PFCバランスの計算アプリは「メモ」と「Calcbot」が最適解である

PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける。計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する。実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する。したがって、PFCバランスの計算アプリは「メモ」と「Calcbot」が最適解である

PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける

PFCバランスは「一週間」単位で計画する。計画したPFCバランスを「毎日」実行する。実行した結果をモニタリングして修正することも大切だ。したがって、PFCバランスの計算は「計画」と「実行」に分ける

PFCバランスは「一週間」単位で計画する

食事のPFCバランス(「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の割合)を管理することを「マクロ管理法」というが、マクロ管理法を実行したところで日々の体重増減は思うように進まないし、「一か月」という期間ではマクロ管理法の計算ミスをリカバリーできない。だから、「一週間」はマクロ管理法のサイクルを回す上で適当な期間なのである。

実際、人の体重は体内の水分量だけで数kg増減する。つまり、朝起きて体内水分量が少ないときは体重が減るし、夜寝る前の体内水分量が多いときは体重が増える。

ある日はその前日から体重が1kg減っていたのに、その翌日には元に戻っているということも日常茶飯事だ。日々の体重の増減に一喜一憂していてはキリがない。

それに対して、一か月前に決めたPFCバランスを愚直に実行したとして、もしそのPFCバランスの計算が間違っていれば体重の増減をリカバリーするのにまた一か月かかってしまう。

それから、一週間を単位とすることは我々の社会生活とも相性が良い。トレーニングは一週間ごとのローテーションで組むことが多いし、仕事や学業も一週間単位でスケジュールされることが多いだろう。

体重の増減は摂取カロリーのコントロール(計画したPFCバランスでの管理)に焦点を当てられることが多いが、それと同じように適当に「計画すること」も大切である。まずはしっかりと定量的に計画することで次のステップに進むことができる。

計画したPFCバランスを「毎日」実行する

一週間は長いようで短い。「今日だけは」という気持ちで日々を過ごしていれば、あっという間に最初の計画に価値はなくなってしまう。計画は実行されることに価値がある。一度立てた計画は「毎日」実行するという強い意志を持とう。

一週間単位での計画(ターゲット)にどれだけミートできるかは、毎日の実行のビルディングブロック(積み木)である。一週間で積み上げたブロックが足りない(余る)ことはあるかもしれないが、それを決めるのは実行する自分だ。

食事から摂取するカロリーはあくまでも理論値であるから、800kcalの食事を取ったつもりが実際には900kcalだったり700kcalであることもあるだろう。

しかし、そのように細かい数値の整合を確認していても仕方がない。幸運なことにあらゆる食事のカロリー(PFCバランス)を参考値として記載しているサービスはあるから、理論値でも計画にミートできる最大限の努力をするべきだ。

実行した結果をモニタリングして修正することも大切だ

前述したように、摂取カロリーは理論値でしかないだけでなく、消費カロリーだってその日の過ごし方で変わってくる。だから、一週間単位の計画を実行したなら、その結果から計画したPFCバランスが適当だったのかどうかを評価しなくてはならない。

消費カロリーは基礎代謝と運動係数の積で考えることができる。運動係数は運動量で決まるものだから人によって異なるし、同じ人でも日によって異なる。外を動き回ることが多ければ運動係数は大きくなるし、座りっぱなしなら運動係数は小さくなる。ある人の運動係数は計画と実行の結果からしか分からないのだ。

例えば、体重を増減させたくない基礎代謝1,600kcalの人が、摂取カロリーをメンテナンスカロリー(体重が増減しないカロリー)2,400kcalで計画して毎日実行したとする。しかし、一週間後には体重が0.5kg減っていた。これは運動係数を1.5で見ていた(2,400kcal / 1,600kcal)が、実際にはそれ以上に運動係数が大きかったということだ。

一週間に体重が0.5kg減るということは、毎日500kcal(500g * 9kcal * 80% / 7日)のカロリーが不足していたことになる。細かい計算根拠は置いておいても、この人が引き続き体重を増減させたくないなら翌週は毎日2,900kcal摂取すればいいのだ。

