトはバーベルを両手で持つから、ダンベルスクワットよりも高重量になる。スクワットのようにバーベルを肩に担ぐわけではないから、スクワットよりは重量が下がる。

ハックリフトはデッドリフトのバリエーションとも考えられている。デッドリフトは言わずと知れた高重量種目であり、ハックリフトをバーベルを後ろ側で上げるデッドリフトと考えれば、高重量になるのもうなずける。

スクワットのバリエーションにはフロントスクワットもある。フロントスクワットも両手でバーベルを持つから高重量にはなるが、バーベルが高い位置で動くからラックやセーフティーが必要になる。

ハックリフトには制約が少ない

ハックリフトはダンベルスクワットのようにダンベルと脚がぶつかることがないし、スタンスを狭くする必要もないから、腰への負担もかからない。

スタンスを広く取れるため、骨盤を前傾させてハムストリングスが使えるから「高重量=効率的」になる。腕を広げることもないから下半身の動きに集中できる。ただし、バーベルが脚の裏の中心よりも後ろ側を軸とした垂直運動になる。

この点において、フロントスクワットはバーベルが脚の裏の中心よりも前側を軸とした垂直運動になるから、前に倒れてしまわないためには股関節の前傾が制約になる(上半身を起こさざるを得ない)。だから、フロントスクワットではハムストリングスがあまり使われない。

ショートバーベルはハックリフトと好相性である

ショートバーベルもハックリフトもラックを気にしない。ショートバーベルもハックリフトもセーフティーを気にしない。ショートバーベルもハックリフトも空間を気にしない。したがって、ショートバーベルはハックリフトと好相性である

ショートバーベルもハックリフトもラックを気にしない

ハックリフトはスクワットのようにラックアップする必要がないから、ショートバーベルを使ってもラックを気にする必要がない。

スクワットはスタートポジションをつくるためにラックが必要だ。ラックなしでスクワットのスタートポジションをつくるのはもはや「パワークリーン」に近い。ハックリフトのスタートポジションにおいて、バーベルは床にあるからラックを使わない。

ショートバーベルの長さは短いから対応するラックがないこともある。しかし、そもそもハックリフトのためにショートバーベルを使うなら、ショートバーベルとラックの対応を気にする必要がない。

ショートバーベルもハックリフトもセーフティーを気にしない

ハックリフトはバーベルが腰より高い位置に来ることはなく、つぶれてもバーベルをリリースしたときに体が巻き込まれることがないからセーフティーは必要ない。

スクワットはバーベルが肩の位置にあるため、つぶれたときに体がバーベルに巻き込まれる可能性がある。だから、体を守るためにもセーフティーが必要だ。

それから、体が巻き込まれなくても高い位置からバーベルを落とせば床がダメージを受ける。この点でもハックリフトは床へのダメージが少ない。ラバープレートとトレーニングマットを使っていれば、床には傷もつかないだろう。

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ショートバーベルもハックリフトも空間を気にしない

ハックリフトはスクワットができないときの代替手段である。スクワットができない理由の一つが空間を買えないからであり、ショートバーベルはこの理由を否定しない。

ショートバーベルの長さは160cmしかないから、一般的なオリンピックシャフトの長さ220cmよりも60cm短い。60cmの差はジムなら気にならないかもしれないが、自宅では大きな差である。

例えば、一般的なベッドの長さは200cmであるから、オリンピックシャフトはベッドよりも長い。自宅の部屋でベッドよりも長い金属の棒を高い位置まで上げるのはなかなかのストレスだ。

いっぽうで、限られた空間でもバーベルを使った種目を取り入れたいときはある。例えば、デッドリフトはショートバーベルなら自宅でも取り入れやすい。

160cmのショートバーベルであってもプレートスリーブは28cmあるから、20kgのプレートを八枚使って160kgのプレートを付けられる。また、ショートバーベル自体の重量は8kgである。

それに対して、より長さが短いEZバーやWバーもあるが、これらのプレートスリーブは18cmしかないため、ハックリフトやデッドリフトといったコンパウンド種目では重量が足りなくなる。

