クレアチンは太るのか?その効果と必要性は?

三大栄養素とは異なり、バリューアップ系のサプリメントは効果を実感することがむずかしいのは事実だ。ここでは、クレアチンの役割から摂取する目的を整理し、効果や必要性を検証してまとめる。

クレアチンは太る、そして多くの人にとっては必要だ

「クレアチンの摂取」と「太ること(≒体重の増加)」について、相関関係の優位性を示す研究結果は多い。クレアチンを摂取することで体重が増加する理由としては、クレアチンが筋内に水分を保持するという説が有力だ。*1

Increased muscle Cr content was associated with an increased body mass and TBW volume. Thus, supplementation does result in water retention. It was initially hypothesized that the water would be preferentially retained intracellularly, altering fluid distribution. However, this was not observed. Therefore, the theory of a Cr-related fluid shift is not supported because fluid distribution remained normal.
(筋内のクレアチン濃度の増加は、体重と体内水分量の増加と関連していた。つまり、クレアチンサプリメントは水分保持につながる。当初、水分は細胞内に優先的に保持され、体液の分布を変化させるという仮説を立てた。しかし、そうではなかった。体液の分布は正常値のままで、クレアチンによる体液の移動は、支持される結果にはならなかったからだ。)

しかしながら、クレアチンを摂取すると太るかどうか?よりも、そもそも、クレアチンを摂取することで期待する効果が得られるのか?ということのほうが、多くの人にとっては重要だろう。ここでは、クレアチンの役割を整理することで以下の結論に達した。つまり、クレアチンは大部分のトレーニーが摂取するべきサプリメントである、ということだ。その理由は下記のとおりである。

  • 多くの人に筋肉増加が期待できる
  • 摂取することによるリスクは少ない
  • かかるコストは許容の範囲内である

多くの人に筋肉増加が期待できる

クレアチンは筋肉を動かすためのエネルギー供給を補助する。クレアチンがエネルギー供給を補助することによって、無酸素運動のパフォーマンスを最大化できる。つまり、クレアチンの摂取がトレーニングの質を向上させる。また、現代的な生活をしている人の多くは、体内のクレアチンレベルが飽和状態にはない。このことは、クレアチン摂取の有効性をサポートする。

筋肉へのエネルギー供給を助ける

そもそも、人間の体内にはクレアチンが存在している。そして、クレアチンのほとんどは骨格筋に貯蔵されている。骨格筋に貯蔵されたクレアチンの役割は、筋肉へのエネルギー供給を助けることである。

人間は、筋肉を動かすときのエネルギーを、筋内に貯蔵されたアデノシン三リン酸(ATP)を分解することで得ている。しかし、筋内に貯蔵できるATPはごく少量である。したがって、無酸素運動などの瞬発的に多くのエネルギーを必要とする運動では、筋内ATPがすぐに枯渇してしまう。

枯渇したATPを再生産するのがクレアチンの役割だ。つまり、クレアチンはATPを再合成して、再び筋肉へエネルギーを供給する助けをしている。

運動パフォーマンスを最大化する

クレアチンサプリメントの目的は、運動時のパフォーマンスを最大化することである。プロテインとは異なり、クレアチン自体が筋肉を合成するわけではない。

クレアチンがATPを再合成して筋肉へのエネルギー供給を補助するということは、無酸素運動における最大パフォーマンスの持続時間を伸ばすことができるということだ。最大パフォーマンスの持続時間が長くなると、トレーニングのレップ数または負荷を増やすことができる。レップ数または負荷が増えるということは、トレーニングのボリュームも増えるということだ。

つまり、クレアチンの摂取は筋肥大へダイレクトに影響するわけではない。クレアチン摂取→無酸素運動の質向上→筋肥大のように、運動を「実行」することによって、はじめて効果があらわれる。

筋内の貯蔵量を飽和状態にしたい

ところで、クレアチンは体内に存在しているといった。それでは、クレアチンをサプリメントとして摂取する理由はなにか?クレアチンをサプリメントから摂取するべき理由は、体内のクレアチン貯蔵量を飽和状態にできるからだ。

まず、体内にクレアチンが存在しているということは、人間はクレアチンを体内で合成できることを意味している。しかし、体内で合成するクレアチン量だけでは、クレアチンの貯蔵量を飽和状態にすることはむずかしい。なぜなら、クレアチンを含む食べものは限られているからだ。

クレアチンは、おもに肉や魚に多く含まれる。いっぽうで、クレアチンは植物にはほとんど含まれていない。したがって、菜食主義者の多くは体内のクレアチンレベルが低いことで知られている。*2

Creatine is found mostly in meat, fish and other animal products, and the levels of muscle creatine are known to be lower in vegetarians.
(クレアチンはおもに肉や魚、その他の動物性製品に含まれる。したがって、ベジタリアンは体内のクレアチンレベルが低いことで知られている。)

