少食が太りたいときはサプリメントを飲むべき?

すべての人は、ハードゲイナー⇔イージーゲイナーという連続体のなかで、どちらかの特徴をもっている。そして、ハードゲイン(傾向)の人は、通常の食事だけでは太ることがむずかしいケースもある。今回はハードゲイナーが太らない原因と、太るための方法をまとめる。

ハードゲイナーはなぜ太らない?

ハードゲイナーが太らない理由を説明する。

人は単純な仕組みで太る

そもそも、人が太る状況を説明しよう。太る状況を決めるのは、摂取するカロリーと消費するカロリーのバランスである。

ボディメイクにおいて、もっとも単純でその基盤となるロジックは、摂取カロリーと消費カロリーのどちらが多いか?ということだ。太るときは、摂取カロリーが消費カロリーよりも多くなくてはならない。逆に、摂取カロリーが消費カロリーよりも少なければ、人は痩せる。

つまり、太りたいときに取りうる手段は、摂取カロリーを増やすか、消費カロリーを減らすか、そのどちらかだ。多くの場合は、摂取カロリーを増やす方向へ舵をきることになる。

やっている「つもり」では太らない

問題は、摂取カロリーを増やしている(つもり)にもかかわらず、太れないケースだ。

基本的には、摂取カロリーが消費カロリーよりも多ければ太る。つまり、摂取カロリーを増やした「つもり」になっているだけで、実際は増やせていないということを、認識しなくてはならない。何事でもそうだが、やっている「つもり」ほど、やっかいなことはない。

「つもり」をやめるには、摂取カロリーと消費カロリーを定量的に把握することだ。摂取したカロリーは、どんな食べものを食べたかで分かる。また、消費したカロリーは、体重や身長から計算する基礎代謝と、行動から計算する運動レベルによって定量化できる。そもそもカロリーとは?ということは、下記の記事で書いている。

消費カロリーが多いと太らない

もう少し、太らない原因を深掘りする。ひとつは、消費カロリーが多くて太らないケースだ。

消費カロリーは、基礎代謝と運動レベルから計算できる。とくに、運動レベルは行動にかかわってくるため、人によって大きく変化するところだ。たとえば、運動や肉体労働が多ければ運動レベルも上がるため、消費カロリーは増える。つまり、運動レベルの増加と同じだけ摂取カロリーを増やさなければ、太ることはできない。

運動はまだしも、労働についてはコントロールすることがむずかしいかもしれない。もし、自分がコントロールできる運動、たとえば、有酸素運動をおこなっていて太れないことに悩んでいるのであれば、必要以上の運動はしないほうがいい。

摂取カロリーが少ないと太らない

しかし、太るために運動をやめるというのも、健康という観点ではおかしな話である。したがって、今回はもういっぽう、つまり、摂取カロリーが少ない(足りていない)というところから、話を展開していく。

摂取カロリーが少ない原因は、もう少し分解することができる。

  1. そもそも食べる量が少ない
  2. 栄養の吸収に問題がある

ひとつめは、少食の人には分かりきった話だ。しかし、そもそも少食の人がむりをして食事を増やすことは、相当のストレスになる。そのため、いかにして効率的に食事(とそれに代わるもの)を増やすか?ということが論点になる。

ふたつめは、わりと見落としがちな点だ。消化器官が弱っている、または生まれつき強くない場合、ほかの人と同じ量の食事をとっても、しっかりと栄養を吸収できていないケースがある。

少食がサプリメントで太る方法は?

摂取カロリーが増えない原因を分解したところで、それぞれの解決方法を検討する。ひとつは、少食をサプリメントでカバーする方法、もうひとつは、栄養の吸収効率を向上させる方法だ。場合によっては、ふたつ同時に取り組んでもいい。

サプリメントを摂取して太る

まずは、サプリメントで摂取カロリーを増やす方法だ。

プロテイン

プロテインは、アスリートやトレーニーにはなじみがある。しかし、ハードゲイナーが太るためにも有効である。

プロテインとは、一般的にパウダー状のたんぱく質のことだ。そして、たんぱく質は1gあたり4kcalのエネルギーになる。たとえば、1回24gを摂取すれば(若干の脂質と炭水化物も含めて)約100kcalのエネルギーだ。1日に3回プロテインを摂取すれば、約300kcalのエネルギーになる。これは、成人男性の平均消費カロリー2,200kcalの14%だ。

マルトデキストリン

マルトデキストリンは粉飴とも言われ、甘さを抑えた砂糖のようなものだ。炭水化物の摂取は、運動パフォーマンスにも影響する。そのため、運動前や運動中に集中して摂取することもある。

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炭水化物もたんぱく質と同じで、1gあたり4kcalのエネルギーとなる。また、炭水化物はたんぱく質よりも吸収率が高いため、一度に50gほどを摂取しても問題はない。50gのマルトデキストリンは約200kcalなので、おにぎり1個と同等程度のカロリーを摂取できる。

マルトデキストリンは1kgで1,000円もしないため、試してみる価値はある。

栄養の吸収効率を上げて太る

つぎに、栄養の吸収効率を上げる方法だ。

エビオス錠

エビオス錠は、整腸効果があることで有名な薬剤だ。プロテインなどを多く摂取すると、消化のために肝臓を酷使することにもなる。そのため、ただでさえ栄養の吸収効率が低いハードゲイナーにとっては、エビオス錠による整腸効果を期待することができる。

エビオス錠は、ビール酵母に含まれる栄養素によって、胃腸の働きを改善するといわれている。とくに、少食で消化器官が弱っている人がプロテインを多く摂取すると、消化できないたんぱく質が排出される。端的にいうと、腹をこわす可能性がある。このようなときには、エビオス錠の効果が期待できるかもしれない。

念のため断っておくと、エビオス錠を飲むと太るわけではない。十分なカロリーを摂取している場合、その栄養をしっかりと消化・吸収する助けをしてくれるだけだ。成人男性の服用方法が、1日に1回10錠を3回と、多いことが難点だ。

スーパービール酵母Z

こちらは、エビオス錠の亜鉛強化版だと思って問題ない。ハードゲイナーにはエビオス錠と同じくおすすめできるし、エビオス錠にはないメリットもある。

それは、摂取量がエビオス錠の半分でよいことだ。亜鉛を多く摂りたい場合にもおすすめできる。日当たりのコストは、エビオス錠よりも若干高くなる。

最後に

散々サプリメントや薬剤を紹介したが、食事から十分な栄養を摂ることが、身体にとっては一番よい。食事を摂る、咀嚼するという行為は、脳を覚醒する作用があるため、栄養を摂取する以外の効果もあるからだ。

とはいっても、筋トレなどをしていると、通常の食事だけで十分な栄養を摂取することはむずかしい。プロテインに代わる手段としては、プロテインバーという選択肢もある。

いずれにせよ、食事とサプリメントに共通した栄養素であるPFCが、ボディメイクでは重要な役割を担っているということだ。