それから、ベントオーバーローもプレートを使うダンベルではダンベルと体がぶつかってしまうため、ショートバーベルがあると取り組みやすい種目の一つだ。

バーベルはストレングストレーニングにおいて最も基本的なトレーニング器具である。だから、制約の多い自宅トレーニングで少しでも効率を上げたいと思うなら、ショートバーベルの導入を検討するべきだろう。

HiNative Trekは英会話の伸び悩みから脱出するための糸口となる

HiNative Trekでは「実践英語」のライティングが身につく。英会話で伸び悩む人はライティングがボトルネックになっている。HiNative Trekはライティングが始めやすい。したがって、HiNative Trekは英会話の伸び悩みから脱出するための糸口となる

HiNative Trekでは「実践英語」のライティングが身につく

ネイティブの添削で「実践英語」のライティングは身につく。HiNative Trekはネイティブの添削に強い。したがって、HiNative Trekでは「実践英語」のライティングが身につく

ネイティブの添削で「実践英語」のライティングは身につく

英語のライティングには決まった正解がない。だから、ライティングした英文のデキはマルかバツかではなく、添削というかたちでしか評価できない。そうなると、英文の確からしさはできるだけ広い視点を持った人に評価してもらいたいから、評価者はネイティブであるべきだ。

英文の確からしさを評価することにおいて、非ネイティブがネイティブよりも優れているとは考えにくい。ネイティブは非ネイティブよりも英語に触れている時間が長いのだから、英文の確からしさを評価する感度も非ネイティブより高いはずだ。

それから、ライティングには決まった正解がないのだから、計算ドリルみたいに「問い」と「答え」をセットで覚えても意味がない。それよりも、自分で書いた英文のどこを修正したら確からしい英文になるのかを理解する必要があり、このように答案を修正していくことを添削という。

実際、問いに対する答えを一対一対応で覚えていても、答えのアウトプットはすぐさま頭打ちになる。テストのための英語ライティングなら十分でも、実践英語にはなり得ない。

HiNative Trekはネイティブの添削に強い

HiNative Trekでは、アメリカでのビジネス経験がある英語ネイティブだけが英文を添削する。ライティングする英文もビジネスシーンを想定しているため、実践英語のライティングを学ぶには文句のつけようがない。

競合するオンライン英文添削サービスには「アイディー」もあるが、アイディーはネイティブ以外も添削をするし、ビジネスシーン以外のライティングもできる。この点はアイディーの強みにもなるが弱みにもなる。

つまり、アイディーとHiNative Trekのターゲットは異なる。アイディーのターゲットは学生から社会人までと広いのに対して、HiNative Trekのターゲットは社会人に限定されている。だから、HiNative Trekは「ネイティブ」や「ビジネス」といった強みを生かすことができる。

ところで、HiNative Trekは月額19,600円の有料サービスだが、HiNativeという無料のサービスがあることを知っているだろうか?HiNative(無料版)とHiNative Trekはそもそものコンセプトが異なり、HiNative(無料版)は言語学習者による相互添削サービスになっている。

HiNative(無料版)では英文を添削するのがネイティブとは限らないし、そもそも添削されるか、添削されるまでにどれだけの時間がかかるかも分からない。これらの問題を有料化して専任の先生を付けることで解決したのがHiNative Trekである。

英会話で伸び悩む人はライティングがボトルネックになっている

四つの技能を学ばないと英会話で伸び悩む。ライティングはおろそかになりがちだ。したがって、英会話で伸び悩む人はライティングがボトルネックになっている

四つの技能を学ばないと英会話で伸び悩む

英語は「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」の四つの技能に分けられる。英会話ではリスニングとスピーキングを使うが、リーディングやライティングの習熟度もこれらの技能に影響を与える。

特に、スピーキングとライティングの関係性は強い。基本的には「ライティングできること」が「スピーキングできること」を包含している(ライティングできること⊃スピーキングできること)。

まず、スピーキングできる英文はライティングもできる。(英語を含めて)識字率の高い日本において、話せるのに書けないなんてことはないから、簡単にイメージできるだろう。