多くの現代人は飽和状態にはない

つまり、クレアチンをサプリメントから摂取するかどうかを判断する基準は、体内のクレアチンレベルによるところが大きい。しかしながら、クレアチンの特徴から考えると、現代的な暮らしをする多くの人は、体内のクレアチンレベルが飽和状態にあるとはいえない。

そもそも、体内のクレアチンレベルは簡単に分かることではない。そうなると、状況証拠的に体内クレアチンレベルを推測するしかないわけである。クレアチンは肉や魚に含まれるといったが、実は熱処理などの調理によって、クレアチンの大部分は破壊されてしまう。

これらの事実をまとめると、生肉や生魚を常食している人以外は、クレアチンが飽和状態にあるとは考えにくい。つまり、クレアチン摂取の効果には、期待ができるということだ。

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摂取することによるリスクは少ない

仮に、体内のクレアチンレベルが飽和状態にあっても、上限を超えたクレアチンは体外に排出されるため、健康上のリスクはない。クレアチンを摂取し始めると、浸透圧性の下痢などの副作用をもたらすこともあるが、飲み方を工夫することでその発生リスクは軽減できる。

上限以上の摂取によるリスクはない

まれに、クレアチンをサプリメントから摂取していなくても、体内のクレアチンレベルが飽和状態にある人がいるかもしれない。しかし、体内のクレアチンレベルは簡単には分からないため、クレアチンの効果があるかどうかは、実際に摂取をしてみるまで分からない。クレアチンを摂取してみても効果がない(≒体内のクレアチンレベルが飽和状態にある)としても、そのことによる健康上のリスクはない。

体内のクレアチン貯蔵量には上限がある。上限を超えて摂取したクレアチンは、クレアチニンに分解されて尿として体外へ排出される。このプロセスにおいて、血中や尿中のクレアチニン濃度が高くなったとしても、その有害性を示すエビデンスはない。つまり、必要以上のクレアチン摂取は、意味もないが害もないということだ。

飲み方でほかのリスクは軽減できる

クレアチンのサプリメントを摂取することで、浸透圧性の下痢を引き起こすケースが報告されている。しかし、このような副作用は、「ローディング期間を設定しない」など、飲み方を工夫することで発生リスクを軽減することができる。

ローディングあり

ローディング期間は1週間程度を目安とする。1日に20gのクレアチンを4回に分けて摂取する。ローディング期間が終わったあとは、1日に5gのクレアチンを毎日摂取することで、体内のクレアチンレベルが飽和状態になるといわれている。

ローディングをするメリットは、クレアチンの効果が早く実感できる可能性があることだ。しかし、デメリットとして、短期間に大量のクレアチンを摂取することで、浸透圧性の下痢を引き起こす可能性がある。クレアチンは水に溶けにくいため、温水と一緒に摂取することが解決策のひとつである。

ローディングなし

1日に5gのクレアチンを毎日摂取する。これを1ヶ月ほど続けると、体内のクレアチン貯蔵量が飽和状態になるといわれている。クレアチン貯蔵量を維持するために、1日に5gのクレアチン摂取は続ける必要がある。

ローディングをしない場合、体内のクレアチンレベルが飽和状態になるまで、3-4週間かかるといわれている。しかし、短期間に大量のクレアチンを摂取する必要がないため、浸透圧性の下痢が発生するリスクは軽減することができる。

かかるコストは許容の範囲内である

クレアチンの摂取は多くの人に効果がありそうだ。また、必要のない人がクレアチンを摂取したとしても、そのことによるリスクはない。そして幸運なことに、クレアチンの効果が実感できずにサプリメントをやめるとしても、それにかかるコストは許容ができるものだ。

クレアチンパウダーのコストは2〜4円/gほどである。ローディングなしで3ヶ月間摂取したとしても、トータルコストは1,000〜2,000円だ。1,000〜2,000円のコストでトレーニングの質を向上させる可能性があるならば、試してみる価値はあるといえる。もし、クレアチンの効果が実感できなければ途中でやめればいいだけの話であり、クレアチンへの期待値は高い。

どこで買うのが安いか?

クレアチンは、ほかのサプリメントと比べても低価格である。しかしながら、サプリメントにかかるコストを少しでも抑えたい。そのようなときに最適な選択肢を考える。

Amazonで買う

ひとつは、商品リンクを貼ったようにアマゾンで購入することだ。プライム会員であれば、購入までの手間や配達にかかる時間など、あらゆるコストが削減できる。

iHerbで買う

ふたつめが、アイハーブを利用することだ。アマゾンよりは納期がかかるものの、低価格かつ豊富な種類から商品を選ぶことができる。

https://iherb.co/ChHceyY1

MY PROTEINで買う

さいごに、マイプロテインだ。アイハーブのように海外発送であることから、アマゾンよりも納期はかかる。アイハーブとの違いは、オリジナル商品の展開などに力を入れていることだ。