計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する

計画を詳細に記録できる。計画を実行した結果が残せる。Appleユーザーはメモ一択である。したがって、計画はシンプルにiOS標準の「メモ」で記録する

計画を詳細に記録できる

マクロ管理法では摂取するカロリーをPFCに分解して計画するが、その計画にも固定値と変動値がある。例えば、朝と夜にプロテインを取るなら、プロテインのカロリーは固定値でそれ以外が変動値だ。このような詳細を記録するには表計算ほどは細かくない文章保存方法が必要だ。

マクロ管理法の記録で最も簡単かつ原始的な方法は「紙」に書くことだ。しかし、紙に書くくらいなら誰でも持っているであろうスマホを使って、紙に書くことを電子化した方が便利だ。

iOS標準アプリの「メモ」は、スマホが登場するまでに行われていた「メモ書き」をスマホ上で再現できるようにしたアプリだ。iPhoneを使っているならこのアプリを使わない手はないだろう。

計画を実行した結果が残せる

「計画」と実行した「結果」は表裏一体だ。手書きのメモは結果を残せばそれだけ紙の量が増えていくが、アプリのメモなら追記・修正をして一ページに計画と結果を残すことができる。

実際、数年もマクロ管理法を実行していれば、前回の減量(増量)時に計画していた摂取カロリーを参考値として持ち出すことは頻繁にある。長期間にわたって保存する必要のあるものは手軽に使えて詳細が分かるものが適している。

それから、体重の増減推移をグラフ化したり、年単位で過去データをさかのぼりたいときは、体重計と連携させた「ヘルスケア」アプリが使える。こちらもiOS標準アプリである。

計画を実行した「結果」は自分だけの「資産」だ。過去の成功(失敗)事例をストックしていくこと、その事例を参照することにおいてメモアプリ以上に適したものはない。

Appleユーザーはメモ一択である

iPhoneだけでなくMacやiPadといったAppleデバイスを複数所有している人には、なおさらメモを勧めたい。メモはiOS標準であると同時にMacOSやiPadOS標準でもあるから、各デバイスで更新した内容はiCloudを経由して全デバイスに即連携される。

メモに記録する内容は少ないとはいえ、キーボードを使って入力できることはアドバンテージになる。メモアプリで「メモを取ること」自体は非常にシンプルなインターフェースだが、フォルダ管理もできるためデータ保存にも適している。

実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する

進展が管理しやすい。メモ代わりにもなる。マクロ管理以外にも使える。したがって、実行は汎用性がある「Calcbot」で管理する

進展が管理しやすい

計算機アプリはiOS標準の「計算機」もあるが、有料だが使いやすい「Calcbot」を勧めたい。Calcbotには標準の計算機アプリにはない「履歴テープ」や「式ビュー」といった機能があり、これらのおかげでPFCごとの進展が管理できる。

履歴テープは計算の結果が残せる機能で、前に計算した履歴が残せるようになっている。式ビューは計算の過程が分かる機能で、計算結果の計算式が一目で分かる。

例えば、計画したP(タンパク質)が150gのとき、朝に20g、間食に20g、昼に30gのタンパク質を取ったなら、「150」→「150 - 20 - 20 - 30 = 80」のように、計算結果と計算式が残る。それから、次に20gのタンパク質を取ったことを計算しても、それまでの計算結果と計算式は残る。

メモ代わりにもなる

Calcbotには「お気に入り」機能もある。一週間ごとに計画したPFCをお気に入りにしておけば、日々の管理はメモを使うことなくCalcbotだけで完結できる。

実際の運用としては、一週間のPFCを計画したらCalcbotにPFCの数値を打ち込みお気に入りにする。それから、毎日お気に入りにしたPFCから実際に取ったカロリー(PFC)を引き算していき、その日の夜にはゼロになることを目指す。

Calcbotなら過去の記録も「履歴テープ」に残すことはできるが、スクロールして探すのは大変なので、一週間ごとの計画と実行の結果は「メモ」で記録する。

マクロ管理以外にも使える

CalcbotはPFCバランスの計算アプリとして使うだけでなく、「関数電卓」や「換算」機能を使って日常生活のQOLを上げることもできる。

例えば、換算機能を使うと「500日」を「12,000時間」に換算したり、「10lb」を「4.5359237kg」に換算できたりと便利だ。

いずれにせよ、履歴テープと式ビュー機能がある計算機アプリには類がなく使いやすいため、有料でも購入を検討してみてほしい。