反対に、ライティングできる英文はスピーキングもできるとは限らない。反例を上げれば、TOEICでは高得点が取れるのに英会話ができない人は多くいる。

つまり、スピーキングだけを練習していてもその分だけしか英語の技能は伸びないが、ライティングも練習していればスピーキングできる以上の技能が身につく。

ここで身についたライティングの技能はスピーキングを練習するときの土台にもなるから、スピーキングだけを練習したときよりも効率が上がる。

ライティングはおろそかになりがちだ

日本の英語教育ではリーディングに次いでライティングが重視されてきた。そのため、学校の外で英語を学ぼうとすると、リスニングとスピーキング(=英会話)ばかりが重視されてしまう。その結果として、日の目を浴びないのがライティングである。

実際、社会人の英語学習といえば英会話や多読を思い浮かべる人が多い。英会話には英会話スクールやオンライン英会話が充実しているし、多読は本さえあればどこでもできるから取り組みやすい。

英会話や多読も英語の技能を伸ばすために取り組むべきことだが、本来はそれと同じくらいライティングにも学びの機会は提供されているべきだ。これまでの英語教育があまりにもリーディング(と、それに次いでライティング)に偏っていたせいで、英会話でリスニングやスピーキングの基礎技能を向上させる需要が圧倒的に高く、多くの人が自分に足りないのはリスニングやスピーキングだと思っている。

これは半分正解だが半分不正解だ。先にも言ったとおり大切なのは英語の四技能をバランスよくトレーニングして、各技能が他の技能をサポートできるようにすることだ。

HiNative Trekはライティングが始めやすい

ライティングを始められないのは強制力がないからだ。HiNative Trekはライティングの強制力をつくるのがうまい。したがって、HiNative Trekはライティングが始めやすい

ライティングを始められないのは強制力がないからだ

英会話はレッスンが始まると(強制的に)リスニングやスピーキングをしなければならない。しかし、ライティングは目の前に課題があっても、いつでもライティングをやめることができる。

実際、英文添削サービスのアイディーのように多くのジャンルで英文を書ける環境に放り込まれても、そもそものライティング方法を知らなければライティングの始め方も分からないし、ライティングの性質から簡単にやめることもできる。

例えば、いきなり「ビジネスメールをライティングせよ」と言われても、ビジネスメールの書き出しを知らなければ何を書けばいいのかすら分からないだろう。

HiNative Trekはライティングの強制力をつくるのがうまい

HiNative Trekは最も簡単な方法でライティングの強制力をつくっている。それは、「書くべきこと」と「書くべきことの書き方」をセットで課題として配信することだ。

HiNative Trekを始めると、特定のテーマに沿ったライティング課題と、課題を解くためのヒントが毎日(平日のみ)配信されてくる。ユーザーは配信された課題を解くかたちでライティングするだけだから、自分でライティングする内容を探さなくていい。

テーマは月ごとに「メール」や「電話」のように決まっている。それもいきなりメールの全文を書かせるのではなく、メールを分解して「あいさつ」や「書き出し」といったパーツごとに進めていく。

毎日の課題は慣れると30分あれば終わる分量になっているから、HiNative Trekもライティングだけでなく英会話などを同時に進行させることを推奨している。

提出した課題は最短で当日の夕方から、遅くとも次の課題配信日までに添削される。添削された内容は全て英語で書かれている。課題の配信からライティング、課題の提出、添削は、アプリまたはウェブ上のチャットツールで行われる。

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ライティング学習のいいところは、英会話のようにレッスン時間を決めなくてもいいことだ。しかも、学習時間を分割することができるから、忙しい社会人もスキマ時間を有効に使って学習を進められる。

HiNative Trekはライティング学習の性質を正しく理解していて、これまでライティングを学習したことがない人でも続けられる仕組みをつくっていると感じた。

英会話に英語の「聞き流し」効果はあるのか?

「英語を聞き流すだけで英会話が上達する」といったことをほのめかす教材があるが、本当に「聞き流し」だけで英会話が上達するのか?ここでは、英語の「聞き流し」の効果についてまとめる。

「聞き流し」で英会話を上達させることはできない

英会話を上達させる方法は、大きく分けてふたつある。ひとつは、実際の英会話でトレーニングをすることだ。もうひとつは、サテライト的に英会話で必要な能力をトレーニングすることだ。

いずれのトレーニングも伸ばすべき能力は共通していて、その方法が英会話か英会話以外かの違いにほかならない。

もし、「聞き流し」をトレーニングに分類するとすれば、後者のサテライト的トレーニングのなかになる。しかし、聞き流しといっても、言葉の定義が少しあいまいだ。

なぜなら、英語の聞き流しで対象となるコンテンツはさまざまだからだ。たとえば、聞き流すことを前提につくられた教材があれば、音楽や映像を聞き流すこともできる。

つまり、「聞き流し」を定義するにあたって、聞き流しはコンテンツで分類するのではなく、コンテンツに向きあう姿勢(思考の状態)によって分類されるべきだと考えた。

ここでは、「聞き流し」を「思考をともなわないインプット」と定義する。したがって、あらためて問題を書きなおすと、「思考はしていないが、なんらかの英語が聞こえている状態をつくることは、英会話を上達させるのか?」となる。

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そして、この問題をいくつかの切り口から考えてみたが、「聞き流し」によって英会話が上達することはない、というのが結論である。その理由は下記のとおりだ。

  • 英会話は「思考」しなければならない
  • 音に慣れることはできるかもしれない
  • 「流し」よりも「集中」が有効である

英会話は「思考」しなければならない

英語を聞き流すだけでは、「語彙力」を増やすことはできない。また、「文章構築力」も向上しない。さらには、「聞き取り」や「発声」といった能力の強化にもつながらない。

「聞き流し」で語彙力は増えない

英会話を上達させる方法は、「語彙」「文章の構築」「聞き取りおよび発声」といった能力をトレーニングすることだ。しかしながら、英語を聞き流すだけでは、「語彙力」を増やすことはできない。

語彙力を増やすためには、インプットした「語彙」を反復的にアウトプットしていく必要がある。短期的な記憶であれば、インプットの影響は大きい。しかし、長期的な記憶となると、アウトプットしていない語彙は、時間とともに記憶から消えていく。

エビングハウスの実験では、「無意味な音節」の忘却率が1ヶ月で79%にもなることが分かった。また、この忘却率は、無意味な音節を記憶する「ために」インプットしたときの結果だ。

つまり、思考をともなわない聞き流しは、エビングハウスの実験における「無意味な音節」の記憶定着率にもおよばず、1ヶ月79%以上の忘却率となることが推測できる。また、短期的な記憶としても定着することは期待ができないということだ。

文章を構築する能力も向上しない

また、「文章構築力」も向上しない。文章構築力とは、情報を関連づける能力である。情報を関連づけるには、思考が必要不可欠だ。

思考をともなわないのだから、情報を関連づけて文章を構築することができるようにはならない。英会話では、「文法」というルールにしたがい、適当な「語彙」をつかって文章を構築する。「文法」も「語彙」も情報である。

文章を構築しなくとも、挨拶などの「定型表現」はできると思うかもしれない。しかしながら、これは定型表現が長期的な記憶に定着した結果である。

ここで、フレーズのような定型表現をまるごと暗記してしまう「フレーズ暗記」は、上級者向けの学習方法だ。初級者や中級者は、0から思考して文章を構築するトレーニングをしたほうが、英会話の上達が早い。

思考することが記憶の定着を助けるだけでなく、失敗することによる学習の自己修正ができるようになるからだ。

音の聞き取りと発声に影響しない

英語を聞き流していても、英語が自然と聞き取れるようにはならない。また、「聞き流し」だけで発声能力を強化することもできない。

思考するということは、インプットした情報に「意味づけ」をするということだ。耳に入った「音」と、その音がもつ「意味」を関連づけることによって、「聞き取る力」が強化される。

また、意味づけされた情報を反復的にアウトプットすることが、「発声能力」を強化したり、「語彙力」を増やすことにつながっていく。

この「意味づけ」というのは、英語学習において非常に重要なプロセスだ。言葉のもつ「意味」を、頭のなかにある「イメージ」と関連づけることにも近い。

実際に、言語学者のChris Lonsdaleは、言語習得のためのアクションプランのひとつとして、意味づけ(ここでは「意味」と「イメージ」の関連づけ)を提唱している。

音に慣れることはできるかもしれない

「聞き流し」の効果が期待できるただひとつの可能性は、英語の「音」や「リズム」を知るということだ。ただし、有効性の範囲は限定的である。

もし、「英語」という言語をまったく知らない状態であれば、英語がどのような「音」と「リズム」で話される言語かを知ることはできる。

音楽を例にとると分かりやすい。なんらかの音楽が流れていると、思考することなしに、その音楽の「雰囲気」を感じることはできる。言語についても同じである。

しかしながら、このメリットを享受できるのは、知識がほとんどない状態に限定される。日本人であれば、義務教育のなかで英語の「音」や「リズム」を学習した経験がある。

つまり、英語をまったく知らない日本人の子どもには、英語を聞き流すことの有効性があるかもしれない。

「流し」よりも「集中」が有効である

「聞き流し」によって学習した「つもり」になることが、もっともよくないことだ。聞き流しは生産性に寄与するどころか、すればするだけ生産性を下げてしまう。せっかく時間を投入するのであれば、より効果的なことへの投入を検討するべきだ。

した「つもり」になってはならない

英語の「聞き流し」のもっともよくないところは、学習した「つもり」になってしまうことだ。

ここまでにまとめたように、聞き流しが英会話の上達に影響することはほとんどない。浴びるように英語を聞き流していても、英会話はまったく上達していないということだ。

そもそも、聞き流しという行為自体が、「手段の目的化」に近い行為だ。手段を問わず、英語を学習しようとする意欲まではよいが、途中からその「手段」を実行すること自体が目的になってしまう。

とくに、ストレスが少ないことは習慣化されやすい。そのため、その行為の有効性を検証することなく、生活のなかで継続してしまっている可能性がある。

「集中」することで生産性を上げる

学習している「つもり」で聞き流しを続けるくらいであれば、工数を切って短時間でも「集中」するほうが効果的だ。

「聞き流し」と「集中」の違いをひとことであらわせば、それは「生産性」の違いである。ここで、生産性は英会話の上達という「成果」を、英語学習にかける「時間」で割った比率のことだ。

たとえ思考をともなわない聞き流しであっても、英会話上達のために「時間」を投入していることは事実だ。しかし、聞き流しには生産性の分子となる「成果」が期待できない。

つまり、聞き流しをすればするだけ、生産性は下がっていくことになる。どれだけ分母が増えたところで、分子が増えることはないからだ。

英会話の上達は趣味的な目標であって、仕事のように生産性を追求する必要はないと考える人もいるかもしれない。しかし、趣味であっても生産性を考慮したほうが都合はよい。

視点を変えて「できること」をやる

「生産性」を念頭において考えるべき理由は、QOLの向上にほかならない。QOLを向上させるには、いま「できること」をやったほうがよい。

ここで、「できること」とは、実現可能性だけでなく、実現インパクトも考慮した「やるべきこと」である。とくに、後者の「実現インパクト」を考慮していなければ、それは「聞き流し」と変わらない。

つまり、聞き流しを英会話を上達させる「方法」と考えている場合は、その方法が正しいかどうかをしっかりと考えるべきだ。

いっぽうで、実際の英会話や机に向かった学習ができないときに、代替手段として聞き流しをしている場合、そのほかにできることがないかを考えるべきだ。

スキマ時間をつかった英語の学習方法のうち、もっとも効果的なのは洋書の「多読」である。多読は「リーディング」に特化した学習と思われがちだが、英会話の上達にも効果がある。

たとえば、多読が「語彙力」を増やすことや、「文章構築力」を向上させることができるのは自明だ。また、文字と音を関連づけさせることで、「発音」学習の助けにもなる。

実際に、英会話の講師はこれらの能力をトレーニングする手段として、多読をすすめてくることが多い。

「聞く」ことにこだわって学習するなら?

「聞く」または「聴く」ことにこだわった、英会話の上達方法があるのかを考えたい。

ユーチューブで学習する

「聞き流し」を学習にとりいれようとするということは、スキマ時間を有効につかいたいという気持ちのあらわれだろう。

前述したとおり、スキマ時間をつかってできるもっとも効果的な学習方法は「多読」だ。多読は英会話のように相手を必要としないことや、デバイスでもできることから、実行に対する制約は少ない。

しかしながら、それでも手がふさがっていれば、多読をすることもできない。たとえば、運転をしていたり、料理をしているときだ。

その解決方法となるのが、ユーチューブを使った学習だ。ユーチューブには英語のコンテンツがいくらでもあるため、音声だけでも聞きとるつもりで集中して聞けば、ある程度の学習効果は期待できる。

とくに、英語で「英語の学習方法」を聞くことは、ふたつの効果が期待できる。ひとつは「リスニング」の強化であり、もうひとつは「学習方法の学習」である。

audibleで学習する

また、audibleをつかった学習も効果的だ。audibleとは、アマゾンのオーディオブックである。

ユーチューブは映像ありきのコンテンツであることから、音声だけでは成立していないことがある。また、コンテンツのレベルにはばらつきもある。

しかし、オーディオブックであれば、当然音声だけで成立するようなコンテンツになっているため、多読すらできないときの代替手段となりえる。

実際に、多読の対象となるような洋書の多くがaudibleでも販売されていて、多読とは別に、オーディオブックによる「音声多読」もとりいれる効果はあるといえる。

筋トレの頻度は筋肥大にどのように影響する?

筋トレで筋肥大するために重要なことはなにか?適当な重量の設定か?または種目か?ここでは、筋トレにおける「頻度」と「筋肥大」の関係をまとめる。

筋トレの「頻度」は筋肥大にもっとも影響する要素だ

筋肥大を目的に筋トレをするとき、以前よりも重い「重量」をあつかうことは大切だ。同じ重量をあつかっていては、成長に限界がくる。

また、同じ重量であっても、「レップ数」を増やすことができれば、以前より負荷が増えたともいえる。重量を重くするだけが、負荷を増やす方法ではない。

しかし、レップ数も増やしつづけることはできない。とくに、高重量をあつかうデッドリフトやスクワットにおいて、レップ数を追求することが現実的でないことは理解できるはずだ。

結論をいうと、筋トレで「筋肥大」という成果をだすためには、トレーニングの「頻度」がもっとも重要な要素である。その理由は下記のとおりだ。

  • 筋肥大はボリュームで考える
  • ボリュームは頻度で考える
  • 頻度は部位の分割で考える

筋肥大はボリュームで考える

筋トレで筋肥大するには、週あたりのトレーニング「ボリューム」が大切である。ボリュームとは、「重量」「レップ数」「セット数」「頻度」の積で計算される数値だ。

最近の研究では、(適当な重量とレップ数を設定した)週あたりのトレーニングボリュームが同じであれば、トレーニングの頻度が週1回であろうが7回であろうが、筋肥大への影響は少ないといわれている。これを「ボリューム理論」という。

筋トレ初級者は、1週間に何回トレーニングをしたか?というように、週あたりのトレーニング頻度を重視する傾向がある。しかしながら、最近の研究データをもとにすれば、優先して考えるべきことは「ボリューム」である。

だが、実はこの初級者の直感はまちがっていない。「ボリューム」の大切さを念頭においたうえで思考を進めていくと、最終的にもっとも重要なことが「頻度」であることが分かるからだ。

ボリュームは頻度で考える

ボリューム理論では、トレーニングを「重量」「レップ数」「セット数」「頻度」に分解するが、「重量」は1RMの67〜87%が適当である。また、「レップ数」は適当な重量に応じて5〜12回とする。そして、「セット数」は8〜20セットのなかで、オーバーワークにならない範囲におさめる。これらを最大化するものが「頻度」である。

「重量」は1RMの67〜87%で考える

「重量」と「レップ数」は相互に関係している。筋肥大目的のトレーニングでは、重量を1RM(=Repetition Maximum、最大反復回数)の67〜87%にすることが効果的である。

1RMの67〜87%とは、5〜12RM(つまり、5〜12回が限界の重量)だ。したがって、重量、レップ数、どちらからのアプローチでもいいが、5〜12回が限界の重量を、限界まであつかうことがよいと分かっている。

たとえば、スクワットの1RMが100kgのとき、67〜87kgを限界まであつかうべきだ。ボリュームを増やすために、95kg10回や、65kg30回をおこなうことは現実的ではない。

「レップ数」は5〜12回で考える

「重量」を筋肥大に効果的な1RMの67〜87%にすると、「レップ数」は5〜12回になる。前述したとおり、レップ数と重量は相互に関係している。

いずれにせよ、1RMのレップ数を増やすことはできない(できるなら、1RMではない)。つまり、筋肥大の効果を最大化する「重量」と「レップ数」は、機械的に決まるということだ。

*1RMの算出方法はいくつかあるため、「重量」「レップ数」は参考までに

ただし、セット数を重ねていくと、必ずしも重量に応じたレップ数がこなせるわけではない。そのようなときは、限界まで力をだすサポートをしてくれる「クレアチン」が有効だ。

「セット数」は8〜20セットで考える

1週間のなかで、1部位あたりの「セット数」は、8〜20セットが最適である。20セットを超えると、オーバートレーニングになる可能性もある。

「重量」と「レップ数」は、筋トレの「経験」や鍛える「部位」によって、最適な数値が決まってくる。いっぽうで、セット数は、(最適な重量とレップ数であるという前提では)すべての人に共通した「限度」があるということだ。

ここで、部位は大きく「胸」や「背中」といった括りになっている。また、コンパウンド種目で刺激が入る部位は、セット数のカウントに含める。

セット数には「幅」があるため、セット数を増やすことによって「ボリューム」を増やすことができる。しかし、初級者は1部位あたり9セットを目指すことが、筋肥大と疲労 / 時間のバランスに優れる。

よくある、ぎりぎり10回上がる重量で10回3セット(つまり、10RM3セット)というのは、1部位につき3種目おこなうことで、初級者が目指すべき「重量」「レップ数」「セット数」になる。

「頻度」を増やせば質が上がる

「重量」「レップ数」「セット数」は機械的に決めることができるが、これらを最大化するものが「頻度」ということになる。つまり、トレーニングの頻度は、トレーニングの「質」を左右するものだ。

ボリューム理論にしたがうと、オーバーワークにならない範囲で「セット数」を増やしていくことになる。しかし、同じボリュームのトレーニングを週1回でおこなうのと7回でおこなうのでは、本当に同じ効果があるのか?

もし、週1回のトレーニングで週7回分のトレーニングが再現できるのであれば、効果は同じである。しかしながら、実際のところ、再現の実現難易度が非常に高いことが分かる。

当然のように、デッドリフトとスクワットを同日におこなうよりも、2日に分けておこなったほうが、あつかう「重量」や「レップ数」「セット数」も増えるはずだ。

つまり、トレーニングの「頻度」を増やすことで、1回のトレーニングにおけるボリューム(ここでは「重量」×「レップ数」×「セット数」)を増やすことができる。

これが、ボリューム理論において「頻度」が重要な理由である。

頻度は部位の分割で考える

効率的に体全体を鍛えるには、筋肉を「部位」ごとに分割する。そして、部位ごとの「セット数」を設定する。あとは、トレーニングの「頻度」を増やすことで、「質」を担保することができる。また、「スケジュール」をうまく組むことも、「質」を担保するためには必要なことだ。

「部位」に分解する

トレーニング頻度を増やすためには、まず、筋肉を「部位」ごとに分解する必要がある。部位の分解は、週あたりに確保できるトレーニング時間と関係している。

なぜなら、部位ごとのセット数には上限があり、トレーニング時間は「部位」×「セット数」で計算するからだ。つまり、セット数を上限の20セットで固定すると、時間を増やすのは部位だけである。

たとえば、部位を「胸」「背中」「脚」に3分割して、セット数を9セットにすると、トレーニングの総セット数は27セットになる。ここで、「肩」も個別に鍛えようとすると、トレーニングの総セット数は36セットに増える。

各種目1セットあたりにかかる時間(インターバル含む)を3分とすれば、このケースでは週あたり約30分、トレーニングの時間が増えることになる。

一般的には、「胸」「背中」「脚」「肩」「腕」の5分割が多い。しかしながら、初級者や時間がとれない人は、「胸」「背中」「脚」の3分割であっても、コンパウンド種目を中心にメニューを工夫することによって、体全体を鍛えることができる。

「セット数」を設定する

つぎに、「セット数」を設定する。これまでボリューム理論でメニューを組んでいない場合、まずは、週あたり9セットを目標にするのがよい。

前述したとおり、セット数を増やしすぎると、トレーニング時間が増えるだけでなく、オーバートレーニングにもつながるからだ。

慣れてくれば、セット数を徐々に増やしボリュームをかせぐ。たとえば、「部位」は5分割、「セット数」は12セット、 1セット平均3分のとき、週あたりのトレーニング時間は3〜3.5時間といったところだ。

「頻度」を増やす

週あたり3時間以上のトレーニングをおこなうときは、トレーニングの「頻度」がより重要になってくる。

1回のトレーニングに有効な時間は、60分ほどしかない。疲労や集中といった点でも、納得のできる時間だ。つまり、さきほどのセット数を増やした例では、週あたり4〜5回の頻度でおこなうことが理想的である。

「胸の日」や「背中の日」といったように、部位ごとにトレーニング日を分割している人も多いが、この分割方法は中級者、上級者向けである。ひとつの部位に適当な刺激をあたえるために種目数を増やし、結果として部位ごとの分割になっているだけだ。

初級者であれば、ひとつの部位を週内で分散させたほうが、1回のトレーニングにおける「質」が向上することはいうまでもない。つまり、「頻度」を増やせば分散効果も高まるため、トレーニングの「質」が向上し、結果的に「ボリューム」が増えるというわけだ。

「スケジュール」を組む

あとは、「スケジュール」をいかにうまく組むか、ということが重要だ。

ひとつの部位に対して、1, 2種目では適当な刺激があたえられないような上級者を除いて、基本的には部位の回復できるように、週あたりのトレーニング「頻度」を増やしてうまく分散する。

たとえば、5分割各12セットを週4回のトレーニングに分散することができるなら、デッドリフト、ベントオーバーロー、懸垂を同日におこなうよりも、月曜日にデッドリフトとベントオーバーローをおこない、金曜日に懸垂をおこなったほうが、背中のトレーニング「ボリューム」は増える可能性が高い。

「頻度」を増やすためには?

それでは、具体的なトレーニング「頻度」の増やし方を考えたい。

時間をつくる

ひとつは、単純に時間をつくることだ。これができれば話がはやい。たとえば、時間はあるが、ついつい筋トレ以外のことに時間をつかってしまう人だ。

もし、筋トレにさける時間に余力があれば、ぜひ「頻度」の重要さを理解したうえで、トレーニング日を増やしてみてほしい。

これができるということは恵まれている。ほとんどの場合、筋トレをしたくてもする時間がない、ということが多いからだ。

環境をつくる

忙しくて多忙な人は、自宅にトレーニング環境をつくることをおすすめしたい。完全な状態でなくても、自宅にダンベルさえあれば筋トレはできる。

たとえば、「肩」や「腕」のトレーニングは、ダンベルでも再現できる種目が多い。週3日はジムでコンパウンド種目を中心にトレーニングして、2日は自宅でダンベルトレーニングでもいいだろう。

パワーラックはむずかしくとも、ダンベルのほかにベンチも準備できれば、ジムへ行かずに多くの種目が再現できる。

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